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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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白髪で悩んでいる人

白髪で悩んでいる人は多いですよね。

身の回りでも個人差もあると思いますが、悩んでいる人ばかりです。

今日の朝イチでも特集していました。

昔は風邪を治す薬ができたらノーベル賞と言われていましたが、白髪が治れば間違いなくノーベル賞かもしれません。笑。

まだまだ医療は検証段階。

なかなかエビデンスのある有効な手段が無いですね。

白髪とは何か?
白髪とは、毛包内に存在するメラノサイト(色素細胞)の機能が低下、または消失することで起こる現象である。特に重要なのが、毛包バルジ部に存在するメラノサイト幹細胞(Melanocyte Stem Cells:McSCs)であり、この幹細胞が加齢や酸化ストレスにより分化・消失することで、メラニンが産生されなくなる。

これまで白髪は「不可逆的」とされてきたが、近年の研究ではその前提が覆りつつある。
2023年、米国NIH主導の研究グループがNature誌に発表した論文(Vol.616, pp.129–135)では、マウス実験においてMcSCsが移動性を失うことが白髪化の主因であること、そしてその位置異常を回復させることで再色素化の可能性があることを示唆した。

幹細胞療法の可能性
この理論を応用した治療法として、注目されているのが幹細胞由来物質の使用である。

日本国内の美容クリニックでも採用されている幹細胞培養上清液(ヒト脂肪幹細胞や臍帯血由来)は、サイトカインや成長因子を豊富に含み、毛包の微小環境(ニッチ)に作用することで幹細胞の活性化を促すとされる。ただし、現時点での主用途は育毛・発毛であり、白髪の改善に関してはエビデンスが乏しい。

より積極的なアプローチとしては、McSCsの再生・再移植が考えられているが、これはまだ臨床応用には至っていない。ただ、iPS細胞技術を応用し、メラノサイトへの分化誘導が可能であるという報告もあり、未来の治療として注目されている。

低出力レーザー治療(Low-Level Laser Therapy, LLLT)は、男性型および女性型脱毛症の治療において、毛髪の成長を促進する効果が示されています。 ​しかし、白髪(加齢や遺伝的要因による色素の欠如)に対する効果については、現時点で十分な科学的証拠が存在しません。 一部の報告では、LLLTが毛包内のメラニン生成を刺激し、白髪を暗くする可能性が示唆されていますが、これらの効果は限定的であり、さらなる研究が必要。 ​

栄養学的アプローチ
薬や再生医療だけが解決策ではない。
筆者が感銘を受けたのは、ニューヨークの分子栄養学会における「食事と毛髪色素の再生」というセッションだった。

● ビタミンB群(特にB12・ビオチン)
B12の欠乏は早期の白髪化と関連しており(『Indian Journal of Dermatology』2016, Vol.61, pp.698–699)、特に菜食主義者や高齢者では注意が必要。ビオチンも皮膚・毛髪の健康に不可欠であり、欠乏による白髪化が報告されている(『Journal of Clinical and Aesthetic Dermatology』2017年 Vol.10, pp.52–59)。

● チロシン・フェニルアラニン(アミノ酸)
これらはメラニン合成の材料となるドーパの前駆体であり、メラノサイト活性の鍵を握る(『Pigment Cell Research』2005年 Vol.18, pp.122–129)。

● 銅
チロシナーゼの補因子として不可欠。銅不足ではメラニン産生が著しく低下する(『Trace Elements and Electrolytes』2001年 Vol.18, pp.141–145)。

● 亜鉛・鉄
これらのミネラルも、毛包幹細胞の活性維持に重要。特に亜鉛の過剰摂取はチロシナーゼを阻害するため、バランスが重要(『Biological Trace Element Research』2020, Vol.193, pp.89–97)。

● PQQ(ピロロキノリンキノン)
最近注目されているミトコンドリア活性化物質。幹細胞の老化を抑制し、McSCsの再活性を助ける可能性がある(『Biochemical and Biophysical Research Communications』2019, Vol.516, pp.1157–1162)。

白髪は運命ではなくなるか?
現時点で、白髪に対する「完全な治療薬」は存在しない。
だが、幹細胞の可逆性や、栄養学的アプローチにより白髪の進行を抑え、さらには部分的な黒髪への回復も可能であることが徐々に明らかになっている。

今後は、幹細胞治療・遺伝子編集・ミトコンドリア医学など、最先端医療の融合が進めば、白髪は「年齢のサイン」ではなく、「管理可能な現象」となるかもしれない。


今日も長い1日

ニューヨークJFKを飛び立って、カナダ上空から氷の海を観て羽田に着いたらまだ桜が残っていて感動でした。

ただ時差が難しい。

細切れに寝て、4時にはすっかり目が覚めてしまい、メールの処理や、買っていた本を朝から読み始めてすでに完読。

今日も長い1日です。


1日1万歩の健康習慣

このグラフを見ると、12月16日に足の骨を折り、徐々に回復している様子がよくわかります。

2月と4月に歩数が伸びたのは、パリとニューヨークの出張でした。

ただ全体的にはもう少し歩いた方がいいですね。反省です。

そうそう、「1日1万歩歩くと健康に良い」という有名な健康習慣、実は医学的根拠から生まれたわけではありません。

この「1万歩」の起源は、実は意外なところにあります。

【1日1万歩の起源】
この数字を初めて提唱したのは、1965年の日本で、実は万歩計のマーケティング戦略から始まりました。
当時、日本の山佐時計計器株式会社が発売した「万歩計」という歩数計が、健康志向の高まりとともにヒット商品となりました。この製品名に合わせて「一日一万歩歩きましょう」というキャッチフレーズが広まったのが、始まりです。

山佐時計計器「万歩計」誕生:
年:1965年
商品名:「万歩計」(Manpo-kei)
開発者:医師・医学博士の山崎信寿(Yamasa)らが関与
キャッチコピー:「一日一万歩、健康への道」

この「一万歩」という数字は、「誰にでも覚えやすく、目標にしやすいキリのよい数字」として設定されたもので、科学的な研究や臨床データに基づいて導き出されたものではなかったのです。

【その後の医学的検証と最新研究】
では、「1万歩」に医学的な意味はあるのでしょうか?
これについては、近年多くの疫学的研究が行われており、いくつかの重要な知見が出ています。

1. ハーバード公衆衛生大学院(2019年)
論文:Lee IM et al., JAMA Internal Medicine, 2019;179(11):1307–1315.
内容:高齢女性約1万7千人を対象に調査。
結果:1日4,400歩から死亡率が有意に低下し、7,500歩程度でその効果は頭打ちになった。1万歩以上でも効果の増加は限定的。

2. 米国医学雑誌『The Lancet Public Health』(2021年)
論文:Paluch AE et al., Lancet Public Health, 2021;6(9):e637–e644.
結果:成人では1日6,000~8,000歩で死亡リスクが最も低下。1万歩は「必須」ではないが、活動量が多いほどリスクは下がる傾向。

3. 日本の研究(厚生労働省)
内容:メタボ対策や高齢者の健康寿命維持において、8,000歩前後(うち20分以上の中強度運動)が最適との指摘。

まとめると
「1万歩」は、1965年の万歩計のマーケティングが起源。
医学的には「歩けば歩くほど良い」わけではなく、
6,000〜8,000歩でも十分な健康効果があることがわかってきた。
質(運動強度)も重要で、ただのダラダラ歩きよりも、20分以上の中強度の運動が推奨されている。
という事になりますね。


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