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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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イタリアDEKA社 技術開発トップのマウロ博士の来院

おはようございます。今日は木曜日ですが、クリニックFの臨時診療日です。

通常は休診を頂いている木曜日に、ご来院希望の方もいらっしゃるので、昨日の水曜日をお休み頂いた代わりにテストケースで開院します。

本日の予約の空きもありますので、ご希望の方は03-3221-6461までご連絡くださいね。

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火曜日に、クリニックFにイタリアからの来客がありました。

イタリア、フィレンツェのレーザー機器メーカーのマウロ・ガリ博士(工学)です。

DEKA社の開発したレーザー機器のほぼ全てに彼の頭脳が関わっています。

■脂肪溶解レーザーのスマートリポであったり、

■フォトシルク(IPL)であったり、

最近は

■フラクショナルCO2レーザー + バイポーラーRF の複合機器であるスマートサイドドット2(スマートサイドドット•スクエア)

・・・などなど、アメリカ系のレーザー会社とは全く違った発想の機器を作り上げてきました。

マウロとは、今年の6月にフィレンツェに会社見学に行かせていただいた際に、とてもうまが合って仲良くなり、大変お世話になりました。

その後、7月の同じ時期にロシアの別の学会に参加し滞在したので、ホテルのフロントを介して書類の受け渡しなどもしましたが、再会はイタリア以来です。

フィレンツェでは、DEKA社本社を訪れ、さまざまなディスカッションをしたり

上まぶたの縮小施術であるマドンナリフトを実際にしているドクターボナンのクリニックを訪れさせていただきました。

今回の来院目的は、いよいよ今月末に迫った日本美容外科学会でのDEKA社のCO2フラクショナルレーザー機器=スマートサイドドットによる上眼瞼挙上レーザー施術である「マドンナリフト」と

RF(ラジオ波)との複合機器であるスマートサイド2(スクエア)による施術の医学的、工学的な事項の打ち合わせでした。

機器の細かい情報全てが日本に来るわけではないので、自分でも分かりにくかった点を直接質問することができました。

今月末の美容外科学会ではまとまったデータを供覧できると思います。

イタリアDEKA社本社訪問のことは、宜しかったら新国際学会周遊記の2011年 6月 7月のバックナンバーをご覧ください。

フィレンツェとミラノ滞在中には、美しいトスカーナの自然と料理が堪能させていただきました。

 


エリック・カルメンとラフマニノフ

おはようございます。

今日9月13日(火)もクリニックFの診療日です。

クリニックFは通常木曜日と日曜日を休診日といているのですが、最近は木曜日しか来院できないという患者さんの問い合わせも多いので、今週はイレギュラーで、明日14日の水曜日はお休みを頂き、15日木曜日に開院します。

クリニックを小さく作っておくと、こういうとき小回りが利きます(笑)。

木曜日しかいらっしゃれない方は、是非クリニックまで一度御連絡・御相談ください。

今月は、来週21日~23日まで香港へ招待講演の出張。

再来週の29日~30日は、福岡の美容外科学会の招待講演のため休診とさせていただく予定です。

ご迷惑おかけしてしまいますが、どうぞよろしくお願い致します。

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昨晩、古いCDを整理していたら、エリック•カルメンのCDが出てきました。

エリック•カルメンをご存知ですか?

「ALL BY MYSELF」という歌がとても有名ですよね。

1975年の曲ですが、その後30人以上にカバーされましたので、聴いたことがある人も多いと思います。

フランク・シナトラや、セリーヌ・ディオンのカバーが特に有名になりました。

When I was young, I never needed anyone.

Makin’ love was just for fun.

Those days are gone.

Livin’ alone, I think of all the friends I’ve known.

But when I dial the telephone, Nobody’s home.

All by myself, Don’t wanna be, all by myself anymore.

All by myself, Don’t wanna live, all by myself anymore.

Hard to be sure, Some times I feel so insecure.

And love so distant and obscure, Remains the cure.

[Instrumental Bridge]

All by myself, Don’t wanna be, all by myself anymore.

All by myself, Don’t wanna live, all by myself anymore.

When I was young, I never needed anyone.

And makin’ love was just for fun.

Those days are gone.

All by myself, Don’t wanna be, all by myself anymore.

All by myself, Don’t wanna live, all by myself anymore.

(Fade out) All by myself, Don’t wanna be….

とまあ、歌詞をみると「もうこれ以上、ひとりぼっちで居たくない」

という様な内容です。

僕はこの曲がとても好きだったので、いや懐かしいなあと聴いていたところ、ふとこの旋律には聴き覚えがある!!

と気づいたのです。

それも僕の敬愛するロシアの作曲家。

セルゲイ•ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第二番第二楽章」。

映像を用意しましたが、このキーシンの演奏する画像の1分20秒あたりからです。

サビは別の旋律ですが、曲の始まりの部分の旋律は全く同じですよね。

ラフマニノフの特にピアノ協奏曲第二番は大変難しい大曲ですし、その美しい旋律には特別な思い入れもあります。

どちらもとても好きな曲だったのに、聴き込んでいた時期が違ったので、今まで全く気づかなかった...(汗)。

調べてみると、これはかなり有名な事実らしく、英語で調べてみると

「The Eric Carmen song “All By Myself” borrows a melody from Rachmaninoff’s 2nd piano concerto. Another Carmen song, “Never Gonna Fall in Love Again”, is based on his 2nd symphony.」

・・・との文章が沢山ネット上にありました。

この文章によると、「Never Gonna Fall in Love Again(邦題:「恋にノータッチ」)もラフマニノフの交響曲第二番の旋律が参考にされているのですね。

確かに聴いてみるとその通り。

知らないのは自分だけだったんです(苦笑)。

それにしても、無限にある音の組み合わせの中から出来上がる美しい旋律は、「奇跡」の様なものだと思いませんか?

たとえば、僕の得意な理数の分野を用いて考えてみると

「神がアイザック•ニュートンやゴットフリート・ライプニッツを造らなくても、おそらく誰かが微分積分は発見したであろう」

と言われているのですが、事実、日本でも17世紀に江戸時代の関孝和らの和算家達が、全く独自の考え方から微分積分に近い学問を作り上げています。

アインシュタインがいなくても、誰かが光の速度だけは絶対的なもので、どの空間でも一定であることを証明し、きっと一般相対性理論を導いたでしょう。

しかしながら、音楽や芸術は唯一無二のもので、神がモーツァルトやチャイコフスキーを造らなかったら、彼らの生み出した美しい旋律はこの世に存在することはなかったのです。

考えてみれば、旋律は、過去の知識や学問の集大成の様に複数の集団の脳から系統だって導きだされるものではなく、一人の頭の中で唐突に組み上げられて出来上がるもの。

同じものは二度と出来ないのです。

そう思うと凄いことですよね。

 


レーザー/光治療器のパワー設定

今日9月12日もクリニックFの開院日です。

朝はココログがメンテナンス中で、ブログをアップするのが遅れてしまいました。

今日の話題は、レーザー/光治療器のパワー設定について。

もともとクリニックFには、遠方からおいでくださる患者さんもとても多いのですが、そうした方々と最近診療でお会いすると、

「クリニックFを見つける前、自宅近くの病院でフラクセルを○○ジュールで打たれたのですが・・・・」

「どうしてもクリニックFまで距離的な問題で行けないのですが、近くの病院で施術をしたいので、eマトリックスを照射する具体的なパワー値を教えてください。」

などという、ジュール数を含めたレーザーのパワー設定についての非常に具体的なご説明・ご質問を頂くことがあります。

こうしたご質問の中には、直接お話を伺う以外にメールで頂く場合もあります。

メールの場合、さらにとても詳細に書かれたものもあり、これが匿名だったりすると、

「・・・これって、送り主はもしかしたら同業のドクターなのでは???」

と思うものも、けっこうあります(笑)。

(ちなみに、その場合には、その旨書いていただける方がありがたいです。ご対応させていただきます。)

これは以前にも書いていることですが、レーザーのパワー設定であるパラメーターを同じにしたところで、施術者が違うのであれば同じ施術はできないと思ったほうが良いと思います。

これは、施術者の ①感性・感覚・センスの問題 と ②技術力の問題、両方の側面により、施術内容が変わってくるのです。

レーザー治療機器の名前自体に注目が集まるようになりましたので、同じ機器があれば、同じ治療が出来ると勘違いされる方が増えてきたように思いますが、レーザー治療機器は、「メス」や「包丁」、「カメラ」や「ゴルフのクラブ」のような道具のひとつです。

「メスさばき」がうまい人とそうでない人がいるように、そして同じメーカーの一眼レフを持っていてもうまい写真を撮る人とそうでない人がいるように、良い道具を持っていることと、その道具を使いこなせるかどうかはまた別の問題。

要は、その道具をどのように使用してゆくのか、その方法を考えるほうが大切なのだと思うのです。

良いゴルフ・クラブを持っていれば良いスコアを出せるか、といえばそうではないですからね(笑)。

今日はこの②技術力の問題について、より深く掘り下げてみたいと思います。

レーザー/光治療の場合、

「機器上に表示される照射パワーのパラメーター」

よりも、

「医師による照射密度の違い」

のほうがはるかに大きな違いを及ぼします。

試しにいくつかシミュレーションをしてみましょう。:-

上の図。

この図の青い円がレーザーの口径だと思ってください。

まず、球面である人の顔の肌に、このような円形のレーザーを均一に、同間隔で照射するのは想像以上に難しく、慣れと技術が必要なことです。

照射に不慣れで技術が足りない場合、このようにひとつひとつの照射の間隔が開いてしまったりすることはよくあります。

自分では詰めて打っているつもりが、意図せずに照射面が開いてしまうわけです。

中には、わざわざ意図的に間隔を開けて照射する医師もいますが、そうした例外を除くと、これはレーザー照射をする医師としては基本的な技術習得が必要で、練習を繰り返すしかないでしょう。

そこで、僕が肌にまんべんなく照射するためには工夫している3つの方法をご紹介しますね。

①ひとつは、口径を少しづつ重ねて、下図のように照射すること。

これを1方式とします。


上の1方式の照射方法で照射した場合、表示されたパラメーターを補正して考えなければなりません。


この場合、中央に照射された赤円を想定すると、その円に影響されるレーザーの口径は接する9つの円として考えられます。

レーザーの口径の半径を1と仮定します。

上記の正方形の面積は、対角線が4であることから、8です。

この正方形の面積に照射されるレーザーは、

中央に一つ分。

辺に沿ったもの(半円)が4つ分。

角に沿ったもの(1/4円)が4つ分ありますので

全部で4ショット分ある計算になります。

レーザーの一つの面積は、πr二乗の式より3.14と想定されますので、

3.14×4=12.56になります。

正方形の面積8に、合計12.56の面積のレーザーが照射されますので、

12.56÷8=1.57

つまり、実際にはパラメーターの1.57倍のレーザーエネルギーが単位面積に照射されていることがわかります。

②二つ目は、


一度目を青円の様に照射して、二度目を赤円の様に照射して、非照射部位を消すというもの。

これを2方式とします。次は2方式の場合の照射密度を考えてみましょう。

こちらも小さい正方形のところに二度目のレーザーが照射されますので、レーザー光の半径を1と考えると小さい正方形の面積は4ですよね。

この正方形の単位面積に対して、正円が一つ。1/4円が四つありますので、3.14×2=6.28分の面積分のレーザーが照射されているわけです。

こちらも計算すると、同じく6.28÷4=1.57倍

になります。

③三つ目は四角形ではなくて、三角形を利用した方法です。

この様に、レーザー光が三角形を作るように照射してゆくのです。


こちらの照射面積は、同じくレーザー光線の半径を1とすると、

小さな三角形の面積は2×1.73÷2=1.73に。

そして照射系の面積は1/6円が三つ。すなわち半円で3.14÷2=1.57ですから

1.57÷1.73=0.907で、一度照射すると約9割の部位の照射ができることになります。

当然のことながら、二度打ちすると1.81倍ですよね。

この通り、パラメーターをいくら同じにしたところで、肌に均一に照射しようと考えていたとしても、照射方法次第で0.9から2倍ぐらいの吸収エネルギーの差が出てしまうのです。

さらに注目してほしいのが個人間による顔の大きさや隆起、彫りの深さ他の違い。

男女の平均的な顔を半楕円球として想定して、一度計算してみたことがあるのですが、1.4倍以上も表面積が違う場合があるのです。

つまり、たとえば何ショット必要か? 何ショット打ってくれるのか? という議論が、医師だけでなく患者さんの間でも議論されたりしますが、この議論自体が少しずれていると言えるのです。

このあたりは実際に計算してみれば初等数学(というか算数?)で十分対応できますので、照射の密度の方が明らかに大きな変化要因となるのです。

パラメーターはあまりに高すぎると火傷をおこしますので、火傷をおこさないための目安の値ぐらいと思っていたほうがいいのかもしれませんよ。

 


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