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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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海外における日本美術の芸術性

このスミソニアン協会にある美術館、博物館は、すべてまわるのに数週間かかると思いますし、すべてを見学できたわけではないのですが、個人的に気に入った美術館は、フリーアギャラリーでした。

デトロイトの実業家フリーア(Charles Lang Freer)が寄贈した作品が美術館に展示してあるのですが、この小さい美術館の中に国宝級の日本美術がたくさん展示してあるのに驚きました。

こちらは対で見ることのできた、身長2m以上あろうかという、14世紀。

つまり鎌倉時代にできた木製の仁王像(金剛力士像)です。

あまりの迫力に、本当に魂が宿っているのでは…。と考えてしまいました。

17世紀の有田焼の大きなつぼ。

平安時代の仏像。

日本を遠く離れた異国の地でも、なんて穏やかな顔をしているのでしょう。

17世紀の江戸時代、渡辺始興の屏風画もありました。

微細な百合の描写が素晴らしいですね。

こちらは16世紀の金と銀と漆を利用した硯です。

こちらの上箱も見事です。

しかしながら、こうして西洋の美術と並べてみていると、日本美術の芸術性は本当に高いですね。

こういった文化を大切にしたいものです。


2009年5月。クリニックFは3年目を迎えました。

クリニックFは、僕が立ち上げに関わった5つ目のクリニックです。過去4つのクリニックを設立・運営していく中で、徐々に自分の興味や方向性が明確になり、「最後=FINAL」の意味を込めたクリニックFの2年間でそれが確立されたように感じています。

クリニックFは、デヴァイス=機器にこだわり、機器に「仕事をさせる」クリニックです。どこにでもある機器ではありません。最新の医学と工学、そして科学が融合された、世界でも最先端のレーザー・光治療器です。カメラや車、パソコンが日々めまぐるしく進化していくように、アインシュタインがその理論を確立したレーザーも、この3年の間に著しい進化を遂げています。

その進化に歩幅を合わせ、決して機器に振り回されることなく、着実な仕事をさせるためには、操作する人間にも相応の知識とテクニック、経験とセンスが求められます。

入口と出口では、人の手によるアナログで懐かしいぬくもりと優しさにこだわり、中の診察室では世界最先端のデヴァイスと技術による、デジタルで斬新な技術にこだわる。

クリニックFは、そんな僕自身の志向がそのまま反映された場に、いつの間にかなっているようです。

2009年5月吉日
クリニックF院長 藤本 幸弘


スミソニアン協会と博物館・美術館



ワシントンDC最大の見どころといえば、ホワイトハウスや国会議事堂などが挙げられるかもしれませんが、僕にとってDCと言えば、なんといってもスミソニアン協会です。

スミソニアン協会は、このモール地区に10の博物館と美術館を、そしてモール以外のワシントンDCに6つの博物館と美術館と動物園を持つ、世界最大のミュージアムと研究機関を統括するグループなのです。

これらのミュージアムの入場料はすべて無料。世界中どこを探してもこんな場所はないのではないでしょうか。

遡れば1765年。イギリスで生まれたジェームズ・スミソンという人物が、科学者として成功をおさめ、

「自分の子孫達が子供を産むことなく亡くなった場合に、スミソン家のすべての財産をアメリカ合衆国に、スミソニアン協会の名の下、人類の知識の普及と向上のために譲る」

という遺言を残します。

子供のいなかった彼の甥が亡くなった後、当時のお金で52万ドルが合衆国に贈られ、1846年にスミソニアン協会が設立されるのです。

今回の旅では、これら一つ一つのミュージアムを回る時間はとてもなかったのですが、いくつかの博物館を駆け足で回ることができました。

それにしてもものすごい情報量です。

まずは、毎年600万人が訪れるという、国立航空宇宙博物館に行ってみました。この博物館の入場人数は、全米一だそうです。

観光バスが沢山停まっていますね。

まず、博物館の中に入ると、そのホールは

「マイルストン・オブ・フライト」

という部屋。

「飛行技術の一里塚」

とでも訳すのでしょうか。

いわば人類飛行史上の、偉業を達成した飛行機が飾ってあるのです。

飛行機が好きで、ついに自家用操縦士免許を取得してしまった航空マニアの僕にとって、こんな素晴らしいところはありません(笑)。

まず目についたのは「月の石」。

これは手に触れることができるようになっています。手に触れられる月の石は、おそらく世界でここだけでしょう。

ホールを見上げると、世界最初の人工衛星であるスプートニック一号の模型。その裏には土星まで行ったボイジャーの模型。

ふと横を見ると、チャールズ・リンドバーグが世界初の大西洋単独無着陸飛行を行った「スピリット・オブ・セントルイス」です。

当時NYからパリまで33時間30分もかけて飛んだのです。

映画「翼よ! あれがパリの灯だ」でも有名な、まさに航空機史上の輝けるマイルストン。

本当に小さな飛行機で驚きました。

その先に見えるオレンジ色の機体は、世界初の音速を超えた超音速飛行を成し遂げた「グラマラス・グレニス」。

1947年、チャック・イェーガー(退役少将)の成し遂げた快挙ですが、こちらも映画「ライト・スタッフ」に詳しいですね。

チェック・イェーガー大尉が音速を超えた時、腕に付けていた時計がロレックスだったと聞いたことがあります。

ロレックスGMTのチェック・イェーガー記念モデルが出て話題になりましたよね。

第二次世界大戦中の航空機の部屋には、三菱の作り上げたゼロ戦が展示してありました。

当時最高レベルの能力を持った飛行機だったのですが、今思っても、無駄のない、美しい流線型のモデルですね。当時から日本の技術力は、非常に高かったのだと思いますよ。

駆け足だったのですが、この日は他にも国立自然史博物館や、ナショナルギャラリー(国立絵画館)などもさっと見ることができました。

ほら、ティラノサウルスです。

こちらは自然史博物館にあった「ホープダイヤモンド」

45.52カラットのブルーダイヤです。

映画「タイタニック」の中でも引用されていましたよね。

大人気でした。

国立絵画館(ナショナルギャラリー)には僕の好きなフェルメールの作品もいくつかあったのですが、やはり注目すべきはこの作品です。

ヨーロッパ以外で観ることのできる、唯一のレオナルド・ダ・ビンチの作品である「ジネブラ・デ・ベンチの肖像」です。

15世紀の天才。レオナルド・ダ・ビンチが残した絵画は意外にも少なく、現存するものは20点ほどなのだそうです。

さらにフェルメールの秀作も三点。


他にもボッティチェリやモネ、レンブランントなどの秀作があり、非常に充実した午後になりました。

個人的に好きな場所になったのは、このナショナルギャラリーの中廊下です。

落ち着いた雰囲気と、綺麗な花に、暫し立ち止まり、時を忘れました。


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