4月にニューヨークに出張して以来の米国ですが、やはりどこもコロナ前から商品価格がドル建てで3倍、日本円にすると4.5倍ぐらいのイメージですね。



さっきスタバで食べたエッグポテトは3000円もしたのに、鳩の餌みたいでした。苦笑。
前回もそうでしたが、そもそも美味しく無いので、食欲も無くなるので、良いダイエットになりますかね。
藤本幸弘オフィシャルブログ
4月にニューヨークに出張して以来の米国ですが、やはりどこもコロナ前から商品価格がドル建てで3倍、日本円にすると4.5倍ぐらいのイメージですね。



さっきスタバで食べたエッグポテトは3000円もしたのに、鳩の餌みたいでした。苦笑。
前回もそうでしたが、そもそも美味しく無いので、食欲も無くなるので、良いダイエットになりますかね。
【新国際学会周遊記──“動かない命”が生んだ奇跡、ポリフェノールとは何か?】
健康にいい──
抗酸化作用がある──
赤ワインやチョコレートに入っている──
そんな言葉が先行する「ポリフェノール」ですが、
その正体に、あなたはどこまで迫ったことがあるだろうか?
本稿では、植物と太陽の攻防という大いなる物語の中から、ポリフェノールという分子の進化的意味を掘り起こしてみたい。

◾️ポリフェノールは「太陽と闘う植物」の化学防御
植物は動けない。
にもかかわらず、我々人類よりはるかに長い時間、太陽の強烈な紫外線を浴び続けてきた。
紫外線は細胞のDNAやタンパク質を傷つけ、老化や突然変異の引き金ともなる。
それでも植物が生き延びてこられたのは、彼らが“知恵”をもってこの環境ストレスに適応してきたからだ。
その知恵の結晶こそが──
ポリフェノールである。
ポリフェノールとは何か?
ポリフェノールは、植物が紫外線・微生物・昆虫などの外敵から自らを守るために合成する二次代謝産物。
その数、実に8,000種以上。まるで植物たちの“化学兵器庫”とも言える。
◾️分類と食品例は以下の通り:
フラボノイド(アントシアニン、カテキンなど)
赤ワイン、緑茶、ブルーベリー (紫外線吸収)
フェノール酸(クロロゲン酸など)
コーヒー、リンゴ、じゃがいも (酸化防御)
リグナン
ゴマ、亜麻仁 (ホルモン様作用)
スチルベン(レスベラトロール)
赤ワイン、ピーナッツ(抗炎症)
◾️人間にとっての恩恵とは?
これらポリフェノールには、活性酸素(ROS)を除去する力=抗酸化作用がある。
私たちの体内でも、代謝やストレスによって生じる活性酸素は老化・動脈硬化・がんなどの原因になりうるが、
ポリフェノールはこれを中和し、細胞の酸化損傷を防ぐ“分子の盾”となるのだ。
また、近年では腸内細菌による代謝を経て活性化するポリフェノールも多く、腸内環境との相互作用も注目されている。
■ ただし、“摂れば摂るほど良い”わけではない
ここに落とし穴がある。
ポリフェノールは強い抗酸化物質であるが、摂取量が過剰になると、逆に“酸化”作用に転じる可能性がある(いわゆる“プロオキシダント効果”)。
また、ポリフェノールは腸内細菌の存在によって初めて活性代謝物となるものも多い。
つまり、腸内環境が悪ければ、どれだけ赤ワインを飲んでも意味がない可能性があるのだ。
■ “リンゴが変色する”のも、ポリフェノールのせい?
最後に身近な例を──
切ったリンゴが茶色く変色するのは、含まれるポリフェノールがポリフェノールオキシダーゼ(PPO)という酵素により酸化され、「キノン」という中間物質を経て褐色物質へ変化するからだ。
それはまさに、ポリフェノールの酸化という本能的な反応なのだ。
結語──ポリフェノールは“動かない命の叡智”
植物は動けない。
だからこそ、彼らは化学的な知恵=ポリフェノールを発展させ、環境ストレスに立ち向かってきた。
【新国際学会周遊記──“わからなさ”の時代に、人間はどうあるべきか】
関係者各位──
どうやら、我々は無事ではいられなくなったようです。
AI──その進化は、もはや「洒落にならない」地点を超えてしまったのです。
昨日配信されたポッドキャストで、OpenAIのサム・アルトマンは、静かに、しかし深く揺さぶる言葉を口にしました。
「GPT-5は、ほとんどすべての面で僕たちより賢い」
この一言に込められていたのは、単なる技術者の驚きではありません。
それは、人間という存在そのものへの問い直しであり、“知る”という営みの根底が、足元から揺さぶられていることへの直観でした。
専門分野の問いにも瞬時に正答を返すAIを前にして、アルトマンは「椅子に深く座り込み、天井を見上げていた」と語りました。
僕自身でも、この世に生を受けてから早くも六十年弱。取得した博士号4つ。より高度な思考をするために常に学んできましたが、あっさりAIに抜かれる時が遂に来たということです。
その姿には、テクノロジーの進化が人間の内面に及ぼす、静かなる激震が凝縮されていたのです。
しかしながら、一方で全ての人は、この体力無限大、文句も言わないハーバード博士レベルの秘書を、月に数万円という格安な料金で雇えるようになったのです。
僕の著書「AI時代の新勉強法」にも書きましたが、人間に求められる能力が抜本的に変わる時代が来るのです。

■ 縁起とは、ネットワークである
このとき、私の頭にふと浮かんだのは、釈迦の洞察でした。
釈迦は説きました。
「この世に、単独で成り立つものは何ひとつない」
すべては互いに依存し、因と縁によって生じ、また消えていく──それが仏教の根本思想、「縁起」です。
現代の言葉で言い換えるなら、こうなるでしょう:
「この世界は、無限に絡み合った因果のネットワークである」
まさにそれは、AIが構築するディープラーニングのニューラルネットワークそのものです。
自己完結した実体(Self-contained entity)は存在せず、あるノードは別のノードとの関係性の中でしか意味を持たない。
アルトマンが語った「誰も全体像を把握していない」という感覚──それは、人類がこの“縁起の網”に呑み込まれつつあることの静かな自覚なのかもしれません。
■ 無明とは、制御不能な世界への直観
仏教の中心概念のひとつ、「無明(avidyā)」は、単なる“無知”ではありません。
それは、「世界の構造を誤って捉えていること」を意味します。
私たちはつい信じたくなるのです──
「誰かが世界をコントロールしている」
「すべてには意味があり、説明できる」と。
けれどそれこそが、「明るく見えている世界の罠」なのです。
制御幻想(control illusion)。それが今、AIの進化によって剥がされつつあります。
「人間中心」「理性による制御」「因果の単純化」──
そうした近代の光は、今やAIの圧倒的な処理能力の前に、かえって影を落とすようになりました。
そして我々が立ちすくむ先に広がるのが、無明の地平=“問いの荒野”なのです。
■ 悟りとは、すべてを理解することではない
多くの人が誤解していますが、仏教における「悟り」とは、すべてを知り尽くすことではありません。
むしろそれは──
「理解し得ない構造そのものを、理解すること」
「“わからなさ”を、静かに受け容れること」
なのです。
この意味において、アルトマンの「もうわからない」という言葉は、敗北ではなく、近代的知の終焉と、人間的知の再生を象徴する響きを持っています。
いかにGPT-5の演算が正確であろうと、
「なぜその問いを立てたのか」までは、AIにはわかりません。
問いを立てるとは、
「なぜ生きるのか」「なぜ苦しむのか」「なぜ死ぬのか」といった、存在論的飢餓を抱える者だけに許された営みだからです。
それは、人間だけに与えられた特権ではなく、業(ごう)としての宿命なのかもしれません。
AIが世界を“知る”ようになったとき、我々は“問いを生きる”存在として、再び歩き出す。
その道は遠く、果てがない。
しかし、無明のなかに問いを抱きながら進むその歩みこそが、真に人間的な知の形なのです。
──そしてその地点こそが、人間に残された最後の聖域。
名づけるなら、“問いの荒野”なのかもしれませんね。
Amarone Della valpolicella の変遷



【新国際学会周遊記──メソセラピー、水光注射は“本当に効いている”のか?】
美容医療における「メソセラピー」や「水光注射」。
肌再生や美白、小ジワ改善などを謳い、現在でも人気の高い施術ですが──
実際には、どこに注入された薬剤が分布し、どのように作用しているのか?
疑問じゃないですか?
僕も経皮ドラッグデリバリーで薬学博士を取った専門家です。
本稿ではこの問いに、分子薬理学と組織解剖学の視点から迫ってみたいと思います。

◉「効いていないのでは?」という疑問
まず、この手の注射療法に批判的な意見としてしばしば挙げられるのが、
1注入した薬剤が細胞内に入っていないのでは?
2せいぜい間質液(サードスペース)にとどまっているだけではないか?
3仮に細胞内に取り込まれたとしても、標的レセプターに届いていないのでは?
──という三段論法です。
では、実際にはどうなのでしょうか?
⸻
◉【第一段階】細胞内に本当に届くのか?
水光注射は、一般に真皮浅層〜中層に微量の薬剤を多点注入する手法です。
しかし、細胞膜は脂質二重層であり、水溶性分子や大きな分子(例:ヒアルロン酸やペプチド)は単純拡散では細胞内へ入れません。
したがって、以下のいずれかが必要になります:
1. エンドサイトーシス(細胞貪食)
2. トランスポーターによる能動輸送
3. 一部ナノカプセル化(リポソーム等)による導入
多くの製剤はここまで設計されていないため、大部分は間質液中にとどまると考えられます。
◉【第二段階】サードスペースの問題
薬剤がサードスペース(=細胞外液の一部であり、血管外・細胞外の空間)に存在する場合、以下の作用が期待されます:
• 線維芽細胞の表面に存在する受容体(例:TGF-β受容体、FGF受容体など)に結合
• そこからパラクライン(傍分泌)機構で周囲の細胞に作用
つまり、細胞内には入っていなくとも、細胞表面レセプターに届けば作用可能というのが真皮内投与の利点です。
ただし、逆に言えば、
レセプターの選択性を考慮しない雑多な成分の混合注入は、生理活性を持たないことが多い
──ということでもあります。
◉【第三段階】“入ったとしても”レセプターに届くか?
これは薬理学でいうところの「ターゲティング」の問題です。
薬剤が分布しても、
標的細胞の表面に存在するレセプターに届いて初めて作用が始まる。
しかし多くの水光注射製剤は、分子量が大きく、拡散しにくいため、
濃度勾配を作っても、表皮や脂肪層への拡散が乏しい
期待する細胞(例えば線維芽細胞)に届いていない可能性
が大いにあるわけです。
◉まとめ:効いている条件とは?
したがって、メソセラピー・水光注射が「本当に効く」ためには以下が必要です:
1. 適切なターゲット分子に作用する薬剤設計(リガンド設計)
2. 適切な層(真皮中層など)への正確な注入
3. 薬剤の安定性と拡散性
4. 標的レセプターの発現が局所に存在すること
これらがそろっていなければ、「やった感」だけが先行し、実際には効果が乏しいというケースも多々あるのが現実です。
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◉エビデンス
• Zhang L. et al.: Transdermal delivery of cosmetic ingredients: A review. J Cosmet Dermatol. 2020;19(2):313-321.
• Pavicic T. et al.: Efficacy of a hyaluronic acid-based mesotherapy product: A randomized, controlled study. J Drugs Dermatol. 2011;10(9):990-996.
• Luebberding S. et al.: Influence of injection techniques on dermal filler outcomes. Dermatol Surg. 2015;41 Suppl 1:S102–S112.
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必要以上に懐疑的になる必要はないものの、「効くか効かないか」以前に、「どこに何が入って、どんな反応が期待されるか?」という薬理生理学の視点は、美容医療でも欠かせない。
──そう痛感するのです。