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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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フラクショナルレーザー機器のセカンドライン C&B(クリア&ブリリアント) Emerge

おはようございます。

今日は5月19日快晴ですね。

日食の日も今日の様に晴れると良いのですけれどね。

今日はクリニックFの診療日です。

インドの出張記も書き終えましたので、そろそろ春期のレーザー医学会情報のまとめをしようと思います。

2012年春季の主な米国系レーザー皮膚科学会は、米国皮膚科学会、米国レーザー医学会と、5月中旬現在で、すべて終了しました。

レーザー機器メーカーは米国が主導していますし、米国の学会はレーザーを専門とする医師に取って外すことは出来ない情報源。

2012年の特徴として、多くレーザーメーカーが痩身の機器を市場に投入し、ピコ秒レーザーがデビューしたことはお話ししたと思いますが、もう一つ特徴的なことがあります。

それは、フラクショナルレーザー機器を販売してきたメーカーが、セカンドラインの「廉価版フラクショナルレーザー機器」をデビューさせたこと。

アパレルの世界と全く同じで、より広い層に販売するための普及版・廉価版としてのセカンドラインの役割は、ファーストラインへの導入としては大きいですよね。

代表的なものは、「フラクセル3 DUAL」や、「フラクセル:リペア」を販売しているソルタメディカル社が、廉価版フラクセルとして投入した「C&B クリア&ブリリアント」です。

ソルタメディカル社は、2004年に世界で始めてフラクショナルレーザー機器をデビューさせた会社です。

ダイオードレーザーが主体ですので、この通り小さなサイズ。

パラメーターも細かい設定は無く、強中弱の3種類から選択するように単純化されています。

そもそも機器としての出力が弱いので、ニキビ痕や毛穴などの治療には適しませんが、肌の入れ替えの用途にはよいのではないでしょうか?

機器本体の価格もファーストラインの「フラクセル3DUAL」と比較すると、約4分の1。

施術の値段も当然変わってきます。

そしてこちらは、本邦初公開。

パロマ社のセカンドラインのフラクショナルレーザーEmerge(イマージュ)。

フラクショナルレーザー機器をデビューさせたのはソルタメディカル社が先ですが、米国パロマ社は、フラクショナルレーザー理論の特許を持つ会社です。

スターラックス1540XD Lux2940(TM)、Lux1540(TM)、Lux1440(TM) などのパロマ社のファーストラインに次ぐ機種として、1410nmの波長を使った機種ですが、C&B クリア&ブリリアントよりもさらに安価です。

どちらもテストをさせていただきました。

2012年現在のレーザー医療クリニックの定義をあえてするとすれば、CO2および、近赤外領域のCO2以外の波長のフラクショナルレーザーをそれぞれ1台づつ。

少なくとも2台のフラクショナルレーザー機器が、クリニックのラインナップにあることが最低条件と言ってよいかと思います。

蒸散系と凝固系の二つのフラクショナルレーザー波長がなければ、多くの症例に対処することができません。

これらの二つの機種は、設定パワーも限られており、照射範囲や照射スピードも遅いため、決して使いやすい機器であるとは言えませんが、これからフラクショナルレーザー機器の購入を考える医師の方には、フラクショナルレーザー機器の構造を理解し、経験するためにも非常に良いのではないかと思います。

百聞は一見に如かずではないですが、こと、レーザー医療に関すると経験に勝るものはありません。

一方で、患者さんがこれらの機器を選択するべきかどうかは悩むところですが、過去販売されたフラクショナルレーザー機器は、本体の値段に比例して効果が上がるのが原状。

治療回数を少なくしたい方は、やはり高出力のファーストラインのレーザーを。

治療回数が多くても、一回当たりのコストを安くしたい方は、セカンドラインのレーザーを選択していけばよいのではないでしょうか。


■インド国際皮膚科学会ISDS出張⑲ インドからの帰国 お土産 インド人の気質

おはようございます。

5月18日今日もクリニックFの診療日です。

昨日の休診日はレーザー工学研究室に顔を出して、実験の続きをしていました。

新たにできる光源の波長を測定したのですが、500nm、600nm、700nm領域の波長の強さをそれぞれ個別に継時的に測定したものです。

このようにすると、新たな光源の性質の推定ができるのです。

来月論文完成をめどに頑張っています。

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さて、僕のブログ、国際学会周遊記 インド編も最後のブログとなりました。

こちらインドはデリーの、インディラ・ガンジー国際空港です。

セキュリティチェックがかなり厳しく、eチケットも印刷されたものを持っていないと空港に入れてもらえません。

通常はマイレージカードがあればカウンターで手続きできるのですが、空港に入れないと話になりません。

他の国の空港ではこのようなことはないので、インドの国際空港を利用される方は注意が必要ですよ。

空港にあった、「India・Explore」=インド探検という名前がついたお店。

発着口にはインド航空の機体が待っています。

帰りの機内で読んだ本では美容外科の特集を組んでいました。

クリニックFは、メスを使わず肌質を改善するレーザー皮膚科ですが、いまだに美容外科と混同する方も多いのが日本の現状です。

こちらの記事は、「美容外科医があなた(患者さん)に言いたくないこと」

という語録集でした。

どこの国も同じような悩みを抱えている人がいて、興味深かったです。

こちら、今回学会先からいただいた学会参加証。

こちらは招待先のTimpac社からいただいた証書と記念品の箱。

お土産の中にはこのような絵が入っていました。

Dr.Fujimoto の名前が入っています。

微細な細工が綺麗にできていますので、クリニックの待合にありますのでいらっしゃったら、実物をご覧くださいね。

閑話休題。

2030年から2050年にかけて、インドはGDPで中国を抜き、世界1位の国家になると予想されています。

そういった意味でもインドは一度訪れたい国のひとつでした。

僕の初めてのインド滞在で受けた印象は、インドの社会は身分の違う種族(カースト)が交わることなく、独自に生活しているという感じ。

独特の価値観や文化を持ったそれぞれのカーストが、お互い関せず交わらずに、並行して共存している混沌とした社会。

インド国というナショナリティも、外部に敵が現れたときは一致団結しますが、普段は自分の所属するカーストを守ることがなにより大事なのかな、と感じざるを得ない場面にも遭遇しました。

通常の国とは少し違うように感じたんですよね。

カースト間での常識が違うからなのか、インドの国民性は、集団で仕事を分担して大きなことを成し遂げるような仕事は苦手なように思えましたが、数学やITなど個人の能力の高さは目を見張るものがあります。

日本とはまったく違う意味での「教育大国」がそこにあるのでしょう。

次の滞在では、大学の研究所なども訪問したいですね。

また、​男女ともによく喋るのには驚きました。

そして、時間の感覚は日本とは全く違いますね。

アメリカ人がビジネスをするためにインドに滞在すると、その3​分の1は半年以内に病んでしまい、本国帰還になるのだと聞きました。

これには納得するような場面もありましたよ・・・。

タフでなければ生き抜いていけない国でもあるんでしょうね。

いずれにせよ、今回のインド滞在は3日間だけでしたので、僕の本格的なインド体験はまた次回になりそうです。

長くなりましたが、これでインド国際皮膚外科学会の出張記を終わります。

 


■インド国際皮膚科学会ISDS出張⑱ フマユーン廟

おはようございます。

今日5月16日はクリニックFの診療日です。

今日は気持ちのよい天気ですね。

東京で28度まで上がるそうです。

昨晩は現在計画中のボディ(痩身)クリニックの打ち合わせで銀座の維新號に行ってきました。

名物のでっかい肉まん。これは上手かった。

以前より計画していたのですが、世界最新鋭の痩身機器を備えて、食育的、分子栄養学的な痩身アプローチができ、脂肪吸引などの手術をしない痩身専門クリニック。

クリニックFは、原則フェイシャルに関連する施術のクリニックなのですが、クリニックBが実現する可能性が出てきましたよ。

慎重に機器を選び、確実なデータを揃えた上で実行したいと思います。

さて、僕のブログ国際学会周遊記は、先月訪れたインド国際皮膚外科学会の話。あと二つのブログで終わります。

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インド滞在最終日に最後に向かった場所がこのフマユーン廟。

ムガール帝国第二代皇帝のフマユーンが事故死し、その妃が1565年に建造したものだそうです。

こちらはデリー近郊にあり、タージマハルの原型になったと言われるインドイスラム文化の傑作と言われる建築物です。

大きな庭に囲まれています。

前門があるところもタージマハルが模したのでしょう。

記念写真を撮っている人も沢山いました。

廟の敷地の中。

美しい建物ですね。

フマユーン廟の正面から、急な階段を登ります。

内部には皇帝フマユーンの棺がありました。

ムガル帝国の廟建築の原型とも言えるフマユーン廟は、インドの歴史において、奇しくもムガル帝国終焉の舞台となりました。

1857年にはじまる、いわゆるインド大反乱(セポイの反乱:最近はこの名前は使われないようです)の際、ムガル朝最後の皇帝バハードゥル・シャー2世は3人の王子とともにこの墓廟に避難しました。

皇帝はウィリアム・ハドソンの率いるイギリス軍によって捕縛され、裁判にかけられて帝位を剥奪され、ムガル帝国が終焉を迎えることになったのです。

フマユーン廟の見学を最後に、空港に送ってもらいました。

途中、巨大な蓮の花の形をしたバハーイー寺院を観ましたが、こちらはあまりの参列者の数(2時間近く待たされるとか)に、中に入るのは断念しました。

イスラム教、ヒンズー教、仏教の寺院ではなく、19世紀半ばにイランで創始された一神教「バハイ教(バハーイー教)」の礼拝堂。

こうした宗教施設への参拝が熱心な国民なのですね。

 


How to Evaluate and Identify Medical Laser Markets

おはようございます。

今日5月15日(火)はクリニックFの診療日です。

都心は雨になるとの予報ですが、また明日からは暑くなるようですね。

さて、昨晩の診療後は赤坂で、ソルタメディカル社の本社スタッフと会食がありました。

アジアパシフィック統括のミンゴと、本社マーケティングスタッフのトーマス。

ミンゴとはシンガポールで2年前に会って以来。トーマスは来日の度にクリニックFに立ち寄ってくれますので、半年ぶりでしょうか。

どちらも僕と同世代です。

ソルタメディカル社は

「サーマクールCPT」

および

「フラクセル3 DUAL」

といったクリニックFでの主力商品を販売する、全米第二位のレーザー開発会社。

ここ数年で「アイソレイズ(isolaz)」や「リポソニックス(liposonix)」

など、ニキビや痩身に対して独自の技術を持った会社を買収してきました。

たとえばニキビ治療に対してドクターが行うアプローチには、(良い悪いの議論は脇に置いておくとして挙げていきますと)面皰圧出といった古典的な施術に始まり

○飲み薬によるアプローチ (抗生物質、アキュテイン、ピルなど)

○塗り薬によるアプローチ (ビタミンC誘導体、ビタミンA誘導体、ディフェリン/アダパレン、ピーリングなど)

○機器によるアプローチ (レーザー治療機器、イオン導入器など)

・・・といったものがあります。

そんな中、アイソレイズ(isolaz)は治療費が高額であることを除けば、2012年現在最高の治療効果を出す機器として世界各国の医師の間で認知されているのです。

また、ニキビ跡治療は、以前にもお話していますが、ニキビ治療と全く違ったアプローチが必要となりますが、こちらは「フラクセル3 DUAL」が第一選択となるのは明白でしょう。

しかしながら、日本に市場を求めるレーザー企業は、

○特にこの10年の間に開発された米国の新しい医療機器は、そもそも日本では認可が遅く導入に時差が生まれてしまう(=デバイスラグ)。

○医師が個人輸入して機器を手に入れたとしても、教育機関が定められていないため、医師の間で厳密な治療プロトコールの共有が出来ない。

○医療機関は広告を打つことが出来ないので、どんなに素晴らしい機器でも消費者(患者さん)への認知が出来ない。

・・・といった二重苦、三重苦の中での販売を余儀なくされているのです。

会食が始まった当初は、新たに買収した痩身の医療機器である「リポソニックス(liposonix)」の性能について話が始まったのですが、だんだんと会話は ソルタメディカル社の既存のラインナップから

■How to Create New Market Opportunities.

■How to Evaluate and Identify Markets.

・・・といった、僕のもう一つの専門分野である医療経営管理学的な話に移行しました。

気づいたら英語で3時間以上もディスカッションを続けていましたよ(笑)。

医師である以上、医療の質に対するこだわりは捨てられません。

また、レーザーを扱う治療技術者としては、新しい機器が出れば機器をいち早く評価し、どのタイプの患者さんに効果があるのかを見極めたい。

しかしながら、患者さんそれぞれにとって最も早く効果が出る治療法を、すべての医師が選択し、治療法を共有するためには、レーザー治療に参入する医師の市場活性化が必要である。

レーザーの様に高額な機器導入が必要な医療市場が活性化するためには、それぞれのクリニックに経営的、管理会計的な知識を与え、経営基盤を強化しなければならない。

さらに最も重要なのは、ここ10年間で最も進化した医療分野の一つである

レーザー治療で 「新たに出来るようになったこと」

の認知を、医師および消費者に対して、より上げてゆかなければならない。

などなど。

プロダクトサイクルでいうと、これから成熟期に入るはずのこのレーザー医療業界において、今後もレーザー医療という市場を伸ばしてゆくためには、患者さん、医師、レーザー機器メーカーともに利点がある方向を探ることが大切ですよね。

自分の方向性も再認識することが出来ました。

最近診療後は、工学の論文とにらめっこの日々が続いていましたが、久しぶりに自分の専門分野について改めて考えるきっかけとなり、とても良い刺激になりました。


■インド国際皮膚科学会ISDS出張⑰ ラールキラー

おはようございます。

今日5月14日はクリニックFの診療日です。

昨日は東海大学形成外科のゴルフコンペに参加させていただきました。

先月のフロリダ開催の米国レーザー医学会(ASLMS)でご一緒させていただいた宮坂宗男教授にお誘いいただいたのです。

宮坂教授は、レーザー医学を専門の一つとされる、日本で唯一の形成外科の主任教授としても知られています。

思えば僕が初めて宮坂教授にご挨拶させていただいたのも、2004年ダラスで開催された米国レーザー医学会でした。ちょうどあの時にフラクセル(ソルタメディカル社)がデビューしたので、記憶に残る学会です。

ゴルフコンペでは、一等賞品のオーパスワンを巡って僕も頑張りましたが惜しくも届かず(苦笑)。晴天の中、メンバーにも恵まれて、とても楽しくゴルフをさせていただきました。

コースの写真を撮りましたが、ちょうど雲の形が矢印のように見えませんか?

まるで将来の指針を示しているようでしたよ。

話変わって、僕のブログ国際学会周遊記は、先月招待講演で滞在した、インドブログについて。あと3つのブログでインド出張記はおしまいです。

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赤い砦ラールキラー(レッドフォート)は、ムガル帝国時代にデリーに建てられたインドの城塞です。

ムガル帝国の皇帝シャー・ジャハーンが、アグラから遷都。

自らの名を冠した新都シャージャハーナーバード(現デリー)における居城として築いたもので、9年の歳月をかけて1648年に完成しました。

タージマハルを作り、このレッドフォートを造ったと言えば、シャージャハーンの名前が世界に残っているのもわかりますね。

2007年には世界文化遺産に登録されましたが、見ての通り、威圧感のある巨大な城です。

中国の紫禁城か、ロシアのクレムリンのような規模です。

チケットセンターには長い列が。

横にまわると入り口があります。

入り口から内部に入ります。

建物の内部に入るとすぐ、お土産屋さん通りがあります。

荘厳な外見に対して格差に驚きましたが、イギリス占領下では、この建物は軍の駐屯地にされるなど、内部が大きく造り替えられたのだそうです。

客引きも多かったですね。

このお土産通りを超えると広い中庭に出ます。

ムガル帝国の皇帝たちとの一般国民との謁見殿ディーワーネ・アーム(Diwan-i-Am)があります。

かなり巨大な施設です。

こちらの白いものがが玉座。

昔は宝石が散りばめられていたのだそうです。

イスラム風の建築様式ですね。

さらに奥には、ディーワーネ・カース(Diwan-i-Khas)、と呼ばれる、貴賓謁見殿がありました。

白い大理石でできた建物は、タージマハルが思い起こされるものでしたよ。


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