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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

【念願の地へ─4次元パーラー あんでるせん訪問記】

【念願の地へ─4次元パーラー あんでるせん訪問記】

この数年、日本で一番行きたかった場所があった。

長崎・川棚町にひっそりと存在する、幻のような喫茶店─4次元パーラー あんでるせん。

「マスターは超能力者ではないか?」と噂されるこの店は、手品という枠を超えた“現象”が次々に起きる空間として、知る人ぞ知る伝説的スポットである。芸能人や著名人のファンも多く、ネットの情報もあまりに断片的で、かえってその不可思議さを増していた。

◉ 電話1000回でもつながらない
今回の出張で10年ぶりに長崎に行くことになり、ダメ元で予約を試みた。東京からスタッフに頼んで何度も電話をかけたが、繋がる気配はない。半諦めていたけれど念のため今朝、朝8時20分に電話をしてみると10コール目で繋がった。東京から来ていて、今日1人で立ち見でもいいので観ることは出来ないでしょうか?と聞くと、マスターの奥様の声で「今日はキャンセル待ちも多く、まず無理です。大体今日の予約を取られている方は2ヶ月前からですから」と優しく断られてしまった。
しかし──
天気は荒れ模様。川棚は長崎空港から長崎市の反対方向へ車で40分以上かかる辺鄙な地。
「ひょっとしたら現地でキャンセルが出るかもしれない」と、淡い期待を胸にレンタカーを走らせた。

◉ 奇跡の立ち見席
ショー開始15分前。おそらく予約した30名ぐらいが店に入った最後に、ほぼ諦めの気持ちで「立ち見でも構わないので」とお願いしてみたところ、なんとマスターご本人が現れ、「ちょうどキャンセルが出たので、よければどうぞ」との言葉。参加費1000円ですと奥さん。
──思わず、心の中でガッツポーズ。
運がいい、というより、導かれたとすら思えた。

◉ 観客30人、前半後半合わせて4時間の超空間
6席のカウンター。
残りの約24人が立ち見で、ギュウギュウの店内。体力的にはなかなかきついが、それを忘れさせる“異次元”の連続体験が待っていた。
トランプや数字当てのマジック?もちろん超一級。
観客の名前を突然言い当てる?まさか。
観客10人に回してバラバラに崩したルービックキューブが、店に飾ってあった瓶の中にあるキューブと同じパターンで揃っていたりと。
信じがたい。
だが、それが次々に“現実”として目の前で起きる。
演技というより「現象」。仕掛けを探そうとしても、脳が混乱して止まってしまう。
それでも、マスターの語り口は柔らかくユーモラスで、まるで“次元を超えた落語家”のよう。
壁には多くの有名人の写真が貼られ、全国各地から人が押し寄せる理由がよくわかる。

◉ 予約は奇跡
ちなみに、6席のカウンターを取ったという隣の方は「2か月前の1日に1000回くらい電話しました」と、さらり。
二列目の立ち見の方でさえ「500回はかけた」と話す。
その事実に驚きながらも、「それでもまた来たくなるのが“あんでるせん”なんです」と彼らは口を揃える。
ここは“現実の論理”が通用しない世界であることを、皆どこかで受け入れているようだった。

【あとがき:あんでるせんの正体】
4次元パーラー あんでるせん──
それは喫茶店の皮を被った、精神と感覚を揺さぶる“空間現象”だった。
人智を超えた技術、マスターの不思議な語り、観客の一体感。何かを“観る”というより、「異次元に触れる」という体験がそこにはあった。
次回は、ぜひカウンター席でマスターの眼差しを正面から受けてみたい。
そのとき、世界はさらに一段、違う角度で見えてくるかもしれない──


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