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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:Smartside2 スマートサイド2

目の下のたるみを取るレーザー機器

おはようございます。今日9月7日も良い天気ですね。

今日もクリニックFの診療日です。

今月末に福岡のグランドハイアットホテルで開催される、日本美容外科学会。

この学会は日本で開催される最も大きな美容外科学会のひとつなのですが、

僕はこの学会で、合計3つの講演を行うことになっていて、休日や診療の合間を使いながら準備をすすめています。

学会会長である福岡大学 大慈弥(おおじみ)教授招待のシンポジストとして、まず

●シンポジウム7       「美容外科の医療安全管理:患者と医療者を守る」

の枠で 「美容診療と医療経営学」の招待講演 を

そして

イタリアの医療レーザー機器メーカーDEKA社のサテライトミーティングで

●最新フラクショナルCO2レーザー機器スマートサイドドットを使用した上まぶた収縮のための施術であるマドンナリフト の講演と実際の公開施術(ハンズオン)

●RFとフラクショナルCO2機器を組み合わせた世界最初の技術を持つ機器 「スマートサイドドット2(スマートサイドドット スクエア)」の理論講演

をさせていただくことになっているのです。

お声を掛けていただき、大変光栄に思っています。

昨日DEKA社のスタッフの方と打ち合わせを行いました。

その時に話題に上がったのが、こちらの目の下のたるみをとるレーザー機器開発です。

写真は何度か僕のブログでも登場していますが、米国皮膚科学会(AAD)学会員に毎月送られてくる専門誌「Journal of the American Academy of Dermatology」です。

僕も米国皮膚科学会の認定医なので、この本は必ず毎月チェックしています。

ちなみに、こちらは今年の4月号です。

この号に

「Treatment of lower eyelid rhytids and laxity with ablative fractionated carbon-dioxide laser resurfacing:Case series and review of the literature」

という論文が掲載されました。

これは、目の下のたるみを、フラクショナルCO2レーザー機器による2から3回の施術で改善するというもの。

目の下のたるみを取るのは、今まで「ブレファロプラスティー」という目の直下にメスを入れる手術が必要でした。

しかし、皮膚にメスを入れてしまうと結果は良くても数週間のダウンタイムは起こりますので

これがレーザーで改善されるとなると非常に魅力的ですよね。

論文に掲載されている写真を供覧すると、目の下のたるみが綺麗にとれているのがよくわかります。

2007年以降、数多くのCO2フラクショナルレーザーが発売されてきましたが、それぞれの機器の能力は大きく違い、得意不得意があるとこのブログでも述べてきました。

この研究は、クリニックFでも使用しているDEKA社のスマートサイドが使用されていますが、たるみが取れる効果は、スマートサイドの持つ他のフラクショナルCO2レーザーよりも「皮膚の収縮力が高い」というレーザー特性によるもの。

スマートサイドドットは、レーザーの照射時間を、通常のレーザーの様にパルス幅とするのではなく、Dwell timeという新しい概念で設計されているので、「レーザー光による皮膚収縮」を重要視した設定ができるのです。

特に海外のドクターの間で、目の周りの収縮治療にDEKA社のスマートサイドドットが使われているのはこの特徴があるからなのです。

現在、フラクショナルレーザー機器間の違いによる比較論文を手に入れてもらっていますので、美容外科学会では機器の違いも含めた、より詳しい情報を発表できると思います。

この目の下を施術するパワー設定は、目の上を直接施術するマドンナリフトに比べて非常に高いエネルギーを使用しますが、目の周りという、初対面で最も印象に残る部位がレーザーによって施術できるとなると、非常に魅力的な施術ではありますよね。

 


2011年6月イタリア出張32 フィレンツェ大学教授による施術

さて、1時間ぐらい走ったでしょうか…。

こんな地域にフィレンツェ大学レーザーユニット皮膚科教授のDr. Paolo Bonanの働くクリニックがありました。

マウロが先だって歩きます。

珍しいネオンサインのクリニック名が。

新旧のスマートサイドドットが二台並んでいます。

Paolo Bonan教授は、ちょうど今月、僕も会員のヨーロッパ皮膚科学会誌(JEADV)にまぶたのフラクセルレーザー照射でタイトニングを行うマドンナリフトの方法がパブリッシュされたばかりなのです。

Eyelid(上まぶた)に限定した施術方法はこのDEKA社のスマートサイドドットしかありませんので、興味深い論文になりますね。

患者さんを用意していただけたので、施術を見せてくれることになりました。

施術のパワーは、想定していたよりもはるかに高かったですが、ダウンタイムは短そうです。

そしてもう一人、DEKA社の好意で、イタリア在住の日本人女性を一人モニターとして呼んでいただいていました。

欧米人とアジア人ですとレーザーのパラメータが全く違ってしまいますので、この細かい配慮には感謝しましたね。

Dr. Paolo Bonanと共に。

10月にリスボンで開催されるヨーロッパ皮膚科学会(EADV)での再会を約束して、彼のクリニックを出ました。

 


2011年6月イタリア出張24 DEKA社本社の医療レーザー機器

工学用レーザー機器に続いて、医療用レーザーを作っている工場に案内してもらいました。

こちら減菌室でRF型のCO2レーザーを作っているところ。

一つ一つの部品を丹念に組み上げてゆきます。

CO2レーザーのガラス管です。

このガラス管を一本一本、長い時間洗浄します。

そして長時間の照射実験。

コンピュータのディスプレイにより管理します。

このガラス管を利用したのが旧型のスマートサイドドット。

そしてこちらが新型CO2レーザーであるRF式のCO2レーザー発振部品。

こちらも並べてテスト中です。

こちらを利用したのがマドンナリフトの施術を想定した、新型のスマートサイドドット2

というわけです。

テスト照射に使用されたクリスタル。

均一のパワーが照射されているのがよくわかります。

工場を見学していて、いろいろと工学的な質問をしているうちに、マウロとはすっかり仲が良くなり、現在開発中のマル秘の商材についてもいろいろと教えてもらいました(笑)。

こちらは開発中のスキャナシステムです。

開発の部屋でも多くの人たちが熱心にディスカッションしていました。

DEKAは米国のレーザー会社と一風変わって、発想も独創的で、非常に技術力のある会社だという印象を受けましたよ。

 


レーザーの実験

おはようございます。今日は蒸し暑いですね。

今日6月13日はクリニックFの診療日ですが、朝から生の豚肉とマグロの刺身相手に新しいレーザーの照射実験をやっています(笑)。

レーザーの照射実験には、茄子などを使うこともありますが、肉の場合には薄切りの豚肉を使うことが多いんですよね。牛肉だと脂が多すぎるし、鶏肉だと薄切りを見つけるのはなかなか難しいというのが理由でしょうか。

1秒に40枚ぐらい撮れるハイスピードカメラを使うと、レーザーが照射されている部分がこんな感じに見えるのです。

設定を変えてマグロ(中トロ)に照射してみました。豚よりも均一ですし、赤身が多いので、照射のパターンを変えるとわかりやすく違いが出てくるのでいいですね。

実はマドンナリフトに利用するDEKA社のスマートサイドドット2の特定の設定を実験していたのです。

この機種は最新型のCO2フラクショナルレーザーとRFの複合機器。

この2つの複合機というコンセプトを持つ機器は世界で唯一です。

今週末よりイタリアのフィレンツェにあるヨーロッパ随一のレーザー機器メーカーであるDEKA社の本社に行き、開発医師たちとのディスカッションに行く予定なのですが、そこでのディスカッションに必要なデータを取得していました。

何がわかったかは次回の講演の時にお話ししますね。

時間は貴重ですから隙間時間を使わないといけませんよね。

 


新製品SMARTXIDE DOT 2とマドンナリフト

今日から6月ですね。今日も四谷で朝から診療をしている僕ですが、月初ということもあって、診療の合間にいくつもの打ち合わせが入ってなんだかばたばたしています。

さて、今月の海外出張は、中旬以降になりますが、イタリアを予定しています。今月は学会のための出張ではなく、イタリアのフィレンツェにあるヨーロッパ最大のレーザー会社DEKA社本社にて、新規に開発された「スマートサイドドット2(SMARTXIDE DOT 2)」の機器開発者と、開発に関わったドクターと機器に関することやマーケティングに関するデスカッションを行ったり、技術指導をしていただく予定があるのです。

SmartXide Dot 2は、今年の春に発売されたフラクショナルCO2レーザー機器とRF機器の複合機。

写真、僕の左手に二台の機械があるの、見えますか?

左が SmartXide Dot そして僕が使用している右側がSmartXide Dot 2となります。

この機種を僕が初めて見つけたのは今年の1月のパリの学会でのこと。まだ日本には、日本支社を含めて、製品はもとより全く情報が来ていない状況でした。

ニキビ痕や、毛穴、スカー、妊娠線治療などに使用されているフラクショナルCO2レーザー機器ですが、2007年にCO2フラクショナルレーザーの「フラクセル:リペア」がソルタメディカル社から発売されてからというもの、それこそピンからキリまで数多くのものが発売されてきました。

CO2の波長は、比較的安価につくれる上に、蒸散と凝固というレーザーによる肌のアブレーション機能を合わせ持つという性質があって、フラクショナルレーザーに適しているのでは?? と言われてきたのですが、実際に機器がデビューしてみると、これだけ強力なCO2レーザーを、特にアジアンスキンに上手く使いこなすのは、熟練が必要であることが分かってきました。

結局、フラクショナルレーザー機器の場合、“何ワット”“何ジュール”といった機器上のスペックではなく、1つ1つのビームによって形成される肌の反応が積分されて、肌全体に対して効果を生むという意識を常に持つことが治療上大切です。

例えば「60Wで35J、さらに一平方センチメートルあたり50発照射」などと、全く同じスペックで照射したはずのCO2フラクショナルレーザーの施術後の反応が、施術者や機器の違いによって、全く異なるという現象も納得できると思います。

では、逆に施術効果が微分されたと考えることができる、1つ1つのビームのまわりにどんな反応が起こっているのでしょうか?

これは大きく分けて、Ablation(アブレーション蒸散)と、Thermal effect(熱効果=コラーゲン生成と凝固による止血)の二つの作用と考えることができます。

この二つのパラメーターを独立して調節できる機器をはじめに開発したのは米カルフォルニアのサイトン社。 ただ、サイトン社は2970nmというエルビウムヤグ以降の波長はいまだ発表していないのです。2970nmは止血効果が弱く、日本人の肌にはきついんではないかと思っています。僕は次の波長が出れば、すぐに機器を購入したいと本社の担当者にも話しているんですけれどね。

そして、この二つ作用をうまく利用して、パルス幅ではなく、DWELL TIMEという新しい概念のパラメーターを取り入れたCO2フラクショナルレーザー機器が、このイタリアDEKA社のSmartXide Dotなのです。

他のCO2フラクショナルレーザーに比較して、凝固止血率が上がりますので術後の出血が少なく、Thermal effectの時間をしっかり取っているので、組織の収縮率が上がりますので、タイトニングの効果も上がります。

このDEKA社のSmartXide Dotのタイトニング能力が高い性質を利用して、ニューヨークのDr. Bruce Katzが、2010年に米国レーザー医学会(ASLMS)で発表した演題は非常にインパクトがありました。 この学会では僕も肝斑の演題で発表をしたのでよく覚えています。

画像を見ていただければお分かりかと思いますが、要は、カッツ医師は目の周りに収縮能力が高いこのスマートサイドドットを照射して、まぶたの皮膚を縮めることでまぶたのたるみを改善したのです。

人によっては数回の施術が必要となりますが、以前は手術をしなければならなかったので、これがレーザーできるとなると大きな進歩ですよね。

クリニックFでもいつも新しい機器が来ると施術の感想を聞いている専属モニターさんに数名施術をさせていただきましたが、一人に直後の細かい感想をいただいたので、そのまま引用しますね。

「照射時は、場所が眼だけに、恐怖心は少しありましたが、痛みは表面的で、我慢できる範疇でした。

照射1時間ほどは、ヒリヒリとした違和感はあり、

眼の周りに赤みが出ていましたが、

その後治まり、

通常通りの生活を送ることができました。

施術後にマスク・メガネでカムフラージュして通勤すると、

誰にも気づかれませんでした。

夜になると、うっすらと赤茶の点々が目立つようになってきました。

翌朝、多少瞼の重さはありますが、

気にならない程度でした。」

・・・とのことです。

もう少しテストを繰り返して、クリニックFでも施術が提供できるようにしようと思っています。

この施術は、米国ではその名も「マドンナリフト」として知られています。

こちらは Fierth Magazine に載ったマドンナの写真。

彼女の眉から上まぶたの部分に、このマドンナリフトが施術されたと実(まこと)しやかにいわれていますが、本当なんでしょうか(笑)?

 


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