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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:北米 アリゾナ編

ASLMS2010僕の発表と、僕の気になった演題

今回のASLMSでは幾つか気になった演題がありました。

会場はこんな感じです。

まずは僕の演題から。

これは数年前から行っているQスイッチNd:YAGレーザーによるレーザートーニング。

つまり肝斑治療です。演題名は

Comparison of low fluence Q-switched alexandrite laser versus Q-switched Nd:Yag laser for the melasma treatment of Asian patients

僕は今回ホヤコンバイオ社のメドライトC6を使用しましたが、同じ発表を昨年はルートロニック社のスペクトラVRM3(マックスピール3)を用いて行いました。

同じ波長のQスイッチYAGレーザー機器で、カタログ上同じスペックのレーザーでも、実際に使ってみると、かなり性能が違います。

レーザー機器は超ハイテクの機器ですので、短期間でも使用すると、当然機械の「ずれ」も生じますし、機器としてはあたりとはずれがあるように、個体差もあるはずですよね。

さらにカタログ上の各種スペックは、第三者組織によって測定されたものではありません。

つまり、機器メーカーが独自で発表しているいわゆる大本営発表なのです。

同じスペックを持つはずのレーザー機器ですが、反応が違うんですよ。

で、肝斑治療としてはどちらが優れていたかって?

僕が使用した個体差もあるかもしれませんので、それはこの発表で露骨には出せませんでした。興味のある方は、僕に直接ご質問ください(笑)。

今回の演題も幾つか面白いものがありましたので、ご紹介させて頂きますね。

まず一つ目。

フラクショナルレーザー機器を使っての、ドラックデリバリー(薬剤皮下導入)の発表です。フラクショナルレーザー機器の新たな活用法で、非常に興味深く聞きました。

こちらは波長が明らかにされていなかったのですが、フェムト秒発振のレーザー機器を用いて、脳に直接照射して、てんかん発作を抑制するという演題。

ネズミを使った生体実験ですが、レーザー治療の将来性を感じさせますね。

こちらは、590nmと870nmの二つのLED(発光ダイオード)を照射することにより、人の皮下のコラーゲンを作る線維芽細胞を活性化する実験なのですが、その二つの波長の比率をどのぐらいにすると効果的なのか?

という興味深い演題。

RT-PCRマイクロアッセイを使っています。

ある一定波長の光をあてることでコラーゲンやエラスチンを増加させる実験。レーザー機器と比較して、LEDの機器は値段も安くできますし、家庭用機器などにも応用できるはずです。

実は最近、現状売られているLEDを使用した特に美顔のための機器について、意見を求められる機会が多いのです。

実際のところ、海外の論文を引用しているのは良いのですが、よくよく文章を読んでみると、レーザー光の波長の理論をそのままLEDに適応していたりなど、解釈が間違っていることも多いので、もしも家庭用機器の購入を考えている方がいたら注意が必要です。

LEDによるフォトモデュレーションは今後ますます発達するでしょうから、より細かい研究結果が出てくるといいですよね。

2010年アリゾナ州フェニックスの米国レーザー医学会(ASLMS)、僕の演題と、僕が気になった演題を幾つかご紹介しました。

 

 

 


Four Seasons Troon North

学会中日。

この日は午後比較的遅い時間まで余裕があり、再びスコッツデールへ。

タリアセン・ウェストとはまた別に行っておきたいところがあったのです。

それは、フォーシーズンズホテル・トゥルーンノース。

スコッツデールのフォーシーズンズには、全米で最も有名なスパの一つがあります。ただ、スパでのマッサージは諸事情により今回断念、代わりにこちらへ・・・。

 

芝生の上に、サボテンの影が映っています。

不思議な写真ですよね。

ここは、ゴルフコースのグリーン上です(笑)。

今回、学会開催期間に一度だけゴルフができました。場所は、スコッツデールのフォーシーズンズホテル横にある名門TROON NORTHゴルフクラブ。

日本でゴルフに行くとなると1日がかりですが、アメリカでは半日もかかりません。18ホールをスルーで回る事がほとんどで、昼食もクラブハウスに戻らずゴルフカートでホットドックを売りにくる売り子さんから買うぐらい。

ゴルフ場の場所も近いですし、たいてい空いていますので、だいたい4時間もみておけば一ホールアウトできるのです。

砂漠の中のゴルフ場、いったいどんな所なんだろうと思って行ってきたのですが…。

  

とにかくフェアウェイまでが、遠くて草むらなのです。18ホールすべて、フェアウェイまで乗せるのに一苦労。

砂漠の中に作ったゴルフコース。とてもおもしろく良い体験ができました。

雄大で、独特な景色を見てください。

ちなみに、この208ヤードの谷越え打ちおろしのショートホール。

ワンオンしたんですよ。


松井選手の好きなスパゲッティ

気候が温暖なアリゾナ州は、大リーガーが春季キャンプをすることで有名です。

到着した初日の夜、AVANTIというイタリアンレストランに連れて行っていただきました。

店のオーナーによると、NYヤンキースに在籍していた頃の松井秀喜選手はキャンプ中週に3度は顔を出していたそうです。

特にスパゲッティがお気に入りだったということで、皆で頼んでみました。

それが、こちら。

アメリカは本当に一皿一皿が大きいなあ。

中はこんな感じでした。この日は平日だけあってあまり人がいませんでしたが、店にはハリウッドスターやら、スポーツ選手がオーナーと撮った写真が沢山飾ってありましたよ。


米国レーザー医学会2010の展示会場

フェニックスのシェラトンコンベンションセンターは、学会会場としては素晴らしかったです。

コンベンションセンターの周りの街並みもとてもきれいです。

こちらが入口です。

今年のアリゾナ州フェニックスにおける米国レーザー医学会(ASLMS)の展示会場です。参加したブースも少ない感じでした。

シネロン社のブースはこんな感じです。

DEKA社はドゥカッティのオートバイを展示していました。レーザー機器を扱うような機械好きの医師は、たいてい乗り物好き。

こういうのにいちいち反応しちゃうんですよね(笑)。僕も見事に策略にはまっています。

フラクセル&サーマクールのブースです。人がいないのは、まだ開幕前だからです。

でも、先月フロリダで開催された米国皮膚科学会(AAD)に比べると、圧倒的に小さなブースですよね。


アリゾナで開かれたシネロン/キャンデラ社のパーティー

今回会場となったのは、フェニックス・シェラトン。学会が終わった夜、このホテルでは多くのレーザー会社が主催する講演会やパーティがありました。

ずらっと並んだパネル、わかりますか? エスカレーター二階の踊り場には、こんなに沢山のインフォメーションが。すべてレーザー会社のものなんですよ。

この中から、僕はソルタメディカル社に続いてシネロン/キャンデラ社のものに参加。

会場はこんな感じでした。

実は、僕はキャンデラ社とは今までほとんどご縁がなかったのです。

学会会場で、キャンデラ社のインターナショナルオペレーションのVPであるRobert Wilberに会い、名刺を交換しました。

偶然ですが、この日お互いに締めていたネクタイが“お揃い”でした。エルメスの、しかも色も柄もまったく一緒。

「君はセンスの良いタイしてるね(笑)!」

・・・と、これが話題になって、とても仲良くなりましたよ。

昨年のシネロン社のキャンデラ社買収劇で、今まで老舗キャンデラ社のアドバイザーだった医師たちが、新興のシネロン社に好意的になり、シネロン社の機器を使用して学会発表するようになりました。

これは大きな変化です。

シネロン社は、ルミナスを率いたチームがスピンアウトして、独自のバイポーラーRFシステムである「elosシステム」を開発し、特許を取得したことで、その技術力を武器に、オーロラ、ポラリス、リファーム、ギャラクシーなどといったエポックメイキングな機種を次々と登場させてきました。

elosシステムは、特にアジア人に対する治療効果は非常に高いので、僕は2002年に初代のオーロラを購入してからずっと注目しているのです。

シネロン社の最新施術である「トリニティ」は、

肌の透明感を増し(ホワイトニング)

肌をぷりっとさせてコラーゲンを増やし(タイトニング)

毛穴やニキビ痕を平らにする(リサーフェシング)

という3つの施術が一度に出来る施術方法。

ちなみに現在クリニックFでの一番人気の施術は、この「トリニティ」です。

新興シネロン社の製品を使って学術的な論文を出す医師が今まであまりいなかったので、今回のキャンデラ社による買収によって、技術に加え、人脈を得たこの会社。これから大きく飛躍すると思いますよ。

その人脈の代表ともいえるのが、レーザー治療の権威ともいえる、ニューヨークのデビット・ゴールドバーグ医師によるサブレイティブRF機器「e2」の講演。

にきび跡の効果については絶賛していましたよ。

クリニックFでも使用してきていますが、にきび跡の改善に使うレーザーとしては、この機器は今年、一番魅力のある機器なのではないでしょうか。


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