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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

【新国際学会周遊記──自己実現の軌跡とこれからの目標】

【新国際学会周遊記──自己実現の軌跡とこれからの目標】

ある本を読んでいて、興味深い言葉に出会いました──「社会的には成果が必要だけれど、個人的には自己実現を目標としたほうがいい」。この言葉に僕は強く共感しました。

僕自身、コロナ前まで年間20回、20年以上にわたり国際学会講演や企業訪問を重ねその数
400回。世界各地を飛び回る生活を続けてきました。それは間違いなく自己実現の一形態であり、達成感も大きなものでした。

しかし、いつしかシミ・しわ・たるみといったお決まりのテーマを、同じスライド、同じ話で繰り返している自分に気づき、少しずつ「達成感」より「消耗感」を感じ始めました。

40代以降、僕は二つ目、三つ目、四つ目の他分野の大学院に入り、専門性を多様化させました。その過程で、自分の自己実現の形も明らかに変化し始めたのです。今では、論文執筆や学術的アウトプットこそが、もっとも深い自己充実を与えてくれています。

人間は必ず変化し続ける生き物です。だからこそ僕は、「次に自分は何を目指すべきか」を考え、生成AIと壁打ちをしてみました。

心理学で有名なマズローの自己実現理論に加え、近年注目されている「キャリアの多段階モデル」を改めて見直しました。特に知的職業においては、次のような流れが王道です。

20〜30代は「自己の能力開発」。
資格取得、技術習得、臨床経験が主軸となる時期。

30〜40代は「社会的達成」。
地位を得て、ネットワークを広げ、経済的成功も視野に入ります。

40〜50代は「知的アウトプット」。
研究、論文、国際学会での発表、教育など、知識の発信が中心となります。

50〜60代は「レガシー構築」。
後進育成、思想発信、書籍出版など、次世代への橋渡しに軸足が移ります。

60代以降は「社会貢献・哲学的自己実現」。
文化貢献や地域活動など、より広い社会的インパクトが自己実現の柱となります。

このモデルが示しているのは、自己実現が「個人的達成」から「社会的影響力」、そして「思想・レガシー形成」へと外向きに広がっていくという事実です。

僕のキャリアを振り返ると、この段階モデルは実に納得感があります。20〜30代は知識と技術を磨き、国際学会や企業訪問を通して「世界とつながる医師」としての地位を築きました。

ただ、同じ内容を繰り返すルーティンに疲れを感じ始めた頃、40代からは学び直しと新たな専門性の獲得を通じて、より深い知的アウトプットへと自己実現のベクトルが移行しました。

人は変化し続けるからこそ、人生は豊かになる。

そして今、いつでも必要な知識をすぐさま提供してくれるAIの時代に本当に必要なのは、インプットの量ではなく、「そのアウトプット力」、特に「世の中の疑問点に対する質問力」だと思います。

最近の僕は、朝起きると、日々の生活の中でひとつの問いを立て、それについて考え、まとめるという習慣を取り入れました。

必ずしも毎日完璧にできているわけではありませんが、世の中への問いかけの感度は確実に上がったと感じています。

日常の小さな気づきを「問い」に変換し、それを「知的アウトプット」としてまとめていく──このプロセスが、次の自己実現への階段になると感じています。

これまで蓄積してきた知識や経験を、しっかりと言語化し、体系化し、社会へ還元する。単なる情報発信ではなく、次世代の知的財産となるようなアウトプットを目指したいですね。

短期的な成果ではなく、10年単位で「何を社会に残せるか」を考える。その結果、真の意味での自己実現──「知的充実」と「知の循環」──が得られると信じています。


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