ニューヨークはメトロポリタンオペラ。

今回は日程から魔笛とフィガロの結婚を観ることに。どちらも好きなオペラです。
魔笛についてはこのブログでも何度か触れてきましたので、ストーリーは割愛しますね。





《魔笛(Die Zauberflöte)》が「フリーメイソンの秘密」を含んでいるというのは、オペラ史における最も興味深い謎のひとつです。秘密をバラしたためにモーツァルトが魔笛の公開後に毒殺されたという説があるほど。これは単なる空想ではなく、モーツァルト自身が実際にフリーメイソンの会員だったという事実に基づいています。
魔笛には啓蒙主義(理性と徳を重んじる考え)とフリーメイソン的な象徴性を含み、光と闇、無知と知恵、試練と成長といった対立構造が随所に現れます。
モーツァルトとフリーメイソン
モーツァルトは1784年にウィーンのメーソン・ロッジ「Zur Wohltätigkeit」に加入しました。これは当時の啓蒙思想の潮流の一部で、彼の音楽や思想、交友関係に深く影響を与えました。
《魔笛》はその最晩年に作曲された作品(初演1791年)、つまりモーツァルトが最もフリーメイソン的な価値観を体現していた時期に生まれたのです。
フリーメイソン的象徴 in《魔笛》
1. 三の数の象徴性
フリーメイソンでは「3」は神聖な数です。《魔笛》にも頻繁に登場します:
3人の侍女
3人の少年(導き手)
3つの神殿(自然、理性、英知)
3つの試練(沈黙、火、水)
この構造自体が、フリーメイソンの階級制度や儀式構造(見習い、職人、親方)を象徴しています。
2. 試練の儀式
タミーノとパミーナが受ける試練――沈黙を守ること、火と水を通ること――は、メーソンのイニシエーション(入会儀式)と酷似しています。これは魂の浄化と知恵への道を意味します。
3. ザラストロの神殿=メーソンのロッジ
ザラストロは「夜の女王」に対抗する“光の司祭”として登場します。彼の神殿は「理性と真理」の象徴であり、フリーメイソンが理想とする「理知と人間の完成」の場そのものです。
ザラストロのアリア「In diesen heil’gen Hallen(この神聖なる殿堂では)」には、憎しみや復讐ではなく、寛容と人道を称える思想が込められています。
夜の女王=カトリック教会の象徴?
一説によれば、夜の女王は当時の保守的権威、特にカトリック教会やハプスブルク体制の隠喩とも言われています。モーツァルトと台本作家シカネーダーは、彼女を通じて「旧時代の支配的価値観(感情、復讐、恐怖)」を批判したとも解釈されています。
結論:魔笛は「啓蒙主義オペラ」か「秘儀の寓話」か?
《魔笛》は一見子ども向けのメルヘンのようでありながら、その背後には啓蒙思想とフリーメイソン的世界観が層をなして構築されています。
単なるオペラという枠を超え、理性と魂の浄化を描いた“音楽による秘儀伝授”ともいえるでしょう。
