僕がLASER医療にかかわるようになったのは、医師になって6年目。
専門医を取り、大学院に入って自由な時間が作れた2000年ぐらいから。
その後多くの治療法、治療機器なるものが出てきましたが、最も大切にしていることは、エビデンスを確認することでした。

今ではクリニックFには40台以上の医療機器がありますが、そのすべての機器について、僕は海外の本社にて、社長と、開発者と、医療責任者トップと、可能であれば、工場の見学までさせてもらっていました。
そこまでしないと、自分の患者さんに対して安心して施術ができない。
素晴らしい機器を作っているという話でも、実際に工場では隣とおしゃべりをしながら機器を組み立てているような国民性の国だと、機器の信頼度や安定度が不安ですよね。
やはり自分の目で確認する作業は大切なのではないかと今更ながらに思います。
新しい治療法は多くの場合、従来の治療法と異なる視点で開発されるため、エビデンスを取得する際にも柔軟なアプローチが求められます。
これらを実践的に検討していくことで、科学的かつ社会的に受け入れられる治療法を確立することが可能です。
医学以外の分野で、工学や薬学の博士号を取得したのも、医学(生物学)以外でも、物理学や化学の知識が立証や、またその分野の論文や研究者の意見を読み解くのに必要だと思ったからです。
実際に新たな機種を入れるケースでは以下のようなことが過去研究でなされているかを必ずチェックするようにしています。
1. 研究デザインの選定
無作為化比較試験 (RCT):
新しい治療法の有効性と安全性を確立するためのゴールドスタンダード。特に介入群と対照群をランダムに割り振ることで、バイアスを最小限に抑えます。
観察研究:
実際の臨床現場での効果を評価するために用いられる。RCTが難しい場合や倫理的に制約がある場合に適応。
2. 客観的な評価指標の設定
病気の進行度や患者の生活の質 (QoL) を評価する標準化された尺度を利用。
生理学的データ(血糖値やホルモンレベルなど)やバイオマーカーを活用して、定量的かつ再現性のある結果を収集。
3. プロトコルの確立
倫理審査委員会 (IRB) の承認を得るため、プロトコルをしっかりと構築する。
プロトコルには、治療法の目的、対象者、介入方法、観察期間、評価方法を明確に記載する。
4. 長期的なフォローアップ
短期的な効果だけでなく、長期的な有効性や副作用の発生も追跡する必要があります。
特に慢性疾患では、長期間にわたる観察が重要です。
5. 患者の声を取り入れる
新しい治療法の臨床的有効性だけでなく、患者の満足度や治療を続ける意欲もエビデンスとして重要です。
患者報告アウトカム (Patient-Reported Outcomes, PROs) を組み込む。
6. 補足的な研究手法
メタアナリシス: 他の研究結果と比較し、新しい治療法の位置づけを確認する。
リアルワールドエビデンス (RWE): 実際の医療現場で収集したデータを活用する。
なぜ、このような話を書くかというと、このところ、患者さんからの質問に、「エクソソーム」や「幹細胞」などの話をますますよく聞くようになったからです。エクソソームはがんの遠隔転移の研究で見つかったものです。短期間の一定の効果は理解しますが、長期的な予後はわかりません。
動画サイトなどでは、説得力のあるまことしやかなわかりやすい映像が並び、いつでも観ることができるようになっている。中にはトンデモ医学のようなものもある。でも、そこに医療エビデンスありますか?
我々医師は命にかかわる選択のジャッジを任されているといえます。本来でしたら、医師がおかしな情報を選別して、正しい情報を伝えるべきだと思います。しかしながら、今の時代はクリニックも病院も経営のことを考えなければつぶれるようなこともあり、そういったことが難しいのかもしれません。
玉石混合の情報過多の時代に、まずお勧めしたいのは、新たな治療をすすめられたときに、高いお金を払ったから大丈夫だろうとか、友人がやっているから大丈夫というのではなく、医師の話でさえ、一度は疑って自分で考え、功罪をきちんと調べてほしいということ。今はいくらでも検索可能です。さらに、日々学び、その真偽を確かめる教養も持つことも併せて大切なことだとは思いますね。

















