さて、いよいよ今回の出張の目的である、国際学会周遊記初の、ロシア・フラーレンの学会が始まります。
7月6日の成田は雨でしたが、JALでモスクワに向かいました。
抗酸化剤のひとつ=フラーレンの専門学会が、サンクトペテルブルグで開催されたのです。
すでに50ヵ国以上の国々を訪れている僕ですが、ロシアは16年前にモスクワでトランジットしただけ。
初めて訪れる地で、とても楽しみにしていました。
さて、11時間のフライトを経て、モスクワに降り立ってみると…。
国内線は、見たこともない航空会社の機体が沢山。
ちなみにサンクトペテルブルグ行きの飛行機もS7という会社のこんな黄緑色の機体でした。
飛行機の写真ばかりですみません。航空機オタクなもので(笑)。
夏のロシアは草原の国なのですね。
機上から見たロシアの都市は、森の中に突然現れる感じでした。
サンクトペテルブルグ空港につくと、国際フラーレン学会の担当者が待っていてくれました。
国際学会でスタッフが空港で出迎えてくれたのなんて、考えてみれば初めてです。
何故か理由を聞いてみると、なんでもロシアではタチの悪いタクシー運転手が多いため、外国から初めてロシアを訪れた人間が何も知らずにタクシーを使うと、必ずトラブルになるのだとか。
お国柄なんでしょう。
バスのような大きなタクシーに僕一人だけ乗り込みます。
どんなところなのかわくわくしますね。
街中を移動するまでは、このような草原の中を走るのですが、
街に入ると、いかにも旧ソ連の好みそうな建築物が沢山。
街並みもほかの西洋の国とは違う気がします。
日本時間では朝に近い時間だったので、ホテルにチェックインしたらすぐに眠ってしまいました。
タイIMCASの学会日三日目の開催日だった昨日は、朝一番からバンコク週報という、タイの日本人週報誌の取材を受けました。
特に今回僕が発表をさせて頂いたシネロン社の新プロトコールである「トリニティ」について、また世界のレーザー開発の状況や、日本とバンコクにおけるレーザー皮膚治療方針の違いなどのお話をさせて頂きました。
バンコクは、アジアでは美容施術が非常に発達している都市のひとつです。最新の機器が導入されているクリニックもありますし、ホスピタリティも含めて、機器によってはほぼ日本と変わらない施術が受けられる場合もあります。
特にたるみなどの「形態的老化」の治療は、ほとんど変わらないのではないでしょうか。
レーザーの専門医師として注意しなければいけない点は、一つはシミやくすみなどの「色彩的老化」についての治療です。シミの治療はメラニンの吸収率の高い紫外線に近い可視光線の領域の波長を利用します。この領域の光は、パラメータの調節が非常に難しいと言えます。
きちんと効果を出せるパラメーター設定は非常に狭いので、日本人が白人種の多い国で施術をすると、火傷をするようなパワーで打たれてしまったり、逆にタイのように茶色・黄身の濃い肌の国で施術をしてしまうと、日本人のような肌にはほとんど効果がなかったりすることがあります。
実は午後に、もう一つ講演を頼まれました。
前日の僕のシネロン社の講演を聴いていた、今回僕と一緒にイタリアのプロモイタリア社から招待を受けたANNA FORENZA医師が、
「実は今回のこの講演はフラクショナルエルビウムレーザー+RF機器の話なんです。あなたの専門分野だから、ぜひ一緒に講演してもらえないでしょうか?」
・・・と言われ、急遽共同講演することになったのです。
驚きましたが、おかげさまで楽しく講演をさせて頂くことが出来ました。
これで、ロシアとタイのすべてのタスクを終え、ようやくほっと一息したところです。
あとは今夜のフライトを待つばかり。
今回はロシアとタイの学会が続いてしまったため、クリニックを長いことお休みしてしまい、患者さんにはご迷惑をおかけしました。ごめんなさい。
世界の最新情報や、世界の医師たちとたくさんのディスカッションをしてきましたので、明日からの診療にまた役立ててゆきたいと思いますので、またよろしくお願いいたします。
ところで、昨日取材を受けたバンコク週報の記者さんとは話が合って、いろいろ話し込んでしまったのですが、今日はその方から
「日本に帰国される前に、ここにぜひ行って下さい」
と、スパをご紹介して頂きました。
スパ施設としては世界レベルの施術が受けられると言われている「S Medical Spa」というところです。
ちょうど夜のフライト前に予約がとれたので、勉強とリラクゼーションを兼ね行ってきます。どんな場所だったかはまた御報告させて頂きますね。
日本時間の16日木曜日早朝に成田に着きますので、明日はそのまま外来に向かいます。
本日サンクトペテルブルグよりモスクワ経由で帰国しました。
フラーレンの学会での経験も良かったのですが、なにより毎夜日参したマリインスキー劇場のオペラとバレエは本当にすばらしかったです。
「ニーベルングの指輪・神々の黄昏」「ドンキホーテ」「ラ・ボエーム」「眠りの森の美女」と滞在中の四夜、本当に毎日通ったのですが、四回の公演のチケット価格をすべて足しても、日本で観るオペラ一本分の値段以下で楽しめるのです。
また、世界最高水準の美術館であるエルミタージュ美術館や、エカテリーナ宮殿での琥珀の間の見学。
チャイコフスキーやドストエフスキー、ロシア歴代皇帝のお墓参り。
リムスキーコルサコフの住んでいたアパートで、ラフマニノフや、ストラビンスキーが実際に弾いていたピアノを弾かせてもらったり。
僕のようなオペラ・バレエ・絵画好きには本当に天国のようなところでした。
もちろんフラーレンの学会では特別な情報も仕入れてきましたよ。
このあたり、ブログで追ってご報告させて頂きます。
ところで、実は今日は家に帰らず、夕方5時の便でそのままタイのバンコックで開催されるIMCASという学会に向かいます。あちらで明日、明後日とレーザー機器の招待講演を二つ依頼されているのです。
生まれて初めての成田空港トランジット。
いつかは体験すると思っていましたが・・・。
不思議な気持ちで成田ですごしています。
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