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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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今後が問われるASLMS

今年のASLMSは、本当に閑散としています。

あまりの人気のなさに、びっくりしました。淋しいくらいです

見学のドクターもいないので、ブースも空っぽのところも多い。こんなことは見たことがありません。おそらく想定されていたよりも出展社が少なかったのでしょう。会場の中間あたりに布の幕が張ってあって、会場を狭くしていたのは印象的でした。

講演の会場もこの通り。

例年と違って、魅力ある演題が減っているのもあるのだと思います。

今年の演題を聞いてみると、あまりにメーカーサイドの用意したプレゼンテーションをそのまま話している内容が多く、医師の本音が盛り込まれているものが少なかったですね。

このASLMSはメーカー主体のレーザー学会、夏に行われるコントロバーシー&カンバセーションズは医師主体の本音を聞けるレーザー学会という位置付けがなされてきたような気がします。

ここ10年ぐらい、このASLMSはレーザー界をリードする学会でしたが、主催者そしてメーカーサイドはもう一度この学会の意味を考える必要がありそうです。もしかしたらレーザー業界と共に、そのあり方が問われているのかもしれません。不況ということもありますが、それをきっかけに新しいステージに向けて「脱皮」「新編成」していくことが求められているのかもしれませんね。別のマーケットとの融合、共存を考えていく必要もあるでしょう。

僕自身、今後の自分の仕事を考えていく上でもヒントをもらえたような気がします。「ピンチこそチャンス」だとビジネスではよく言われますが、苦しい状況を目の当たりにすると、知恵を絞らざるを得ない、ということもありますよね(笑)。

尊敬している諸先輩方と今後も引き続き良い仕事をさせて頂くためにも、この業界を再び活性化するために自分に今何が出来るのか、じっくり考えてみたいと思っています。

そして、こんな時であっても、それでもこの学会に参加している人たちの顔を覚えておこう、と思いました。

僕の学会発表はまだ続きます。


2009年ASLMS フラーレンの発表

2009年アメリカレーザー医学会(ASLMS)では、僕は二つの発表をしてきました。

一つ目はこれ

「The Action of Antioxidants, Fullerene on Laser Therapy of Pigment Spots」

「抗酸化剤であるフラーレンの、色素性病変のレーザー治療後の活性」

というもの。

レーザー照射後に出てくるラジカルを破壊するために、強力な抗酸化物質であるフラーレンを利用するのは理にかなった利用法です。

さらに、美白剤のハイドロキノンなどは、非常に酸化しやすい物質ですが、これにビタミンCの175倍の抗酸化力を持つというフラーレンを加えることで、効能を上げることができるのです。最近のドクターズコスメにはよく配合されていますよね。

このフラーレンで、東京女子医大とビタミンC60という、三菱商事の子会社の研究グループとも、国際学会に演題を出し始めて3回目です。

フラーレンについては現在講談社から発売中の雑誌グラツィアでもお話させて頂いていますので、こちらも御覧になってみてください。


多動児だった僕

こちらのジェファソン記念館。

アメリカ合衆国第3代大統領のトーマス・ジェファソンの記念館です。

ジェファソンは1776年7月4日に発表されたアメリカ独立宣言の起草者の一人。

「人は生まれながらにして平等であり、神より生命・自由・幸福の追求という侵しがたい権利を与えられている。」

という主張は、植民地であったアメリカの万人の共感を呼びました。

33歳の若さでこのジェファソンが大陸会議出席者になったのも、彼の文才と類稀なる文章表現力が知れ渡っていたからだそうです。

この白亜の殿堂の中には、ジェファソンの銅像と、彼の主張を標した四つの壁があるのです。

ところで、

このジェファソン記念館の入館する前に、こんな看板があります。

「Quiet」

「Respect Please」

文字通り、

「静かに」

「敬意を払ってください」

ということなのですが、

「静かに」までは理解できるとして、「敬意を払ってください」の文字にちょっと笑ってしまいました。

ところが、その後、遠足でしょうか、先生に引率されてやってきた児童の集団を見て、この言葉が非常に真面目に書かれていることがわかりました。

大騒ぎなのです(笑)。

日本では、小さいころから礼儀正しくすることが教えられ、幼稚園では、お行儀のよい子供が、いわゆる優等生になるのでしょう。

でも、海外では、子供の時にしつけをしすぎてしまうと、逆に個性が伸びなくなると考える地域もあるようです。

かくいう僕も、実は小学校の低学年の頃は、今で言うところの「多動児」ではないかと親に心配されたこともありました。

好奇心旺盛で、興味あるものを見つけてしまうと、抑制なくそちらの方向に行ってしまうし、粘土細工を作らせても、図画工作の時間が終わって、次の授業に入っても、納得するまで粘土を捏ね、作品を造り続ける。

日本の小学校では間違いなく問題児ですよね。

学校の先生も、さぞかし僕には手を焼いたと思います。

「藤本は、20年後に医者になって、その後、海外の医学会で医者相手に40回以上も講演している」なんて聞いたら、ぶったまげるのではないでしょうか(笑)。

ジェファソン記念館には、かつての僕みたいな子供がたくさんいました。


ワシントンDC・桜の名所

話はレーザーから飛んでしまうのですが、ワシントンDCには見事な桜の樹があると聞いたことはありませんか?

ワシントンDCのほぼ中心のオベリスクの南に位置する、ジェファソン記念館のあるタイダル・ベイスンは、ちょうど東京・上野の桜の名所=不忍池の4倍ぐらいある大きな池。

その周りを大きく桜並木が囲んでいるのです。

僕が到着した日は、幸運なことにまさに桜が満開を迎えていました。

DCの桜が有名なことは聞いていましたが、これほど広範囲に渡って桜の樹があるとは思いもしませんでした。

以下、写真をクリックすると画像が大きくなりますので、ご堪能ください。

この桜は1910年、ポトマック公園建設の際に、日米友好の証として苗木が贈られたのが始まりなのだそうです。その数2000本。

ちなみに写真の中で向こう岸に見えるのは、ジェファソン記念館です。

最初の苗は害虫の被害にあって壊滅してしまったそうなのですが、

1912年(大正元年)に再度贈られた3000本の苗木は大きく成長したのだそうです。

1935年からワシントンでは、この桜が咲く約一週間の間、「サクラフェスティバル」が開催されるようになりました。

とはいっても日本のように、茣蓙を敷いて、花見酒とはいかないようですね。

州にもよりますが、アメリカでは公共の公園で、お酒を飲むのは禁止されているのです。

ワシントンのオベリスクとも、桜は不思議に合いますね。昨年の上野公園の桜のブログにも書きましたが、桜を思う気持ちと、その魅力は、どの国でも変わらないのでしょう。

皆思い思いに桜を楽しんでいます。

ところで、このソメイヨシノは全ての木が一つの木のクローンだというのをご存知ですか?

ソメイヨシノは二つの種の交配種ですので、自分で実や種子をつくる事ができません。つまり、サクランボができないのです。

職人さんが接ぎ木をして苗木を増やす事で、木を増やしているのです。

ソメイヨシノが、桜前線と言うように、同じ天候と温度の元では、全く同時期に開花するのは、そのため。

日本の全てソメイヨシノも、大陸を渡ったこのワシントンのソメイヨシノも、グローバルな単位で考えたら、大きな一本の桜の樹ということになるのです。

ちょっとびっくりしますよね。

晴天の下、ワシントンのオベリスクもよく映えます。

こちらはリンカーン記念館。

広い芝生の遠くに桜が見えます。

ジェファソン記念館からホワイトハウスまで歩くまで、約1時間ぐらいでしょうか。

素晴らしい散歩道でしたよ。


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