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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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■2013年6月イタリア出張㉒ サンマリノ共和国 政庁 薬学の英文論文 ドラッグデリバリー セルデリバリー 

おはようございます。

今日は7月5日(金)。クリニックFの診療日です。

東京は曇り空で湿度も高く、今日は雨も心配ですが、すっかり雰囲気は夏ですね。

以前より共同研究していた抗酸化物質PVPフラーレン(リポフラーレン)が肌に与える影響についての英文論文がPhotodermatol Photoimmunol Photomed 誌に通過しました。

Mio Murakami, Sayuri Hyodo, Yuuki Fujikawa, Takahiro Fujimoto, Kazuhisa Maeda, Photoprotective effects of inclusion complexes of fullerenes with polyvinylpyrrolidone, Photodermatol Photoimmunol Photomed (2013) 29(4), 196-203

ROS(酸化物質)、および、抗酸化物質については特にここ数年多くの論文が通過していますが、まさに21世紀の医療の一端を担うものになるでしょう。

こちらの論文は、僕の専門のレーザー工学というよりは、薬理的な研究です。

僕がこのブログで報告する時は、自分が筆頭著者のものばかりですが、こちらは共著となります。

レーザーアンチエイジングをテーマとしながら、工学(物理学)を軸に研究発表をしてきたここ3年間でしたが、工学博士を取得するまでに得た専門知識を考えると、大変ではありましたが他では得られない貴重な経験をすることが出来たと感じています。

また、同じ理系でも、医学(生物学)以外の分野について勉強する必要性を強く感じた3年間でもありました。

その上で考えると、理系の分野でもうひとつもっと勉強したい分野があります。相対的により薬学(化学)的な専門知識も勉強して理解を深めてゆかなければ、自分の目指す美容医療の完全な実現はならないなあと常々思ってきたのです。

以前も化粧品会社の研究者の方とチームを組んで化粧品を作ろうとしたことがありますが、専門知識の微妙なずれにより良いブレストが出来なかった経験があります。

特に、肌に塗布した薬が、どのような機序で皮下に分配されるのか、そのドラッグデリバリーシステムについての研究は僕が医学部を卒業してから、さらに進歩しています。

折しも米国では、フラクショナルレーザー技術によって、レーザー補佐によるドラッグデリバリーやセルデリバリーの研究が新たに注目されているのです。

現在のように、臨床経験的に幾つかのグロースファクターや、抗酸化物質などのカクテルを塗布して、結果を待つような方法ではなく、よりアカデミックな基盤をもつ、理論からくみ上げた新たな医薬化粧品が出来る可能性があるのではないかと思います。

このあたりを話し始めると長くなりますので、また別の機会に。

さて、僕のブログは、先月滞在したサンマリノ共和国についてのブログが続きます。

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サンマリノの街中。

坂道ばかりです。

左右にお店のある細い登り道。

サンマリノの情景です。

こちらの坂をひたすら登ってゆきます。

ところどころ視界が開ける場所に出てきます。

このブログでもリアルタイムでご紹介したロープウェイも見えました。

高低差著しく、目を見張る絶景です。

さらに進むと、

サンマリノの政舎が見えてきました。

こちらを自由広場と言います。

建物に近づいてみます。

こちら、サンマリノの国章です。

2ユーロ払うと、内部の共和国議会も見学できます。

以前にご紹介したように、サンマリノ共和国は現存する世界最古の共和国国家。

国民の比例代表選挙によって選出される定員60名の大評議会(Consiglio Grande e Generale)があり、議員の任期は5年なのだそうです。

こちらが評議会が行われる議場です。

人口は約3万人ですのでほとんどすべての人が顔見知りということになるのでしょうね。

建物を出るとちょうど衛兵交代式でした。

女性の衛兵もいましたよ。

いつもはこのようなスタイルで市庁舎を守っています。

サンマリノ共和国にとって観光は大きな収入源。

年間300万人を超える観光客が訪れるのだそうです。

 

 


■2013年6月イタリア出張㉑ サンマリノ共和国へ

おはようございます。

今日7月3日(水)もクリニックFの診療日です。

昨晩は、僕の尊敬する東証一部上場企業オーナーと、そのご友人で米国・ボルチモアから来日中の遺伝子診断企業の社長兼研究所長(中国系アメリカ人)との会食の席に呼んでいただきました。

先日通過した英文の工学論文を持って伺いました。

三人でこうして顔を合わせるのは4年ぶりになるでしょうか。

お二方とも高い医療技術を保った会社を経営し、常に世界に目を向けたビジネスパーソン。

僕も将来は、日本の高い医工学技術を世界に伝えられるような仕事に参加したいな、と刺激を頂き、決意を新たにしました。

お二人が現在共同研究されているスウェーデンのノーベル賞を決定する機関があるカロリンスカ研究所の話題になりましたので、10月にイスタンブールで開催されるヨーロッパ皮膚科学会の前後にスウェーデンに滞在できないか、スケジュール調整してみようと思っています。

さて、僕のブログは先月滞在したイタリア出張記の続きです。

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リミニから約一時間ばかりバスに揺られていたでしょうか?

いよいよ、サンマリノ共和国に入ります。

ピアノコンサートの宣伝もありました。

文化レヴェルも高そうです。

バスが山を登り始めると、いよいよ目指すサンマリノ共和国の三つの砦が見えてきました。

世界遺産に登録されている、「サンマリノの歴史地区とティターノ山」です。

切り立った急峻な山の上にあるのが、この写真でわかるでしょうか?

バスはさらに急な坂を上ってゆきます。

たどり着いた駐車場。

こちらでバスを降ります。

上に見えるのが共和国議会の政舎のようです。

街の中心に行くためには、ここからさらに登らなければなりません。

ほかの観光客について、階段を登ります。

 


■2013年6月イタリア出張⑳  リミニよりサンマリノ行きのバス

おはようございます。

今日7月2日(火)はクリニックFの診療日です。

今日も夏日和ですね。

僕が生まれ育った街に近い江ノ島では、昨日海開きが行われたそうです。

小学生の頃、夏の季節はほぼ毎日海に泳ぎにいっていました。

この季節になるとソワソワしてきます(笑)。

そうそう、先週Facebookで観ていて、レ・ミゼラブルのブルーレイが出たのを知り、すぐ注文したところ、昨日届きました。

忙しい日々が続いていますので、いつ観られるかわかりませんが、楽しみに取っておこうと思います。

さて、僕のブログは引き続き先月滞在したイタリアはリミニについて。

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リミニは、エミリア・ロマーニャ州最南の県であり、著名なイタリア人映画監督、フェデリコー・フェリーニ(Federico Ferini, 1920-1993)が生まれた街として知られます。

サンマリノ共和国に向かうため、早朝にチェックアウトし、ホテルに荷物を預けバス停まで歩きます。

ビーチの横を通り、

こちらの教会のある広場に着きます。

サンマリノ行のバスがやってきましたよ。

こちらがサンマリノ共和国に向かう唯一の公共機関。

近くの観光インフォメーションで、サンマリノまでの往復チケットと時刻表。

そして地図をもらいバスに乗り込みます。

リミニは、夏の観光地としてヨーロッパからたくさんの人がバカンスに訪れるので、「イタリアのマイアミ」とも呼ばれているのだそうです。

折しも今年3月に米国皮膚科学会(AAD)参加の為にマイアミに行きましたが、雰囲気は似ていますね。

海岸沿いにはマイアミビーチのようにホテルが並び、ヨーロッパの富豪に属する観光客は1カ月、2カ月という単位で契約をして長いバカンスをリミニで楽しむのが通例のようです。

たくさんの観光客が海沿いを歩いていましたよ。

観覧車も見えました。

イタリアに行くまで訪問の予定に無く、この街の場所さえ全く知らなかったのですが、いつか再び訪れてみたいと思わせる街ですね。

バスは大きく左に旋回し、リミニの駅に立ち寄り、さらに山道をあがってゆきます。

途中、リミニを代表する観光地の横を通過しました。

こちら、なんと紀元前27年に作られたアウグスト門。

修復が続けられ、今でも人が往来します。

さらに道を進むと、こちらの空飛ぶ円盤のような建物。

リミニ見本市(RIMINI FIERA)が開催される会場です。

数多くの国旗の中には、日本の日の丸もありました。

バスはサンマリノ共和国を目指します。

 

 

 


「顔のシミが多い」と「動脈硬化の危険性が高い」のか?

クリニックの患者さんから、「顔のシミが多い」と「動脈硬化の危険性が高い」のはどうしてですか?

という質問が多いので、なぜかと思ったら、どうやらテレビで放映されたのですね。

テレビでは理由を話していなかったのだとか。

ちょっと考えてみればわかりますが、これは当たり前のことです。

生体が老いる時、活性酸素が関わっていることはご存知だと思います。

活性酸素を除去する能力は、加齢とともに減ってゆきます。

たとえば、体を丹念にメンテナンスしている野球選手などのスポーツ選手は、35歳を境に引退する人がぐんと増えますよね。

これは35歳を超えると、激しい運動による活性酸素が除去できなくなるので、運動のパフォーマンスが落ちるためです。

活性酸素は紫外線、ストレス、過度の有酸素運動、などで増加します。

皮下の活性酸素が、シミやしわの原因になりますので、活性酸素が多ければ多いほど肌は衰えてしまいます。

反対に、生体内で活性酸素を除去する能力が高い人は、見た目も若々しく見えるのです。

動脈硬化に関しては、血中コレステロールや中性脂肪を気にしますが、そのものが動脈硬化を起こすのではありません。

血中コレステロールや中性脂肪が、活性酸素と結びついて、過酸化脂質になって初めて動脈硬化の原因となるのです。

したがって、

「顔のシミが多い」=「動脈硬化の危険性が高い」

という数式は成り立つのですよね。


皮膚科医とレーザー治療 英文論文

おはようございます。

7月1日。今年も後半になりました。

今日もクリニックFの診療日です。

今週も毎朝毎晩、企業の方々と打ち合せが入っています。

今日も早朝から新規にプロデュースすることになった、「最新医療機器による痩身クリニック」の朝食会議が入っています。

ずいぶんと枠組みが整ってきましたよ。

楽しみです。

今日は、以前取材を頂いた日経ヘルスの新刊

「女の「たるみ」を解決!」

がクリニックに届いていました。

よろしかったらご覧くださいね。

さて、今日のブログは新しい医療について。

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学会活動やFacebook、ブログといった媒体を通じて、様々なドクターからご連絡を頂くことが最近以前よりも増えてきました。

特に皮膚科の先生方から相談を受けるようになり、開業医の先生方、そして大学病院の先生方の意識の変化を感じます。

以前からこのブログでもお話していますが、日本では厚労省の認可が遅れて、最新の機器が使用できない「デバイスラグ」という問題があります。

また、保険診療の範囲で臨床を続けられる先生方は様々な事情により、レーザー治療のことは聞くけれど実際にレーザーに何がどこまで出来るのか把握しきれない現状もあります。

厚労省で認可が下りない機器を、大学病院で使うのは難しいですから、大学医学教育にここ10年間のレーザー医療の進化が反映されていないのですよね。

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アトピー性皮膚炎やニキビ、肝斑といった症状に対し、以前でしたら街の皮膚科に行くと

「レーザーを打つと悪化する」

という都市伝説のような「常識」がありましたが、最近インターネットで一生懸命英語の論文を検索されたり、実際読み込まれることで、過去のこうした常識が世界基準では決してないことに気付かれる勉強熱心なドクターが増えているようです。

僕も大学研修医の時に、

「日本語で得られる医学情報は、英語のものよりも10年以上遅れている。」

「専門分野の英文医学雑誌は、どんなに忙しくても必ず目を通しておきなさい」

「先生(僕のこと)も、日本語で論文を書こうと思ってはだめだ。世界に発信するつもりで英語で書きなさい。」

と教えられました。

苦労して初めて英語の論文が通過した時に、お世話になった当時の教授がとても喜んでくださり、

「これで君も、世界のFujiomotoになる資格を持ったんだよ。世界中の医師が君の論文を読むことができるんだ。これからも頑張りなさい。」

と褒めてくださったのを今でも思い出します。

研修医の時に叩き込まれた医師としての生活習慣は、20年後の今になっても変わらないですね。

僕もどんなに忙しくても、最新の英語の医学雑誌は、必ず目を通しています。

医学は常に進化しているのです。

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国民皆保険を擁する保険診療と自由診療という日本独特な枠組みの中で、新しい医療に取り組んでいくと、古い常識を持った人たちとコンフリクトすることがあり、時折様々な局面で壁にぶつかってしまいます。

僕自身も時々悩んだり落ち込むこともありますが、大きな歴史の流れの中で日本の医療を考えると、たぶん今は夜明け前。

レーザー/光治療という、医療の中でも限られた範囲にはなりますが、僕はこれからも日本に「世界常識の医療を提供する」という気持ちを忘れずに、頑張っていきたいなと思っています。

 


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