【新国際学会周遊記──AI時代の新勉強法とは何か?】
「正しく速くこなす人材は、AIが代替する。
“なぜ?”と問える人間だけが、未来のルールを創る。」
そんな言葉が胸に刺さるのは、僕がDBA論文を執筆していた頃、FB友達でもある東京大学理学部・合田圭介教授が対談している出版物で出会ったひとことがきっかけだった。
──「日本にはソルジャー教育を受けた人は多いが、コマンダー教育を受けた人は極めて稀だ」
この問いは、単なる教育論ではない。国家戦略であり、社会構造の深層そのものだ。


◆ ソルジャー教育──「正確さ」の時代の美徳
ソルジャー教育とは、既存の指示を忠実に実行する力を育む教育。
空気を読み、和を乱さず、効率よく正確に物事をこなす。
まさに工業社会に最適化された人材像だ。
だがその反面、「なぜ?」と問う力が育ちにくい。
言われたことはできるが、自ら創ることはできない。
そのポジションを、今やAIが奪いつつある。
◆ コマンダー教育──「問いを立てる」力
コマンダー教育は、未知の状況においても「考える力」を育てる教育だ。
問いを生み、意思決定し、責任を持つ──これが未来を動かす力になる。
たとえばフィンランドの学校では、先生が「正解はない。でも、あなたの考えを聞かせて」と語りかける。
そこには、「出る杭は育てられる」文化が根付いていた。
◆ 地図のない時代には「思考の羅針盤」を
コロナ、AI、戦争、環境問題──
私たちの生きる今は、地図の書き換えが続く「地図のない時代」だ。
ソルジャー教育は既存の地図の上では機能する。
だが今必要なのは、自ら地図を描ける力──すなわちコマンダー教育なのだ。
◆ 日本社会への問いかけ
では、今の日本はどうだろう?
偏差値、暗記、マニュアル、空気、同調圧力──
いまだソルジャー教育の影が色濃い。
だが、本当に必要なのは、沈黙ではなく「問い」だ。
未来は、疑問を持つ者の手に委ねられている。
◆AIによって量産されるフェイク画像
今のAIの動画作成技術は格段に進化していて、まさに見た目では本物と区別がつかない状況だ。今後はこれらの氾濫する情報の真偽を確認する業務が増える。
この時にジャッジするのは教養になるだろう。
◆ 結語──未来を決めるのは「教育」ではなく「問い」である
僕は医療教育でも、経営の現場でも、
「自ら問いを立てられる人材」の希少性を痛感している。
だからこそ言いたい。
知識を覚えるだけでは足りない。
“なぜ?”と問い続ける習慣こそが、未来を創る。
教育とは、問いの深さを育てることである──
AI時代の新勉強法とは、一言で言えばソルジャー教育からコマンダー教育への転換なのである。
