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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:肝斑

肝斑はシミの一種なの?

肝斑に悩まれている方が最近増えたのでしょうか? 肝斑に関するご質問が本当に増えました。僕の専門分野のひとつでもありますから、こうした質問は嬉しくもあります。今週はすこし肝斑の話を書いてゆこうと思います。

肝斑は、シミの一種です。シミにも種類があり、肝斑の場合には、顔の両頬上部左右対称に発症するという特徴があります。目のまわりを避けて、目の下を縁取るように現れるケースがよく見られます。

シミの診断の際には、雀卵斑(ソバカス)や日光性黒子(老人性色素斑)、あるいは太田母斑などとの鑑別を行います。医師にとって特に肝斑と判別しにくいのは遅発性両側性太田母斑(対称性真皮メラノサイトーシス)で、肝斑の上にこれが重なっている場合もあります。

以前、ケミカルピーリングをしすぎて、反応性色素沈着症を起こした症例が、肝斑そっくりな臨床症状を呈していて驚いたことがあります。見た目ではっきりと判定できるのであれば良いのですが、医師の経験が必要ですね。

明日は肝斑に効く薬として爆発的に売れている、トランシーノについて書きます。


肝斑(かんぱん)

このブログでも何度か書いていますが、顔のちょうど目の下あたり頬の両側に左右対称にできるシミを「肝斑」と言います。ホルモンが影響していると言われ、治療法がなかなか定まらないことで知られていましたが、最近TVで藤原美智子さんのCMが流れたりしてるせいなのか、問い合わせも増えたように感じます。

僕自身はレーザーとLED、それから内服薬を併用して肝斑の治療をしています。今日もこれから美容雑誌の方がその話を聞きにいらしてくださるようで、ただいま準備中です。


肝斑の患者さん

女性の肌のいわゆるシミは、「老人性色素斑」、「反応性色素沈着症」、「雀卵斑(そばかす)」そして「肝斑」に分けられます。そのうち、最後の肝斑のみが教科書的にはレーザー治療が禁忌であると言われてきました。

肝斑は両目の下からほほ骨の上に左右対称にできる薄いシミです。このシミは女性ホルモンの影響で起こるといわれており、35-45歳ぐらいの女性としてもっとも活発に働くときに目の下に浮いてくるシミです。レーザー治療に抵抗するばかりか、悪化させてしまうのです。

今まではトランサミンやシナールなどの、内服薬を使用してもらうか、オバジ化粧品のように外用薬を使用して薄くするという方法しかありませんでした。

しかしこの治療にも、2ヶ月以上の時間がかかります。

僕は2004年3月の米国レーザー学会でこの肝斑をマックスピールというレーザーを用いて治療する新しい方法を発表をしました。

そのきっかけは面白いことに、ある雑誌社の取材でした。

体験に来た患者さんが、

「このシミを取ってほしいんです」

といったシミがたまたま肝斑だったのです。

「いやー、申し訳ないけれど、このシミだけはレーザーでは取れないんですよ。」

と説明すると、雑誌社の人に

「そこを何とか」

と頼まれました。しかも施術後の写真を撮り終える期限は2週間しかないのです。

正直、困りました。

僕は数年前に読んだ、カーボンを使用したレーザーピールという方法で肝斑を治療したという英語の論文を思い出して、その応用をマックスピールを用いて行ってみたのです。

内服薬と外用薬を当然使用し、マックスピールと赤色LEDのオムニラックスを1週間おきに、併用したのです。

しかしこれがよく効きました。

2週間後には体験の患者さんのシミが殆ど見えなくなってしまったのです。

まさに驚きの結果でした。

その後、正式にデータをとって、学会に備えました。こうしたふとした思い付きによって、日々医学は進歩するのだなと感動した覚えがあります。

去年の春の米国レーザー学会ではフラクセルであれば肝斑を治療できるということがFDA(アメリカ食品薬品衛生局)で認可されました。

今はフラクセルで治療するのが 肝斑治療のfirst choice であると思いますが、施術後にダウンタイムがないという点では、マックスピールを使用した方法の方が優れていると思います。

肝斑治療のご希望がありましたら、ぜひともクリニックにカウンセリングにいらして下さい。ご相談に乗ることができると思います。

 


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