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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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声が出ない!!

8日の水曜日、夜にサンフランシスコから帰国して、成田からその足でクリニックに出勤し、残務の整理や、テレビや雑誌の取材の対応、そして彼岸前の墓参りなどをやっていたら、土曜日の夜から、ついに熱でぶっ倒れました。もう若くないですね。僕はもともと忙しい生活が好きなので、“忙しくて寝むれない“なんてことは、どうってことないのですが、この風邪で、なんと、声が出なくなってしまったのです。きっと鼻腔の奥の上咽頭炎で、後鼻漏が続くうちに声帯にも virus が飛び火したんだなとか、西洋医学的に予想はしてみても、実際に声がでなければ、診療も出来ません。さあ、月曜日までに治さなきゃ。

西洋医学的には、のどの痛みをとるために、トラネキサム酸(トランサミン、面白いことに、この薬には、シミを薄くする効果もあります)や、細菌感染症がないときはPL顆粒のような、総合感冒剤を使うしかありません。風邪の引き初めは、葛根湯のような漢方薬が効くこともありますが、このようにどっぷりと風邪になってしまったときは、体力のない、老馬に鞭打つようなもので、逆効果になってしまいます。だったら早く治すために何をしようかと思って、民間療法を調べてみたところ、いろいろと、出てきますね。

風邪の民間療法は長い間の経験によって確立された、いわば生活の知恵といえます。たとえば、卵酒は卵によってタンパク質を補給し、日本酒で体を温めて眠りを誘う効果がありますし、しょうがは中国で古くから「風邪を治して冷えや頭痛、鼻づまり、咳、痰を取り去る薬効がある」とされています。梅干しに含まれているクエン酸は、体のTCAサイクルを回して栄養補給をしてくれますし、はちみつやそれに含まれるプロポリスなども効果があります。

<漢方で風邪に効果があるといわれる食品>

●しょうが

●長ねぎの白い部分

●しその葉

●にんにく

●だいこん

●梅干し

●シナモン(桂皮(けいひ))

“喉の痛みや咳には大根“といわれるほど、咽頭部感冒の民間療法として根づいているのが大根です。大根の辛味成分アリル化合物には、炎症を鎮め、せきを止め、さらに殺菌の作用があります。また大根には、天然の消化剤といわれる酵素のジアスターゼやアミラーゼが豊富で、疲れた胃腸の働きを助け、食欲不振を改善するのです。呼吸器系の風邪のときは、Tシャツの胸の前にカイロを貼るのが効果的です。

世界各国でも、風邪に対する様々な対処法があります。フランスでは高熱の時には冷水風呂にいれて体を冷やせなんてとんでもない療法がほんの数十年前までありましたが、今は当然、廃れています。イギリスには『Feed acolid and starve a fever』という言葉があります。「風邪は食べて治せ、熱は食べずに治せ」こうすれば風邪は自然に治るという意味です。かるい風邪の場合はしっかり食事をし、栄養をつけて安静にします。熱がある場合は細菌感染やウイルス感染が考えられますので、食事をして胃腸に負担をかけるよりも(食事をするという行為は実は体力使うのです。現に基礎代謝量の大きな部位を食事が占めています。)水をたくさん飲むようにしろというものです。世界の民間療法にも、程度の差はありますが、西洋医学の観点から考えても一理あるものも多いですね。

で、昨日の日曜日は本当に丸一日眠って(疲れていると本当に丸一日、眠れるものなんですね!)、ついでに民間療法もいろいろ試してみましたが、今日起きて、体力的にはだいぶ復活したものの、残念ながら、声はかすれていて、全快というまでには行きませんでした。でも、仕事には復帰できそうです。やっぱり風邪の時はディフェンスで、時間が経つのを待つしかないですね。(笑)


アミノ酸で体が変わる!!

たんぱく質(写真)は、炭水化物、脂質と並んで三大栄養素の一つとしてよく知られています。アミノ酸はたんぱく質を作っている原材料です。

では、皆さんは五大栄養素という言葉を知っていますか?
これは上記の3つの栄養素にビタミンとミネラルを足したものなのです。
最近このビタミンとミネラルに注目した議論が中心になされていると思うのですが、これら二つの補佐の栄養素は、三大栄養素が満たされたのちでなければ、効果を発揮できないことを忘れてはいけません。

ビタミン、ミネラルなどのサプリメントをお弁当のように嬉しそうに食べているOLさんを見かけることがありますが、憂慮すべきことだと思います。良質なアミノ酸を摂取すること、良質な炭水化物、脂質を摂取することが人間の体を作るために、いかに大切なことなのか、考え直すときなのではないかと思うのです。

たんぱく質を構成している、20種類のアミノ酸のうち、体の中で合成できるものを『非必須アミノ酸』と呼び11種類あります。体の中で合成できず、食事などから補給する必要があるものを『必須アミノ酸』と呼び9種類あります。体内で合成出来ない必須アミノ酸のうちひとつでも必要量に満たないアミノ酸があると、他のアミノ酸も一番少ないレベルでしか働けなくなります。私たちは、意識して必須アミノ酸をバランスよく摂取することが大切なのです。

実は日本は世界で一番アミノ酸の研究が進んでいる国なのをご存知でしたか?味の素や宝酒造などがこの研究が最も進んでいるのです。

ちなみに、スベスベの肌になるためには、体をつくる20種類のアミノ酸すべてが必要ですが、なかでも美肌効果が高いのはアスパラギン、チロシン、セリン、プロリン、アルギニンの5つのアミノ酸です。肌細胞の原料になり、細胞分裂を促す酵素にもなるアスパラギン、チロシン、セリンは、ターンオーバーの周期を整える潤滑油とも呼ばれています。プロリンとアルギニンは、肌にハリを与えるコラーゲンをつくる材料になります。

以下にアミノ酸の説明を載せます。

必須アミノ酸

バリン・ロイシン・イソロイシン

3つの必須アミノ酸は分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれます。カラダのたんぱく質を増やす働きや筋肉増強や疲労回復に効果があります。
たんぱく質をつくる作用を高める、肝機能強化作用など

リジン

身体の成長を促進し、組織を修復する
集中力を高める
ブドウ糖・脂肪の代謝促進(ダイエット効果)
コラーゲンの生成をサポートする(美肌効果)
育毛・発毛効果
肝機能強化作用
ウイルスを抑制

スレオニン

脂肪肝になるのを防ぐ

メチオニン

血液中のコレステロール値を低下
ヒスタミンの血中濃度を低下させる
肝機能強化作用

ヒスチジン

紫外線の害の予防。
赤血球、白血球の形成に関与

フェニルアラニン

脳と神経細胞の間で信号を伝達する神経伝達物質になる
記憶力を向上させる
抑うつ症状の改善
気分を高揚する作用

トリプトファン

神経伝達物質であるセロトニンの前駆体
成長ホルモンの分泌を促進します。

非必須アミノ酸

アラニン

アルコール代謝を改善する作用があり、肝臓のエネルギー源として重要

アルギニン

コラーゲンの主原料でもあり、肌再生アミノ酸とも言われる
血行促進、免疫機能の向上、肝機能増強、脂肪の燃焼などの作用もあり

グルタミン

最も多くみられるアミノ酸
免疫機能の向上・筋肉のたんぱく質合成を助けたり潰瘍の治癒を早める

アスパラギン酸

体内の老廃物の処理、肝機能の促進、疲労回復

グルタミン酸

潰瘍の治癒を早める
脳の機能・知能を高める
アンモニアを体外に出す効果

プロリン

筋肉のエネルギー源で脂肪の燃焼を促進する効果

システイン

傷の治癒の促進
シミの原因となるメラニン色素の沈着を防ぐ

チロシン

神経伝達物質であるドーパミン、ノルエビネフリン、エビネフリン、甲状腺ホルモン、成長ホルモン、メラニンの前駆体
気分を高揚させる

アスパラギン

セロトニンをつくる前駆体

グリシン

コラーゲンの合成、遺伝子の構成成分の合成
赤血球のヘム、クレアチンの合成、グルタチオンの合成

セリン

コラーゲンの手助けをする、エラスチンを形成


リヒテル

いつか書いただろうと思っていて、今確認したら、この名盤の紹介を忘れていました。実はラフマニノフとチャイコフスキーのピアノ協奏曲で、とっておきの演奏があります。もしも無人島に1枚だけCDもっていけるといわれたら、僕はこれをもっていくかもしれません。(笑)

ラフマニノフ ピアノ協奏曲 第2番

演奏: リヒテル(スヴャトスラフ), ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団

指揮 ヴィスロツキ(スタニスラフ)

チャイコフスキー ピアノ協奏曲 第1番

演奏: リヒテル(スヴャトスラフ), ウィーン交響楽団

指揮 カラヤン(ヘルベルト・フォン)

このカップリングのCDなのです。

ラフのピアノ協奏曲の第二番も、高校生のときに初めてアシュケナージ盤を聴いたときその旋律の美しさに衝撃を受けました。スケートの村主選手もこの曲を使っていましたよね。以後、様々な演奏家のものを集めているのですが、いまだにこのCDの演奏を超えたものは自分の中ではありません。第2楽章から第3楽章への曲の盛り上がり方が普通じゃないのです。会場を含めて、そこに居合わせた人全員を違う世界に持ってゆくような。指揮のヴィスロツキが女房役として上手く演奏を一歩ひいてサポートに徹し、リヒテルの持ち味を引き出しているんですよね。

チャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番は、中学生のときに親父が持っていたエミール・ギレリス演奏ののLPを擦り切れるまで聴いてしまった経験があります。覚えていませんが、多分僕がクラシックにはまるきっかけになった曲です。第1楽章の曲の美しいことといったら。最近聞いていないですが、これ、今でも全曲口笛で吹けますよ。(笑)

リヒテルは持ち味というか色が濃く、指揮者と潰しあってしまうこともあるのですが、同じように色濃いカラヤンとともに、ピアノと指揮で、まさに協奏曲ならず競争曲を演奏しています。

クラシックのCDは廃盤になってしまうことが多く、買える時に買わないと手に入りにくくなるのですが、これはさっきアマゾンで確認したら在庫がありました。割引が効いて、送料込みでたった1620円です。信じられない。本当に良い時代ですよね。


医療機関の株式会社化のススメ

国民医療費は2005年で35兆円を超え、対国民所得比でも上昇を続けている。これは、近年の医療技術や医療用設備・機器の進展、またIT化による情報装備の必要性に伴って、医療機関における資金需要は大幅に拡大していることも大きな原因になっている。

現状では、初期投資額がどんなに多額であっても、医療機関の資金需要は医療法人か、個人病院院長個人の債務としてしか吸収できない。経営のうまく行っていない、または新規参入の病院は、債務超過のため、最新鋭の機器を導入できないということになる。これはサービスを受ける地域の住民の不利益につながる。以前に自分が経営していたクリニックチェーンの新規機器購入のために資金調達を考えて、株式公開させようと算段したことがあるが、残念ながら現法制下では不可能であった。法が制定された当時には、十億円規模の投資を医療機器に行うことはあまり想定されていなかったということである。

日本においては、“営利を目的とした”医療機関の開設は認めておらず、剰余金の配当も禁止されている。しかしながら、医療の分野でも、経営、資金調達、サービスの提供のノウハウに長けている株式会社の参入させ、医療費の削減を目指すべきであるという議論がなされて久しい。医療機関経営の効率化を促し、またそれに触発された非営利法人が効率的な経営ノウハウを積極的に導入することによって、医療分野に競争を促す。営利・非営利の違いにかかわらず、医療機関間の競争を促進することは、患者本位の医療サービスの実現につながるはずである。

株式会社等による医療機関経営は、政府の規制緩和・民間解放推進会議の答申をきっかけに盛んな議論が行われているにもかかわらず、構造改革特区において認められたものの、参入が可能とされる対象は自由診療(保険外診療)だけで、しかも高度な医療等に限定されたものに留まった。また、その後の規制改革・民間開放の推進に関する第2次答申(平成17年12月21日)においては、株式会社等の医療機関経営への参入に関しては削除されており、議論は先送りになってしまった。非常に残念なことであると思う。

株式会社の病院経営参入を巡る主張
(出典)日本経済新聞(平成16年8月14日)

厚生省
利益追求の結果、医療費の高騰を招く恐れがある
利益が上がらない場合の撤退で医療の継続的な確保に支障が生じる
非営利原則の下で病院経営を効率化し、質の高い医療サービスを提供すべきだ

規制改革・民間開放推進会議

多様な競争が生じれば患者の選択肢が広がる
現行の医療法人でも経営が悪化する例があり、株式会社と違いはない
経営、資金調達などに長じた株式会社の参入で病院経営を効率化できる

岡部(文献参照)は2002年に株式会社病院に対する批判とその妥当性について、以下の3点のように検証しているので引用する。

第一の批判は、「株式会社は営利を追求するための組織であるため、暴利をむさぼり、質の悪いサービスを提供するおそれがある」とする点である。しかし、このような企業は消費者の支持が得られずに短期的にはともかく、長期的には市場から追放されている。そもそも、医療行為の適切性は経営主体の違いとは無関係であって、医療に従事している病院経営者や医師・看護師など個々人の倫理感の問題である。

第二には、「株式会社は利益が得られなければ、市場から安易に撤収する」という点である。利益が得られなければ存続できない点は非営利病院も同様であって、株式会社に特有の弱点とは考えられない。逆に、わが国に残存する株式会社病院の過半は赤字経営を続けているが、本業(収益事業)からの支援によって生き延びており、資本力のある株式会社は創業期には赤字覚悟で新規分野への進出を試みるケースが多い。

第三には、「株式会社は儲かる分野のみを手掛けて不採算分野は敬遠するため、救命救急部門などが不可欠な医療には適さない」という、いわゆるクリーム・スキミングの非難である。これはわが国においては、病院全般にそのまま当てはまる非難である。救命救急医療などは採算性の問題もさることながら、公的病院においても定員制や勤務条件などの硬直性がネックとなっているので、これらの点について柔軟に対応できる株式会社病院が手掛けるのに適しているのではないかとの見方もある。

非営利性と公益性は必ずしも同一のものではない。株式会社であっても、事業法により公益性を担保している電力会社、ガス会社なども存在する。株式会社が出資した医療法人であっても、医師の応召義務やカルテ公開等の医療行為に関わる規制を全ての医療機関について強化することで、公益性を担保することは可能と思われる。

実際には現行の医療法施行前に設立された株式会社病院が日本国内で62機関も存在しており、経営状態も、地域住民の評判も良い。当然、欧米諸国においても、医療機関経営への株式会社の参入は原則として認められている。

医療の分野に経営、資金調達、サービスの提供のノウハウに長けている株式会社の参入を許可し、競争をさせることが、結果的に医療費の削減と患者サービスの満足度の上昇をにつながると考える。一刻も早い法改正を望む。

参考文献
岡部陽二、2002、「病院経営への株式会社参入の是非を問う」、金融財政、第9463号、12月5日号、pp. 2-8


医療の進化

「賢者は歴史に学び、愚者は体験に従う。」と言います。古くより、歴史より包括的な知識を学び、現実に応用する能力のあるものは大成し、経験による成功に溺れ、失敗を恐れる人は一時の成功のみで没落するのです。ヨーロッパにおいても、ビジネスにおけるもっとも大切な資料は、失敗の蓄積の資料であるということだときいたことがあります。孔子の古い言葉ではあるが、温故知新(故きを温(たず)ねて、新しきを知ること)が現在でも必要だということだとおもいます。

医者の業務というものは、記憶力を頼りにする業務が多いのです。患者さんを診察し、症状を自分の記憶の本から呼び出して、本に書いてあった治療を提供する。この業務の繰り返しなのです。普遍的は歴史のデータ(つまり医学書、論文、学会)に学び、医療を実践するものがいる一方で、長い間の体験が、かえって治療方針を偏らせてしまう医師も多く目にしてきました。

 
西洋医学が優れている点は、以前に感染症や交通外傷などの初期治療だと話したことがだとおもいますが、もう一点、他の医学に比べて、統計解析の技術が優れていると思います。博士論文を書くときには、その実験結果が、他の条件のデータ集団と違いがある(有意差といいます)ことを証明する技法を学ぶのです。

たとえば風邪の人に砂糖水を、これはとてもよく効く薬だと言って飲ませる。これで40%ぐらいの人は実は治ってしまいます。これをプラセボ効果といいます。だから、薬を開発するときに、このプラセボとの違いを科学的に検証することが大切な業務になるのです。

どんなにゴルフが下手な人でも、18ホールも回れば、必ず1度はナイスショットがあると思います。コースをまわり終わったらそれしか覚えていないでしょう。人間は調子の良かったもの、嬉しかったものを忘れないものなのです。ガンの治療でも特定のキノコを食べていたら、ガンが治ってしまうなんてこともまれにはあるのかもしれません。でも、それは単なる体験に従うことです。最初からこの単なる体験に従って治療をすべきではありませんが、特定の医療分野が学問として成り立つときには、このクリエイティブな努力の体験の過程が必要なのです。

今の美容皮膚科の世界は、顔に施術できるレーザーが開発されて24年。体験に従う学問から、歴史に学ぶ学問に変化しつつあります。今年もいくつかの学会に参加しましたが、参加する海外学会の進化の早さは、美容の世界がいよいよアカデミックな学問として確立しつつあることを意味しているのだと痛感します。今の我々のクリエイティブな体験による努力が、統計的手法にて歴史となり、次世代の教科書を作っているのですね。 


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