鎌倉で生まれ育ちましたので小さなころから寺好き・仏像好きな僕ですが、多分子供心にもその建築や仏像を始めとした造作物のすごさ、敷地内に溢れる草花の美しさなどに惹かれていたような気がします。
今回建長寺の中に通してもらい格天井や欄間の細工を見上げると、その巧緻さに圧倒され改めて日本の宮大工の偉大さに触れることができたように思います。
西洋も東洋もそうなのでしょうが、神を祀る場所にこそその国の技術とデザインの礎が結集されているのでしょうね。
高度成長期には高機能のものが売れたと思います。しかし現在はさほど機能差は無いので、現代人は「いかに所有して嬉しいか」という付加価値で物を買うように思います。
ただの革バッグにエルメスなら200万、iPhoneに20万、ダイソンの掃除機に7万、ブラウンのシェーバーに5万。
手間のかかり方が違う、とか デザインが違う、とか 様々理由はあるでしょう。しかし機能だけにフォーカスすれば、その点はほぼ同じと認めざるを得ない。
他社ならもっと安いのに、喜んでお金を払う。
時に機能を犠牲にしてまでのデザイン性の高さ。色彩の明度やバリエーション。
世界で求められる製品を作るには、アートの感性を磨く事が大切なんだなあとつくづく思います。
欧州の美術館を観ていると、子供たちが絵を描いているところによく遭遇しますが、東洋でやるとなると、仏像模写などになるのかなあ・・・
日本にもアートは溢れていますから、感性を磨く環境づくりがさらにもっと整っていくとよいですよね。