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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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『一勝九敗』

先日の講演会で聞いて、買ってみた本。

広島は中区のユニーク・クロージング・ウエアハウスという小売店から、フリースの流行に乗って世界のユニクロへ。

ビジネスも研究も、他人の考えの追従では、勝っても負けても利幅が少ない。

でも10回に一度でも大勝ちすれば十分にお釣りが来るって事ですね。

本書の冒頭に、高度成長期から考えると、日本は20年の成功から10年の失敗をしてしまったと書いていますが、この本が書かれたのは2003年のこと。

まさか日本の失敗が30年続いてしまうとは、柳井さんも予想できなかったでしょうね。

安さが最も良い事の様に言われ続けて30年。30年間、給与も価格も変化無かった日本は、世界的にはあり得ないぐらい安くものを売る国になってしまっています。

ダイソーが100円で買えるのは世界中で日本だけ。

先だってのアメリカの友人も、ダイソーは2ドルが基本と言っていたので300円ですよね。

最近になってインフレの圧力による賃上げのニュースが多く入る様になりましたが、賃上げで購買力が上がれば、回り回って製品のクオリティも上がります。

良い事だと思っています。


日本型教育の美点

昨日は久しぶりに鎌倉高校の同級生と会って、色々昔の事を思い出していました。

僕も80年代の経済が世界最強だった日本で中高を過ごしましたが、当時は第二次ベビーブームで、同学年も1クラスが45名、12クラスもある540人の大世帯でした。

米国に行った同級生もいて、子供の米国の教育では、幼稚園の頃から自分の意見を言う練習をさせるし、ディスカッションが主な授業を行う。

数学などは能力別のクラスでどんどん自習でも勉強を進めさせると言っていました。

苦手教科を無くさせるのが目的である日本とはやはり大きく異なりますね。

当時経済で日本に大きく遅れを取ったと考えた米国が、教育を大幅に変えたのです。結果独創性を持った起業家が多く出て、現在の強いアメリカを作り上げたとも言えるのです。

先日知人がおもしろいことを言ってました。曰く

「日本の制度や教育について批判をする日本人は沢山いるし、実際留学などの手段で海外に出てしまう人も沢山いるけど、不思議と男性はその後日本に帰ってきて仕事をする人が多い。女性はその反対で帰ってこない。結局日本は男性にとって居心地が良いのでしょうね」

と。

海外に行って日本がガラパゴスのようだと思うのは確かで、起業家や新しい発想はこれじゃ育たないだろうと思う一方、当たり前ですが皆が皆起業家になりたいわけではないし、新しい発想を求めているわけでもないのが難しいところ。

そして円安で弱くなった日本、という視点で昨今はよく語られますが、では海外にどこか強い国があるのか、住みやすい国があるのか、と言えば、どの国も今は課題がありますからね。ぶつぶつと言いながらも日本に帰ってくる人もきっと多くいるのでしょう。

話が広がってしまいそうなので、ひとまず今日は教育のみに焦点を当てて考えてみたいと思います。

日本ではあまりありませんが、ディベートの教育の時間では、同じ題目に対して賛成意見と反対意見を言わせてディスカッションさせた後に、賛成反対を入れ替えて逆のディベートをさせるトレーニングなども行います。

僕も日本型の教育を全否定するわけではなく、視点を変えれば日本の教育や制度に美点は多々あることも認めます。

例えば、日本の義務教育で優れているところとして、行事にむかって授業を組み立てていくところなどは挙げたい点です。

運動会、遠足、修学旅行、合唱祭に文化祭。様々な行事が年間ありますが、これらに向けた準備、練習というのは他国でなかなか見ることが出来ないと聞きます。

同窓会で話す内容は、自ずとあの合唱コンクール頑張ったねとか、やはり皆で力を合わせた思い出や経験になります。

ただ、こうした日本の行事、たとえば運動会など外国の方が見るとびっくりするようですね。

外国ではあくまでスポーツを児童が楽しむ日で、それぞれの場で競技が繰り広げられ、皆で揃って観て応援するというのはなかなかない光景だと聞きます。

遠足や修学旅行の「しおり」を学生がそれぞれ担当して作る、といったことも素晴らしいと言われます。

また、例えば理科の実験や朝顔を育てて日記をつけるなどといった、すでに日本人からすると「当たり前以前」の授業や取り組み、図画工作のレベルの高さ。

そして絵本の豊富さから続く児童図書のレベルも極めて高いと思いますし、給食や掃除当番を通して学ぶことも多々あるでしょう。

良し悪しではなくて、その国の教育に合っているかどうかはそれぞれ個人の資質によるという事なのでしょう。

ただし、日本型教育が強いのは、価値観に多様性や変化のない世界。

今回のコロナ禍の政治の対応策などは、おそらく世界最低レベルで、前例のない事態には全く無力であることが顕在化しましたね。

ものづくりが昔の発展途上国に引き継がれ、ビジネスのプラットフォームがITやAIに変化してしまった今の形の教育では、日本が再び経済大国になることはあり得ないと考えないといけません。

経済資産が縮小する一方なので、当然国民皆保険も諦めないといけません。

80歳や、男女平均寿命までなどと、皆保険を使える年齢を決めないといけなくなりますね。

世界史的に俯瞰すると、近代以降に世界ナンバーワンの地位についた経済国家が、10番目以下の国になった事例は、スペイン、ポルトガル以外には無かったのです。

彼らが今何をやっているかといえば、過去の資産の海外への売却。

例えば50万ユーロ以上の不動産を買った人達にEU永住権を与えていて、中国人などが殺到しているわけです。

日本も意識を変えて、教育から変えて行かないと、さらに国家に魅力が無くなり円安が進み、国土がどんどん買い取られてしまうのでしょうね。


版画家の丸山晶子さん

今日は鎌倉高校の同級生。版画家の丸山晶子さんのアトリエうめ庵へ。

久しぶりに同級生が集まり、プチ同窓会に。

僕も鎌倉高校の同窓会誌、うしお会の表紙になっていた江ノ電の版画が欲しいと思っていたので、これを手に入れて満足でした。

同級生と育った地域で会うと、気持ちがほっこりしますね。良い休日でした。


映画”バクダットカフェ”

Amazonプライムビデオでバクダットカフェをみつけてついつい観てしまいました。

1987年なんですね。多分30年ぶりぐらいに観ました。

ラスベガスから240km離れたハイウェイ沿いの田舎町のモーテルに、旅行中にカップルと喧嘩別れした1人の太ったドイツ人女性が歩いてやってきます。

彼女の存在によって、荒んだアフリカ系アメリカ人のオーナー家族が大きく変わってゆき、バグダットカフェもマジックバーとして大いに栄えるのですが、ヴィザが切れた彼女はアメリカを出国しなければならなくなります。

登場人物達の変化の描写が素晴らしく、さらに主題歌のコーリングユーがまた砂漠に合っているんですよね。

こういう映画は最近は無いなあ。お勧めです。

“Calling You” is a song from the 1987 film, Bagdad Cafe. It was originally recorded by American R&B and gospel music singer Jevetta Steele.


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