おおきな木。
村上春樹が新訳したのは10年前ですが、改めて読んでみると本当に深い話ですよね。
ネタバレにはなりますが、この本の原題は、The giving tree といいます。
時々木のまわりに遊びに来る少年。
子供のうちは登ったりぶら下がったりして遊びますが、成長してお金が必要になると実を与え、枝を与え、それを売りなさいと。
その子が大人になり遠出したいと言うと、わたしの幹を切り、船の材料にしなさいと。その子が老人になって帰ってくると、切り株に座らせ、わたしはでも、それだけで満足ですと。
オスカーワイルドの幸福な王子を彷彿とさせる絵本でした。
おおきな母性を表現したものと言えるかもしれませんが、こうした与えるだけの関係は、親子関係以外にはなかなか成り立つものではありませんよね。

現在にはgive and take を求めてしまう人も多いですし、大きな愛を与えようとしても、人の好意にフリーライドしたり、騙そうとする人もいる。
僕も心から傷ついた事が人生で何度もありました。
まあ、人によって価値観も大きく違いますし、因果応報という言葉もあります。
真善美を心の羅針盤として、自分は粛々と、自分に与えられた道を歩むしか無いですね。