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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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再びシカゴトランジット中です

マイアミ帰りでシカゴにトランジットしましたが、今回も偶然シカゴ経由のボストン行き。

ひと月前は大雪でしたが、今回も外気温3度の寒さです。

本当はボストン直通便チケットを取っていたのですが、残念ながら787の件で今日のダイレクトフライトはキャンセル。

シカゴ経由となったのでした。

ボストンに着いたらまたブログをアップしますね。


 

 


日本形成外科学会2013年 新規ビタミンC GO-VCの招待講演 肝斑へのレーザートーニング談義

おはようございます。

 

昨日は晴れましたね。

京王プラザホテルからの景色もこの通り。東京の天気は雲一つない快晴でした。

朝から日本形成外科学会の、眼瞼挙上のセッションを拝聴。

昼には、株式会社ITO社のランチョンセミナーに招待講演者として呼んでいただきました。

今年の形成外科学会はランチョンセミナーに整理券を発行して、定員性のスタイル。

ドキドキしながら見ていたのですが、4日の昼に並列して6室あったランチョンセミナーのうち、僕たちのセミナーの整理券がいち早く終了となりました。

もちろん、講演会場の大きさや、用意されたお弁当の数の関係もあったのだとは思いますが、ちょっと嬉しかったです。

今回の講演テーマは、新規ビタミンC誘導体GO-VCの基礎と臨床について。

この通り、会場に立ち見も出る満席の状態で講演が始まりました。

○座長の慶應義塾大学形成外科教授の貴志和生教授

○クリニックモリの森文子先生

とお話しされ、僕は二人目の演者でした。

今回お話しさせていただいた新たなビタミンCは、2013年にデビューしたGO-VCという名前です。

過去、外用剤の歴史は、より安定した、浸透率の高いビタミンCの開発の歴史と言っても過言ではありません。

なぜならば、ビタミンCの肌に対する薬効は

①正常なセラミドの増加

②一重項酸素除去

③ヒドロキシラジカル除去

④皮脂分泌抑制

⑤皮脂酸化抑制

⑥角化細胞分化の正常化

⑦コラーゲン産生促進

⑧紫外線防護作用

⑨メラニン生成抑制作用

⑩酸化型メラニンの還元作用

⑪基底膜の活性化

⑫NOラジカルの消去

⑬細胞外マトリクス産生促進作用に伴いう創傷治癒促進

⑭フリーラジカル除去に伴う炎症の鎮静作用

と、ほぼ肌に必要なすべての要素を持つからです。

純粋なビタミンCをグリコシドで安定化させたのはアスコルビン酸グルコシド。しかし、人間の肌にはアスコルビン酸(ビタミンC)とグルコシドを切り離すグリコシダーゼがありませんので活性化することは出来ませんでした。

1990年に完成した、リン酸型ビタミンC(APS)は純粋なビタミンCよりは安定した物質で、ニキビには一定の効果を示しましたが、ナトリウム塩を含むために肌が乾燥し、化粧品としては質感の悪いものでした。

2000年になると、リン酸型ビタミンCにパルミチン酸をつけた両親媒性
(水溶性+脂溶性)の非常に効果的なAPPSが完成しましたが、残念ながら安定度は低かったのです。

2005年にはAPSよりも効果の高い、VCP-IPが完成しましたが、やはりナトリウム塩を含みましたので質感の悪いものでした。

そしてこれらのビタミンCの弱点は、水溶性高分子(ジェル)に溶かすことが出来ないこと。

上記のようにビタミンCをジェルに配合してしまうと、粘性が落ちたり、水になったり、白濁してしまったりとジェルの質が低下してしまうのです。

そこで開発されたのがGO-VC

オクタノールとグリセリンによって安定化したビタミンCです。

グリセリンの保湿効果に加え、オクタノールの抗菌活性も期待される

線維芽細胞賦活作用を持つ

アルブチンよりも強いメラニン産生抑制効果を持つ

ヒト皮膚における色素沈着抑制効果 (in vivo)を持つ

赤味、毛穴、色素沈着、眼下のシワに対する改善効果がある

などの特徴を併せ持つ新規ビタミンCです。

クリニックFでのクリニカルテストの講演をさせて頂きましたが、非常に効果的ですね。

今後の展開が楽しみです。

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講演の後は、レーザーセッションに顔を出しました。

肝斑のレーザートーニング治療に関する葛西健一郎先生と山下理絵先生のディスカッション。

僕自身はレーザートーニング賛成の意見なのですが、「他院でレーザートーニングを数回施術されて悪化した症例が何名か来院されているので、注意を喚起し、施術も慎重にすべきである。」という葛西先生のご指摘。

その他院からの紹介状を持って患者さん来院された訳ではないので、

果たして適切なパラメーターで照射されたのか?

本当にメドライトC6によるレーザートーニングを施術されたのか?

悪化したのはレーザートーニングが直接の原因なのか?

他の施術を併用されたのではないか?

この辺りをきちんと判断しなければなりませんが、賛成派と反対派の意見が何度も出ることによって治療方法は進化するものです。

学会中のご指摘にもありましたが、まずはレーザートーニングという施術の定義をきちんとした上でのディスカッションが必要だと思います。

現在ではレーザートーニングは、

「1064nmもしくは755nmの波長のQスイッチレーザーを用いて、ホワイトニングができない程度の弱い出力で、10Hz前後で病変部位に数百ショット照射し、紅斑が出るかどうかをエンドポイントに照射をやめる」

という曖昧なプロトコールとなっており、照射に使用する機種どころか明確な波長もパルス幅も照射数も定義が確立されておらず、医師の経験によってしか治療されていないのですから。

何れにしても、こうしたセッションが成立するという事は、レーザートーニングは注目されるべき施術方法なのでしょう。

大変興味深かったです。

実際にレーザートーニング治療を続けて行く上では、常に医師が照射頻度やパワー選択をしなければなりませんし、色素脱失などの副作用の発生を見落とさないなど、注意深い診察が必要となります。

また、そもそもすべての患者さんに対して第一選択肢として適応があるものではありません。

レーザー治療は経験ある医師に診察をしてもらった方が良いということですよね。

 


2013年 日本形成外科学会総会 京王プラザホテル 

今日は新宿の京王プラザホテルで開催された、日本形成外科学会に出席してきました。

僕は診療を17時までに終えて、夕方より学会に参加。

その後、夜はイタリアのフローレンスのレーザーメーカーのDEKA社のイブニングセミナーの講演者の集まりで会食に。

イタリアDEKA社の副社長のマウロを囲んでのかいでしたが、いつもお世話になっている

○クロスクリニック  石川浩一先生

○林原医院 林原伸治先生

○河田形成外科クリニック 河田真作先生

や、

マドンナリフトを使用した瘢痕治療の共同研究の可能性が出てきた

○川崎医大形成外科教授の稲川喜一教授

との会食でした。

場所は新宿の京王プラザホテルの44階の一室だったのですが、京王プラザのレストランのメニューをケータリングしてもらうシステム。

こうした部屋があるのを初めて知りました。

いつもご一緒させていただく先生方なので、楽しい会食&レーザー談義になりました。

 

 


■2013年3月 マイアミ AAD全米皮膚科学会出張⑲ ユリアンナ・アヴデーエワ (Yulianna Avdeeva )のピアノリサイタル シカゴの大雪 雪除去重機 そしてマイアミからの帰国

おはようございます。

今日4月3日はクリニックFの診療日です。

夕方より京王プラザホテルで開催される日本形成外科学会に出席予定ですので、今日の外来は少し早めに切り上げさせていただこうと思っています。

昨晩は診療後、横浜みなとみらいコンサートホールで開催されたユリアンナ・アヴデーエワ (Yulianna Avdeeva )のピアノリサイタルに行ってきました。

彼女は何と言ってもマルタ・アルゲリッチ以来45年ぶりの2010年ショパンコンクールの女性覇者。しかも1985年生まれのまだまだ成長過程にあるピアニスト。

審査員だったマルタ・アルゲリッチが、「審査をしたのではなくて発見をしたのだという印象を持ちました」と、絶賛していたのが記憶にあります。

何度も来日コンサートを開いていますが、どうしても生演奏を聴きたかったのです。

バッハのフランス風序曲、ラヴェルの夜のガスパールと続いた後、彼女得意のショパンだったのですが、特にスケルツォ第2番は過去聴いたことがないぐらいの完成度で本当に感激しました。

偶然にも幕間に元北里大学形成外科の塩谷信幸教授とお会いして、久しぶりにご挨拶できました。

そしてこちらがこちらはYOUTUBEで見つけた彼女のショパンピアノソナタの第2番「葬送」。

これは心に響く、類い稀なる演奏です。

そしてこちらは「英雄ポロネーズ」。

少しミスタッチがありますが、観客を引き込む素晴らしい演奏です。

本当に将来がたのしみですね。

世界的に著名なピアニストであっても、体調やホールの聴衆の雰囲気によって、とんでもなくひどい演奏になることも何度も経験しています。

音源のために録音したものと、コンサートホールで実際に聴くものを比較するのは意味がないと思いますが、昨日のスケルツォ第2番は、彼女がゾーンに入ったのか、何かが降りてきたという表現が的確かはわかりませんが、あのとき、あの瞬間にしか聴くことが出来ない特別なものでした。

もう一度聴きたいけれど、同じものは二度と聴けないし、追体験も出来ない。

ここに真の芸術の価値があるのでしょうね。

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さて、僕のブログ新国際学会周遊記はいよいよマイアミの最終章。

マイアミからシカゴにトランジットした時の話です。

晴れていたマイアミから一転。

シカゴはこのとおり雪景色でした。

搭乗機も雪で埋もれています。

カウンターで聞くと、雪のため各地からのディレイが続いたので、今日はフライトの席がガラガラなのだとか。

僕も自家用操縦士免許を取得するときに勉強したのですが、翼に雪が乗ると空力が変わるので、離陸前に洗浄しなければなりません。

ディレイを覚悟しました。

搭乗時間に乗り込みます。僕はちょうど翼の上の窓側。

外を見るとこの通り、翼に雪が乗っています。

数分待つと、大きな音がします。

窓の外を見ると、このような機器が翼を洗浄しています。

だんだん視界が晴れて来ました。

このように、クレーン車のような除雪機があるのですね。

僕は初めて見ましたが、あっという間に翼の上の雪を取り去っていきます。

さしたる時間の遅れもなく、飛行機は離陸。

ほぼ定刻に成田空港に到着しました。

これで2013年3月に滞在したマイアミ開催の AAD全米皮膚科学会の、新国際学会周遊記出張記を終わります。

明日は日本形成外科学会のランチョンで講演。

さらに明後日からはボストンのレーザー医学会(ASLMS)の発表のために渡米します。

12月から毎月アメリカのレーザー関連学会に通っていますが、いよいよこれが前半最後のアメリカ出張の予定(笑)です。

 


■2013年3月 マイアミ AAD全米皮膚科学会出張⑱ 新型ビタミンC GO-VC 早朝のマイアミ空港 マイアミの夜景 美は感じる人の脳に宿る

おはようございます。

今日4月2日はクリニックFの診療日です。

昨日は晴れましたが、今日の東京は雨で、気温は11度までしか上がらないそうです。

明日からは、新宿・京王プラザで開催される日本形成外科学会。

僕も夕方から学会に参加しようと思っています。

そして日本形成外科学会二日目の4月4日。

木曜日のランチョンセミナーでは、本邦初公開の新型ビタミンCであるGO-VCの臨床実験データについて招待講演の依頼がありましたので、僕も話をさせていただく予定です。

GO-VCについては、近々フレグランスジャーナルに僕の論文が載りますので、よろしかったらそちらもお読みくださいね。

何度かこのブログでもお知らせしてきましたが、現在までに販売されているすべてのビタミンC原材料は、ジェルに配合すると水になってしまったり白く濁ってしまいます。またジェルにビタミンCを入れたいと思うと「塩」を結びつける必要があり、それが常に課題となってきました。

こちらは2013年現在、ジェルの器質に入れることができる唯一のビタミンC。

しかもグリセル化をしたことによって保湿力を高く保った唯一のビタミンCです。

アクティブニキビ、肌の赤み、シワに対してはロボスキンアナライザーでの比較結果、優位に改善傾向が見られます。さらに、保湿力が強いため、レーザー照射後に使用する外用剤としても相性は抜群。

クリニックFでは、ビタミンクレイジェル(上写真)として販売していますが、レーザー施術後のケアが完全に変わりました。

大変重宝しています。

さて、僕のマイアミブログはあと二つで終了です。

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出発日の朝。

3時間ぐらい仮眠をとって、朝、最後にメールをチェックしたところ、工学の英語論文が通過した通知を編集部から受け取りました。

これで工学博士号取得が確実に見えてきましたので、本当に嬉しかったですね。

この日は、記念すべき日となりました。

早朝眠い目をこすりながら、タクシーに乗り、予定通り朝4時台にマイアミ国際空港にチェックインです。

とはいえ、マイアミ空港にはかなりの人がいて、チェックインに時間がかかりました。

さすがに米国皮膚科学会が開催されると大変な人出になりますね。

こちらの飛行機に乗り込みます。

日が昇る前の朝早い便だとこの通り、夜景を見ることが出来るのが楽しみです。

マイアミの夜景。

意図して作り上げたものではないと思うのですが、オレンジ色の街灯が本当に美しいのです。写真では伝えきれないところが残念。

僕は、こうした美しいものを観るのが好きです。

思えば、美を持つ側に宿るのでなく、を感じる側の脳に宿るもの。

人間の脳常に刺激を欲しがるものですが、それは美に対する刺激とて同じこと。

だから芸術廃れないのですね。

 


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