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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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お盆明け、夏の紫外線 皮膚へのダメージ

おはようございます。

お盆は皆さんどのようにお過ごしになりましたか?

僕は久しぶりにこの季節を日本で過ごし、まとまった時間を使って工学部大学院のレーザーの研究を進めたり、お墓参りなどに行ってきました。

夏休みで少し陽に焼けましたので、今日は早めに出勤し、自分でも肌の炎症を抑えるクーリングの施術もしようと思っています。

夏のうちに浴びた強い紫外線は、肌の下で多くのラジカル(活性酸素・過酸化脂質)を生み出します。

鐵(鉄)は熱いうちに打てと言いますが、これらの炎症は後々まで影響しますので、早めの対応が必要です。

クリニックFは、お盆期間中はスタッフの電話対応のみとさせていただきましたが、本日8月17日より通常診療に戻ります。

今日の予約表を見ると朝晩は患者さんで一杯のようですが、昼過ぎに少し空きがあるようです。

ご予定が合うようでしたら03-3221-6461にお電話くださいね。


2011年のコントロバーシーズは欠席します!

僕がレーザーの業界に入って以来、ほとんど欠かさずに出席してきた学会があります。

それは、

Controversies & Conversations in Laser and Cosmetic Surgery An Advanced Symposium。

ハーバード大学メディカルスクールやMassachusetts General Hospital(MGH)の出身者で開催される、レーザー医療について本音で語り合う会として多くの参加者を集めている学会で、通称「ハーバード・コントロバーシーズ」と呼ばれていたものでした。

毎年夏のお盆にかけての開催なので、僕はこの学会に出席するために、ここ5年以上お盆休みを取っていませんでした。

今年は、The Grove Park Inn Resort & Spa Asheville, ノースカロライナ州で8月12 – 14日に開催されます。クリニックでも例年通り、この時期を休診日に充てていました。

ですが、今年は学会参加をぎりぎりまで迷って、結局参加しないことにしたのです。

思えばこの学会で興味深い講演がされていたのは2007年から2009年ぐらい。

レーザーを使う医師のみが集まって、レーザー会社のマーケティング部隊が作成するいわゆる企業寄りのプレゼンテーションから離れて、身内の医師だけでレーザー機器に対して本音を語り合おうという趣旨の、いわば「レーザー治療医師の同窓会」といった趣が非常に強かったんですよね。

参加者すべての電子メールを配布し、学会終了後もさまざまなディスカッションが行われるとても良い会でした。

そのうち、レーザー会社の社長や、技術担当者なども列席するようになり、あまり本音が語れなくなってきました。

昨年と一昨年とで全く同じ内容のプレゼンを出すプレゼンターもいたりして、明らかに質の低下が感じられると、ドクターの間でもあまり評判がよくなかったのですが

今年はノースカロライナという地の利の悪さと、友人知人で例年参加していた人たちが行かないと決めた様なので、僕も参加を見送ることにしました。

この学会に代わって、隔年で9月に南仏で開催され、今年はカンヌで第2回目が開催される

5大陸レーザーコングレス(5 Continental Congress (5CC)) や

ハーバードメディカルスクールで毎年10月に開催されるレーザー講義

Laser&Aesthetic Skin Therapy:What’s the Truth?

・・・などが今後はこの学会に代わるような気がしています。

Decade(10年)の単位で考えると、勢いのある学会は、代わってゆきますね。


コンプレッション フラクショナルレーザー機器の登場

この夏にクリニックFで購入したレーザー機器に、パロマ社のスターラックスがあります。

この機器を購入した理由の一つが、本年話題の「コンプレッション フラクショナルレーザー機器」を使用してみたかったというのがあります。

昨日のブログでも述べましたが、フラクショナルレーザー機器の最も大きな違いは、波長にあります。

波長の次に効果の違いに関わってくるファクターは、照射方法です。

フラクセルの様にスキャナを使用する機器。

サイノシュア社アファームMPXやパロマ社のLux1540のように、スタンピングを使用する機器。

フラクショナルレーザー機器が登場した2004年より、この二つが主流でしたが、昨年ぐらいから、もう一つの新しい照射方法が加わりました。

それが、コンプレッション スタンピングを使用するLux1540XD(eXtra Deep)です。

子の下の写真で、右手のガラスのプリズムが見えるヘッドがXDですが、手前の15mm径 奥の10mm径の他のLux1540のヘッドと違うことがわかりますか?

コンプレッションとは文字通り、組織を圧縮すること。

プリズムを押し当てると皮膚は物理的に引き延ばされ、その引き延ばされた状態で、レーザーを照射するのです。

皮膚を吸引したり圧排したりしながらレーザーを照射することは、非常にメリットがあるといわれており、この仕組みを使用した機器はソルタメディカル社のニキビ治療器であるアイソレイズをはじめ、これまでも多機種の発表がありましたが、フラクショナルレーザー系はこのパロマ社が初めて。

そもそもパロマ社はフラクショナルレーザー機器のパテント(特許)をもった会社ですので、こういった新しい技術に対しては技術開発が進んでいます。

皮膚を引き伸ばしてレーザーを照射するとメリットがありますが、その性質を列挙すると

1.レーザー光を吸収してしまう水分やヘモグロビン成分を圧排できる。

2.物理的に組織を厚さを薄くして、標的組織への距離を近づけることができる。

3.クーリングデバイスを当てることで、やけどをおこしやすいとされる表皮真皮接合部(D/Ejunction)と真皮乳頭層への熱刺激を減らすことができるので安全な施術が可能。

4.圧縮することで皮下の深い部分のコラーゲン構造を平坦化し、熱効率を上げる。

ということになります。

最近の研究では、コンプレッション スタンピングを利用することで

1.表皮真皮接合部のやけどを15-30%減少させ。

2.レーザー深達度を20-50%も深める。

ことがわかっています。

以前に僕は、ニキビ跡分類によって使用フラクショナル機器を選ぶというブログをかいた記憶があるのですが、このコンプレッション フラクショナルレーザーLux1540XDは、深いボックスカー型とアイスピック型のニキビ跡に対して効果を発揮すると考えています。

また、米国ではコンプレッション フラクショナルレーザーLux1540XDは、前額部(おでこ)のシワに対して、ボトックスに変わる治療になり得るという報告もなされていますので、アジア人に対しても臨床実験を重ねてゆきたいと思っています。

レーザー機器は常に進歩を続けてゆきますね。

 


フラクショナルレーザーと波長とニキビ跡治療の関連性

暑いですね。

今日もクリニックFの診療日です。

昨日は、メラニン色素とヘモグロビンがどの波長によって反応するかの話をしましたので、今日はもう少し波長の長い近赤外線の光が皮膚にどのような反応をおこすか、ふれてみたいとおもいます。

昨日のメラニンの話は400nm~1000nmの波長の話。

今日の話はフラクショナルレーザー機器に用いられる1000nmから10000nmの波長の話です。

このバンドの波長は、水の吸収率によって性質が変化します。

たとえばCO2レーザーの波長、10600nmの吸収率を1000とすると

2940nmのエルビウムヤグの波長は12500

1540nmの波長は10

1064nmのNd:YAGの波長は0.13という性質があります。

吸収率が大きければ大きいほど、浅いところの水に吸収されるので、浅い部位の治療に適しており、

逆に吸収率が小さければ、あまり水に吸収されないので、深いところまで光が深達するということになります。

この波長の選択が、光線深達度とコラーゲンの再変性に関わっており、この下のグラフの閾値のパワーが、皮下0.25mmの深さのコラーゲンの変性を行うのに必要なパワーとなります。

この波長の特性は特にニキビ跡治療において、非常に大切です。

上図の通り、1440nmと1540nmと、わずか100nmの波長の違いが、治療効果を大きく変えるのです。

僕は、ニキビ跡治療を行うためには、複数のフラクショナルレーザーの併用療法が必須だとこのブログでも述べていますが、一台のフラクショナル機器で治療が完成しないのは、波長の特性という問題があるのです。

これらの話を踏まえて、次のブログでは最新フラクショナルレーザー技術についての話をしたいと思います。

 


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