日本の企業の展示もあります。



藤本幸弘オフィシャルブログ
日本の企業の展示もあります。



無事に一つ目の講演終えましたが、言われていた持ち時間が前半の進行遅れで急に短くなったりと、最後はほぼスキップ。不完全燃焼ですね。次のランチョン頑張ります。




新国際学会周遊記──BeautyとAestheticの間を旅する
学会シーズンになると、同じ「美」をテーマにしたセッションでも、欧米とアジアでは微妙に用語の使い分けが異なることに気づかされます。
特に「Beauty」と「Aesthetic」。
一見すると同じ「美」に見えるのに、その背後には文化の違い、学問の違い、そして人間観の違いが潜んでいます。

◆Beauty──鏡に映る日常の美
「Beauty」という言葉は、私たちが日常的に接する美の感覚をそのまま表しています。
朝、鏡に映る自分の肌の艶。
街を歩くときにふと気になるヘアスタイル。
そして、夕暮れの富士山を見上げたときの感動。
ここでのBeautyは、主観的で感覚的。文化や時代によって大きく変わり得る柔らかい概念です。美容業界で言えば、メイクアップやスキンケア、ファッションの領域。いわば「生活と共にある美」です。
◆Aesthetic──哲学と医療の中の美
一方で「Aesthetic」は、より体系化された「美」の概念です。語源はギリシャ語 aisthesis(知覚)。カントの『判断力批判』(1781)以来、哲学としての美学がここから発展しました。
現代においては、「Aesthetic medicine」という言葉がよく使われます。これはレーザー治療やボトックス注射、フェイシャルリフトなど、「審美的改善を目的とする医療行為」を意味します。Beautyが日常の化粧品や髪型の工夫であれば、Aestheticは専門家の手による医療的な介入。
つまり「美の学問化」と「美の実践化」という二つの側面を持っているのです。
◆交差する地点
興味深いのは、この二つの領域が時に交わり、補完し合うことです。
たとえば、日常のBeautyを支えるスキンケアは、最新のAesthetic医学の知見──皮膚科学や光治療の研究──から大きな恩恵を受けています。逆に、Aestheticの医療現場においても、「自然で健康的に見えること」、つまり日常のBeauty感覚が最終目標になるのです。
結び
「Beauty」と「Aesthetic」。
この二つの言葉は、まるで表参道のカフェとパリのサロンのように、同じ「美」の街にありながら、異なる役割を果たしているように思えます。
旅人としての私は、今日も学会のセッションでその違いを観察しながら、
「美とは何か」
「人はなぜ美を求めるのか」
という問いに思いを巡らせています。
さてバンコクのアンチエイジング学会で講演です。

新国際学会周遊記──日本復活のシナリオ
アジアの街を歩くと、熱気が肌に刺さるように伝わってきます。バンコクの高架鉄道の下、屋台に群がる若者たちの笑顔。渋滞の中でも響くバイクのクラクションのリズム。そして何より国民がハングリー。そのどれもが、人口ボーナスを享受する新興国のエネルギーを象徴しています。
では、日本は衰退の道を歩むだけなのか。
むしろ「成熟社会」という舞台を得た日本には、次のような復活のシナリオもあるとは思うのです。
① 医療・健康立国への転換
高齢化は弱点ではなく、先進国が必ず通る道です。
日本はすでに「健康寿命延伸」の研究や技術で世界をリードしています。
予防医療の輸出:生活習慣病の管理やアンチエイジング医学。
ロボティクス介護:労働力不足を補いながら生活の質を高める。
食と長寿:和食の科学的裏付けを世界標準に。
実際、「日本の健康長寿モデル」に関する研究は欧米でも盛んに引用されています
② テクノロジーと文化の融合
かつてウォークマンが世界を変えたように、日本は「技術と文化をかけ合わせる力」に強みを持ちます。
半導体・素材科学に裏打ちされた製造業
アニメやゲームといった文化資源
これらをAIやWeb3時代のプラットフォームに載せれば、新しい成長物語が描ける
韓国がK-POPを輸出産業にしたように、日本も「テクノロジー×カルチャー」の輸出立国へ。
③ 観光・多文化共生国家
円安は痛みである一方、観光にとっては追い風です。
世界遺産や自然景観
医療ツーリズム(温泉+再生医療+食養生)
サブカルチャー聖地巡礼
観光は実質的に「準輸出」であり、GDPの柱になりうるのです。実際、2024年には訪日観光客数が過去最高の3,687万人に達しました。
④ 教育とイノベーションの再設計
最後に必要なのは人材です。
若者の海外留学支援
社会人のリスキリング
研究者と起業家の流動性を高める仕組み
「終身雇用」と「年功序列」が守った安定は、いまや変革の足かせ。これを解き放てるかどうかが、日本復活の鍵になるでしょう。
⑤ 歴史教育の再構築
「自虐史観」を超え、日本の歴史を多面的に学び直す。
国際的な視座と日本に誇りを持った若者を育て、未来を描く自信を取り戻す。
⑥ 政治と政策の刷新
少子高齢化や財政難を前に、硬直化した政治構造を改革する。
政策の質を高め、若者世代に希望を与える国家戦略へと転換する。
終わりに
経済成長率だけを見れば、日本はアジアの「老いた巨象」に見えるかもしれません。
しかし、老象には老象の役割がある。すなわち「成熟社会の実験台」として世界に新しいモデルを示すことです。
もし日本が健康・文化・テクノロジーを掛け合わせ、教育で人材を育て直すことができれば──。
再びアジアの中で、独自の光を放つ存在となるはずです。




