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【新国際学会周遊記──人を動かし、育てる7つの力】

【新国際学会周遊記──人を動かし、育てる7つの力】

昨夜YouTubeでオーディション番組が流れていた。僕が観たのはほんの3分くらいだったが、ボーカルトレーニングの先生がそこで良い話をしていた。

プロになり、第一線で活躍するのに大事なことは、謙虚、素直、ストイックであることだと。

全くもって同感である。

「この人はなぜ成果を出し続けられるのか?」

時に学会を巡り多くの研究者に接し、また時に経営の場で経営者と接するうちに、成果を出す人に共通する7つの力があることがわかってきた。

1. 謙虚(Humility)
自分の限界を知り、他者から学び続ける姿勢。驕らず耳を傾けることで、新しい知見や人脈が自然と集まってくる。

2. 素直(Openness)
アドバイスやフィードバックを感情的に拒まず、まず受け止める柔軟さ。受け入れた上で自分なりに消化し、次の行動に生かす力。

3. やり抜く力(Grit)
困難や停滞に直面しても、長期的な目標に向かって努力を続ける精神力。短期的な成果や感情に左右されず、地道に積み重ねる。

4. 好奇心(Curiosity)
未知のものに対して「なぜ?」を問い続ける姿勢。新しいテーマや人との出会いが、思わぬ成果や発見を生む。

5. 適応力(Adaptability)
状況の変化や予期せぬ出来事に柔軟に対応する力。計画が崩れても、別の道を見つけ前に進むしなやかさ。

6. 共感力(Empathy)
相手の立場や感情を理解し、寄り添う力。文化や価値観が異なる場でも、信頼を築く土台となる。

7. 批判的思考(Critical Thinking)
物事を鵜呑みにせず、背景や根拠を確認する姿勢。情報の真偽を見極め、より確かな判断につなげる。

7つの力が生む循環

この7つの力は、それぞれ独立して存在するのではなく、相互に作用し合って大きな成果を生み出す。

謙虚さが学びの土壌をつくり、素直さが新しい種を受け入れ、やり抜く力が芽を育てる。

好奇心が光を与え、適応力が風から守り、共感力が水を注ぎ、批判的思考が雑草を取り除く。

国や文化の違いを越えて信頼を築く人は、この循環を自然に回している。

だから僕は、羽田や成田から飛び立つ飛行機の中でいつも思う。

「次に会う誰かにとって、良い刺激を与えられる自分であろう」と。

そして、そのために今日も学び続ける。──これが僕にとっての旅の醍醐味だ。


【新国際学会周遊記──蓮華の教え】

【新国際学会周遊記──蓮華の教え】

蓮(はす)の花が、なぜ仏教でこれほど象徴的に用いられるのか──ご存じでしょうか。

僕が真言宗で得度した年、全くの偶然から、仏教誕生の地インド・ブッダガヤを訪れる機会がありました。

そこで僧侶から聞いたのは、「蓮は美しいからではなく、その生態と成長の特性が仏教の核心と深く響き合っている」という話でした。

① 泥中に咲く清浄の花

蓮は池や沼の泥水に根を張りながらも、その花は泥に染まらず、清らかな姿で水面に咲きます。
仏教では、この姿を「煩悩に満ちた世間(=泥)にあっても、心を清らかに保ち悟りを開く人」に重ねます。
『法華経』や『華厳経』にも繰り返し登場する比喩であり、東アジアの仏教美術や文学に深く根づきました。
「蓮は泥より出でて泥に染まらず」(『蓮華経』解釈)

② 仏の台座「蓮華座」

仏像や仏画で、仏が蓮の花の上に座す姿は珍しくありません。これを「蓮華座」と呼び、
「迷いの世界を超えて悟りの境地に立つ」ことを象徴します。

③ 花と実が同時にある「因果同時」

蓮は花が開くとほぼ同時に果実(蓮子)を宿します。
この性質を仏教は「因果同時」──原因と結果が同時に存在する真理──の象徴とみなし、『法華経』では重要な譬えとして説かれます。

④ 浄土信仰と蓮華化生

浄土教では『阿弥陀経』に「極楽浄土の池には七宝の蓮華が咲く」とあり、往生した者は蓮の中から生まれる(蓮華化生)と説かれます。そのため浄土宗・浄土真宗の寺院や墓碑には蓮の文様が多用されます。

⑤ 色と意味の暗号

仏教では蓮の色に意味が託されます。
白蓮:純粋・精神性
紅蓮:慈悲
青蓮:智慧
紫蓮:神秘・信仰の深まり

科学が証明した「悟りの種」

そして現代科学も、蓮の象徴性を裏付ける出来事に出会いました。

1995年、米国UCLAのジェーン・シェン=ミラー博士らの研究チームが、中国・黒龍江省の泥炭層から発掘された推定1,288年(±272年)前の蓮の種を発芽させたのです(Nature, 1995, 378: 60–63)。

千年以上泥の中で眠っていた種は、光と水に触れるや、現代の蓮と変わらぬ花を咲かせました。

仏教的に見れば、これはまさに「悟りの種」の譬え──たとえ千年の闇に埋もれても、縁が熟せば必ず花開く。

縁起と因果同時の真理を、自然が自ら証明してみせた瞬間です。

泥の匂い、朝日に透ける花弁、風に揺れる細い茎。

蓮の生き方そのものが、仏教の説く「この世の苦しみの中でこそ花は咲く」という逆説を体現しています。

インドの河畔で見たあの一輪も、黒龍江省の泥炭層から蘇った千年蓮も、きっと数千年前から同じように咲き続け、旅人に無言の教えを手渡してきたのでしょう。


ファミリーマートのワイン

僕はコンビニをあまり使わない人なのですが、ワイン友達の間で美味しいと話題になっているファミリーマートのワイン見つけました。

税込1000円ちょっと。

イベリア半島の黒ブドウ種のテンプラニーリョは豊かな果実味とバランスの良い酸味、程良いタンニンを持つ。

5年以上の樽熟成を経て出荷させるレゼルヴァ。

余れば料理に混ぜればいいし、ハウスワインにはちょうどいいですね。


【新国際学会周遊記──科学と文化をまとった薔薇】

【新国際学会周遊記──科学と文化をまとった薔薇】

昨日は、経営者仲間の集まりに参加しました。

虎ノ門ヒルズの会場は、窓の外には東京タワーの夜景が広がる、日本一素敵な社員食堂との事でしたが、本当に素晴らしい。

席についてほどなく、自己紹介の流れである社長がこう話し始めました。

「うちは食用薔薇の商材を扱っていまして……」

その瞬間、僕の中である記憶が鮮やかによみがえりました。

以前に僕の著作を担当してくれた編集者さんが、薔薇の持つ魅力と効能について、打ち合わせのたびに熱く語っていたのです。

彼女はよく、「薔薇は香りと色彩の中に、科学と文化が同居している稀有な植物なんです」と言っていました。

男女問わず、豪華な薔薇をもらって喜ばない人はいないでしょう。

目に映る花弁の重なり、指先に触れる繊細な質感、そしてふと鼻腔を満たす甘く深い香り。

そのすべてが人の感覚を静かに、しかし確実に揺らします。

そしてこの「揺らぎ」には、明確な科学的理由があります。

■ 嗅覚が脳を動かす仕組み

香りは五感の中でも特別な位置を占めています。
視覚や聴覚は必ず大脳皮質を経由して情報処理されますが、嗅覚は異なります。
鼻腔の奥にある嗅上皮からの信号は、直接大脳辺縁系──特に扁桃体や海馬──に届きます。

これは感情や記憶を司る領域であり、香りをかいだ瞬間に懐かしさや安堵感がよみがえるのは、この直結構造のおかげです。
薔薇の香りには、ゲラニオール、シトロネロール、ネロールなどの芳香成分が含まれています。

これらは脳波のα波を増やし、副交感神経を優位に導きます。
ストレスで高まった心拍や呼吸を落ち着かせ、全身をリラックス状態へと誘うのです。

さらに、嗅覚刺激は視床下部を経由してホルモン分泌にも影響し、女性ホルモンのバランスを緩やかに整えることが知られています。
そのため、月経前の不安感や更年期の揺らぎに悩む女性にとって、薔薇の香りはまさに「香る処方箋」とも言える存在です。

■ 花色が教える成分のサイン

薔薇のもう一つの魅力は、視覚を通して伝わる色彩のメッセージです。
科学的に見れば、花の色は含まれる色素とポリフェノールの組成を示す“生化学的サイン”です。

濃紅・深紅の薔薇
アントシアニン(シアニジン、ペラルゴニジン)が豊富で、強い抗酸化力を持ちます。細胞を酸化から守り、毛細血管を健やかに保ち、肌の赤みやむくみの軽減にもつながります。

淡いピンクや白の薔薇
フラボノイド(ケルセチン、カンフェロール)が主体で、美白作用や抗炎症作用が特徴です。肌の色調を均一にし、紫外線や環境ストレスによる炎症を和らげます。

黄色の薔薇
カロテノイド(ルテイン、ゼアキサンチン)が多く、特に眼の黄斑部を光ストレスから守ります。スマートフォンやPCを日常的に使う現代人にとって、目の健康維持に貢献します。

つまり、花色は単なる装飾ではなく、体に与える恩恵を暗示する“天然のラベル”なのです。

■ 食用としての歴史と多様な形

薔薇は観賞用の花としてだけでなく、古くから食用としても世界中で愛されてきました。
ペルシャやトルコではローズウォーターが日常生活に溶け込み、デザートや飲料、医療用として広く利用されてきました。
ヨーロッパではジャムやシロップに加工され、甘味と香りを楽しむと同時に、抗酸化成分を摂取する手段としても親しまれました。
現代でも、食用薔薇は様々な形で私たちの食卓に彩りを添えます。
乾燥花弁を使ったローズティーは、穏やかに心を落ち着け、消化を助ける効果があります。
砂糖漬けやドライフラワーは、ケーキやチョコレートの装飾に添えるだけで、特別な一皿へと変えてくれます。
ローズシロップやローズジャムは、トーストやヨーグルトに加えるだけで香りと健康効果を楽しめます。

■ 文化が作る香りの意味

科学が成分や作用を解き明かす一方で、文化は香りに物語を与えてきました。
ヨーロッパでは「愛の花」として、プロポーズや記念日に欠かせない存在。
その象徴性は中世から現代に至るまで受け継がれています。

一方、中東では「医の花」として、香料や薬としての歴史が深く、ローズウォーターは胃腸の薬にも鎮静剤にもなりました。
香りは、土地ごとに異なる意味を持ちながらも、人の感情と身体に寄り添うという点で共通しています。
一輪の薔薇は、時に愛を伝えるメッセージであり、時に癒しの処方であり、そして時に人生の節目を飾る象徴なのです。

■ 科学と文化が重なり合う瞬間

薔薇は単なる装飾品でも贅沢品でもありません。
それは、感覚と科学、文化と歴史を同時に運ぶ「生きたメッセージ」なのです。
一輪の薔薇に触れるとき、私たちは無意識のうちに、その深い背景すべてを受け取っている。それらすべての背景には、何世紀もかけて築かれた文化の物語があります。

■ 不可能と言われた青い薔薇

そして、薔薇の歴史において、もうひとつ忘れてはならないエピソードがあります。
それは「青い薔薇」の誕生です。一般的に自然界の植物の花の色が、三原色を全て揃える品種はないとされています。
自然界の薔薇には、本物の青色を発色するための遺伝子──デルフィニジン合成遺伝子──が存在しません。
そのため、青い薔薇は「存在しない花」とされ、長く“夢”や“不可能”の象徴でした。花言葉も「不可能」「叶わぬ願い」だったほどです。

しかし2004年、日本のサントリーとオーストラリアのバイオ企業が共同で、バイオテクノロジーを駆使してデルフィニジンを合成する遺伝子をペチュニアから導入し、ついに青色の色素を持つ薔薇の作出に成功しました。

この技術は、花色を司るアントシアニン合成経路を分子レベルで解析し、必要な酵素を他種から組み込むという高度なものでした。
もちろん、自然の空のような鮮やかなブルーではなく、やや紫を帯びた淡い青色でしたが、それでも「不可能」を「可能」に変えた瞬間でした。

そして、花言葉も「夢 かなう」へと変わり、科学が文化の象徴までも塗り替えた事例となったのです。

終わりに
もう30年近く前になりますが、僕は今でもメンターとして尊敬する経営者に、「藤本、お前は華やかに生きろ」と言われた事があります。人生で幾つか選択肢を与えられた時には、より華やかな方を選ぶ様にしてきました。

思えば「華やかに」という言葉は、そのまま「薔薇の似合う」に差し替えても良いぐらい意味が合致しますね。今後も華やかに生きようと思います。笑


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