秋晴れの三連休最後はベルリオーズの幻想交響曲を友人に誘われ、聴きに行ってきました。
ベートーヴェンが第九を作曲してから僅か6年後の1930年に完成したこの画期的な作品。
久しぶりに生演奏を聴いて、僕が思った事。
幻想交響曲というのは誤訳ですね。
まさに幻想ではなくて「幻覚交響曲」と名付けるべきだったと思います。
今日は感性が豊かだったのか、聴いているうちに色々な思考が降ってきて暫く頭痛が続きました。
滅多に無い事です。
幻想と幻覚の違いは日本語で説明するより、英語で説明したいのですが、ベルリオーズはアヘンを吸いながらこの交響曲を作曲したというのを思い出しました。
Hallucination, not fantasy.
幻想 (gensou) means “fantasy” or “illusion,” referring to something imagined or unreal in a more conceptual or creative sense.
幻覚 (genkaku) means “hallucination,” which suggests a false sensory perception that appears real but is not physically present.
This phrase contrasts the idea of a hallucination with a fantasy, emphasizing the difference between experiencing something that feels perceptually real versus something purely imaginative.
ベルリオーズの「幻想交響曲」は、恋愛の激情や失恋の絶望を通して生まれた、幻想的で幻覚的な音楽作品です。
ベルリオーズが愛する女性に思いを寄せ、その恋が実らなかったことで絶望に陥り、アヘンに手を出したという設定が背景にあります。
その結果、彼の意識は夢や幻覚の中に入り込みます。
特に第4楽章では、自分が処刑される場面が描かれ、さらに第5楽章では魔女や怪物が集まる不気味な夜宴が展開されます。
これは彼の心が現実の痛みから逃れ、幻想の世界に沈み込んでいく様子を象徴的に表現しています。
夢と幻覚が入り混じる不思議な情景が音楽で描かれており、聴く人もその幻想的な世界に引き込まれていくのです。
「幻想交響曲」は、まさに現実の痛みから生まれた強烈な感情と、そこから生じる幻覚的なイメージを音楽で表現した作品といえますね。
今から約200年前の作品とは思えません。
幻想交響曲は歴史的名盤が多いのですが、40年来のクラシックファンとしてはミュンシュ指揮/パリ管弦楽団の音源はぜひ聴いてもらいたいですね。