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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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韓国から帰国しました

昨晩夜10時羽田着の便で、無事韓国から帰国しました。

学会の方は、発表を無事終わり、このような感謝状も頂きました。

日本は暑い日が続いていたようですが、あちらは行ったその日から想定外の大雨で、空港からの道も街も連日大渋滞でした。とはいえ、昨日日曜日はルートロニック社CEO ヘイアン社長とのゴルフラウンドの時間だけ雨が上がり青空が広がる・・・という晴れ男ぶりを発揮して、韓国でのゴルフも無事楽しむことができました。

今日は朝から診療他スケジュールが詰まっているようなので、また明日からブログを上げてゆきますね。


今週末は韓国

今週末に、「第二回国際微小浸襲形成外科学会(Minimal Invasive Plastic Surgery)」という学会が韓国・ソウルで開催されます。

僕はそのトップバッターでフラクショナルレーザーリサーフェシング治療の比較についての招待講演をすることになっています。

WEB SITEでは、写真入りでInternational Facultyとして紹介されていました。

今回の韓国ではちょっと楽しみなイベントが一つあります。

韓国唯一の株式上場を果たしたレーザー製造会社であるルートロニック社創始者 Haelyung Hwang社長が、

韓国のホームコースに招待するのでゴルフでもしよう

と言ってくれているのです。

ヘイアン・ファン社長は、エール大学工学部出身の韓国系アメリカ人。

昔からウマが合って、まだルートロニック社がマックスエンジニアリング社という名前で、小さい企業だった頃、ポーランドやシンガポールの学会に招待してもらって、機器の講演などをしました。もう10年近く前になってしまいました。

その間、ルートロニック社は韓国での株式上場を果たし、アメリカ支社を立ち上げ、世界のレーザー会社の仲間入りを果たしました。

現在は韓国でも成功者として紹介されていて、とても忙しい経済人になってしまいましたが、世界各国で事あるごとに顔を合わせ、様々な場所に出かけ、会食をしてきた仲なのです。

現在クリニックFに導入しているルートロニック社のレーザー機器は、フラクショナルCO2機器である「eCO2(エコツー)」がありますが、ここで簡単にルートロニクス社のご紹介をしておきましょう。

ルートロニック社は約10年前に、「Spectra VRM」というレーザーピール(マックスピール・カーボンピール)を行うQスイッチNd:YAGレーザーを開発して、コストリーダーシップ戦略のもと、世界市場にレーザー機器を安価に販売しました。

このマックスピールの手法は、現在肝斑治療に使用されるレーザートーニングの原型になったもの。

その点で先見の明はありましたよね。

次いで2004年に当時のリライアント社からフラクセルが発売されると、ほぼ1年間で10nm波長の短い1540nmの波長を使用した、同様なフラクショナルレーザー機器「モザイク」を開発しました。

この時は、クリニックFでも機器のテストに参加しましたよ。

さらに、新しい1444nmの波長を利用して脂肪溶解レーザー機器である「アキュスカルプ」という機器も開発しました。

すなわち、ルートロニクス社の特長は、アメリカやイスラエルで新規に開発されたレーザー機器を、比較的早い段階で技術解析・マーケティング調査を行い、似た特性を持つ、けれど安価で操作性のある機器を国内外で売り出すことに長けている会社、と言ってよいかと思います。

韓国本社、米国支社の売り上げのうち、かなりの比率を技術開発に向けている企業なので、開発能力はあるのです。

時に、

「日本企業には出来ないワザを使うよな~(笑)」

と思うことも正直ありますが、グローバルな視点で「競争社会でがむしゃらに生き残ろうとしている」アグレッシブな姿勢は評価できる点も多いと思いますよ。

ただし、ルートロニック社の製品は、この日本において実際購入し使用するユーザーの立場であるドクターから見ると、評価が難しい機器だと言えるでしょう。

機器は優秀でも、機器のメンテナンスで悩まされることになるからです。

株式会社JMECがディストリビューターをしていたころはよかったのですが、その後経営スタイルが転々として、特に機器メンテナンスがスムーズにいかなくなってからは、諸先生方とトラブルが発生することも多く、その点で難しいのです。

実はクリニックFでも、エコツーのメンテナンスで一度トラブルになりかけたことがありました。

面白い機器や独特の視点を持つ会社だけに、ある意味勿体ないことです。

彼は経営者としてとても尊敬できますし、非常に誠実な人間です。けれど、そういえば、上場後は組織が大きくなりすぎて、末端まで企業のヴィジョン・ミッション・バリューが届かないと言っていましたっけ。

このあたり、実際どう考えているの? と今回の韓国滞在で、本音トークで切りこんでみたいと思っています。

またこのブログでご紹介しますね。


村上春樹の「おおきな木」

シェル・シルヴァスタインの名作絵本「おおきな木」。村上春樹翻訳で、今月改めて出版されたそうです。

「おおきな木(The Giving Tree)」が日本で出版されたのは、1976年。当時北海道大学文学部教授をされていた、本田錦一郎さんのこちらも名訳でロングセラーとなりましたが、その後名誉教授になられた本田先生は、平成19年に亡くなられ、またこの本の日本における版権を持っていた出版社が倒産してしまったようで、他社に版権が移ったのだとか。

そうした諸々の経緯もあって、今回村上春樹訳の新生「おおきな木」が、タイトルはそのままで出版されることになったのだそうです。

村上ファンの僕にプレゼントで頂きました。

 


発見されたダ・ヴィンチの真作

来月スウェーデンのヨーテボリに出張で行く予定です。

ヨーロッパ皮膚科学会(EADV)の参加なのですが、実は8月15日までヨーテボリで「:And There Was Light」という、ミケランジェロ、ラファエロ、ダ・ヴィンチを中心とした芸術家達を一斉に集めた世界的に注目されるある展覧会が開かれていたのです。

この展示会終了後わずか2ヶ月差でのヨーテボリ出張・・・。タイミングが悪いのか良いのか、でもやっぱり

「あと2ヶ月会期を延ばしてもらえたら・・・」

と、ちょっと残念な気持ちになってしまいますね(苦笑)。

今回の展覧会で一番の注目作は、2008年に約100年ぶりに証明された、「美しき姫君」という、レオナルド・ダ・ヴィンチの真作の世界初の展示でした。

この展覧会は、各国を経由していずれ日本に来るとのことなので、すこし待てば日本でも観られるのでしょうか?

そもそも数の少ないダ・ヴィンチの新たに発見された絵画作品。しかもかなり質の高い作品とあっては絵画ファンなら興奮しますよね。観に行きたかったですよ。

日本での展示は、絵がガラスの先、しかも、ものすごく遠くに鎮座していたりしますから…(苦笑)。

1998年のオークションでわずか1万9千ドルで落札され、2007年に美術収集家のピーター・シルヴァーマン氏に転売された、ドイツの無名画家の作品といわれていたこの作品。

しかしながら、無名の画家にしては高い完成度と、左利きのダ・ヴィンチを思わせるさまざまな画法。眼識のあるシルヴァーマン氏の依頼で、もしかしたら、ダ・ヴィンチの作品ではないかと解析が始まります。

その経過をまとめたものがこの「美しき姫君」という著作。

オックスフォード大学美術史学科マーティン・ケンプ名誉教授は、ダ・ヴィンチの画法、科学観、個人史的側面からの解析を行います。

リュミエール・テクノロジー研究所代表のパスカル・コット氏は、最新のマルチスペクトル撮影による光学的な解析によって詳細な分析を行うのです。

僕は絵画の解析なんて、X線を当てるぐらいのものかと思っていたのですが、分析の経過では100nmぐらい波長をずらした光を絵に照射して、反射した光を取得し、近赤外線など実際に目に見えないものまでもを再現したり、

取得した何枚もの写真をもとに、実態顕微鏡のように絵画を拡大したものを、ミクロン単位でデジタル画像のピクセルに落とし込み、指紋や掌紋などを解析するといった様子は、さながら法医学の検証のよう。

それらのデジタルデーターを元に絵を再現し、使用された羊皮紙の経年変化などをデジタルサブトラクションを行い、完成当時の色彩をよみがえらせるといった、医療画像機器でも応用されている技術を使います。

さまざまな考察の結果、この「美しき姫君」はダ・ヴィンチの真作であろうとの結論。

美術ファンとしては非常に興味深い本でしたよ。お勧めします。

 


第15回MBF招待講演

昨日の日曜日は、銀座の時事通信ホールで開催された、第15回日本抗加齢美容医療学会(Medical Beauty Forum)で講演をさせていただきました。

15回の歴史を刻んできたMBFでの招待講演は、今回が2度目となります。

今回会長をされたクロスクリニック院長の石川浩一先生より、「フラクセル3DUAL」の講演でお声を掛けていただいたのです。

石川先生は各メディアでもご活躍され、レーザー皮膚治療の大先輩ともいえる方なのですが、僭越ながら「レーザー機器オタク」 兼 「レーザー機器コレクター」 という点で僕と共通項があり(笑)、お会いするといつも最新レーザー機器ネタだけで話が弾んでしまうのです。

今回は石川先生の豊富な御人脈もあって各界からさまざまな専門家の先生が集まったようです。有料の学会にもかかわらず、参加医師167名・・・と予約だけで定員が埋まってしまい、当日受付もないという状態だったのだとか。

特に他科の先生方が多く参加されているようで、このレーザーという分野が、改めて注目を受けているのだと再確認されましたよ。

肌のレーザー治療については

○フォトフェイシャルについて東京女子医大の根岸圭先生

○超音波ウルセラシステムについてみやた形成外科・皮ふクリニックの宮田成章先生

○スレッドリフトについてドクタースパクリニックの鈴木芳郎先生

○Qスイッチレーザーについて湘南鎌倉病院の山下理絵先生

○フラクショナルレーザーについてはクリニックFの藤本

そして

○最新痩身機器について会長講演として石川浩一先生

が最新の知見の話を受け持ちました。

午後からは再生医療のセッションもあり、こちらは聴者として興味深く聞かせていただき、とても勉強になりました。

僕がお話させて頂いたフラクショル・レーザー・リサーフェシングの手法は、肌を改善するのではなく、入れ替えることによって段階的に若々しい肌質に変えてゆく2004年に開発された手法です。

米国ではレーザー会社のほぼ全社がこの手法を取り入れた機器を開発しており、皮膚科医を中心とした米国医師たちには

「レーザー治療=フラクショナル・レーザー・リサーフェシング」

と言われるまで認知されています。

一方で日本では、こうした最新機器が輸入されていないことから「レーザー治療=シミ取り」という認識がいまだに強い。

このあたりも以前から指摘されている医療機器のデバイス・ラグ問題の一端だと思います。

リサーフェシング。肌の入れ替え療法。世界のよりよい治療の認知度を上げてゆきたいなと思います。

今回お声を掛けてくださった関係者の皆様、お世話になり、また勉強の機会を頂き、ありがとうございました。

 


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