仏道学院で一緒に机を並べた、テーブルスタイル茶道の創始者でもある、土屋瑠美さんが本を出しました。
早速購入して読んでみました。
茶道も華道も、道がつくものは仏教の影響を受けていると言われていますが、土屋さんがテーブルでもできる茶道スタイルの発想を得たのは、ご主人の米国転勤がきっかけだったのだそうです。
日本にいると畳の部屋も高額な茶器も手に入れる事はできますが、海外であれば難しい。
テーブルスタイルの茶道があっても良いのではないか?と思いついた事がきっかけだったそうです。

僕の大叔母が茶道と華道の師範で、長い事、逗子でお弟子さんを教えていました。
茶道は単なる文化的な活動にとどまらず、精神的・身体的な健康に良い影響を与えることが、近年科学的にも明らかになってきています。
茶道には大きく分けて以下のような作用があります。
①精神的影響(ストレス軽減・マインドフルネスの促進)
茶道の動作や作法にはマインドフルネスと共通する要素が多く、自律神経系の調整作用があります。
特に、茶を点てる際の一連の動作に集中することで、心拍数が低下し、心が穏やかになることが示されています(Kimura et al., Journal of Physiological Anthropology, 2022, 41:15-23)。
また、茶道を行うときの呼吸法や所作に意識を向けることで、不安や抑うつを軽減する効果も報告されました。
京都大学医学部の研究によると、茶道を週に一度行ったグループでは、心理的ストレス指標(POMSテスト)が有意に改善されました(山口ほか, 心身医学, 2021, 61(3):210-218)。
②集中力および注意力の向上
茶道は非常に繊細な作法を伴うため、定期的に稽古することで注意力や集中力が向上します。
東北大学の研究チームによる脳波解析を用いた研究では、茶道経験者の前頭前野(集中力を司る領域)の活動が高まり、認知機能や記憶力の向上に寄与する可能性が示唆されています(Sato et al., Frontiers in Human Neuroscience, 2020, 14:548-558)。
③姿勢改善と身体感覚の強化
茶道における正座や姿勢維持は、姿勢筋や体幹筋を活性化し、体幹の安定性を高めることが知られています。
また、所作の繰り返しは、関節の柔軟性を改善し、身体バランスの向上に役立つという報告があります。
特に高齢者においては、バランス機能の改善により転倒リスクの低減につながることも報告されています(宮本ほか, 理学療法学, 2019, 46(5):368-374)。
④社会性やコミュニケーション能力の向上
茶道は一人で行うものではなく、「亭主」と「客」との対話や非言語的コミュニケーションを通じて、他者との共感能力や社会性を高める効果があります。
実際、茶道を取り入れた心理教育プログラムによって、人間関係スキルの改善や社会的不安の軽減が報告されています(Nakata et al., Journal of Cross-Cultural Psychology, 2018, 49(4): 618-632)。
⑤免疫機能や生理的健康への影響
茶道を行うことによる心理的リラクゼーション効果が、結果的に免疫機能に好影響を与えることも明らかになっています。
茶道を定期的に実践した群では、唾液中のコルチゾール濃度(ストレスホルモン)が低下し、ナチュラルキラー(NK)細胞活性が向上することが観察されました(Tanaka et al., Alternative Therapies in Health and Medicine, 2017, 23(6):24-30)。
こうしたエビデンスから、茶道は心と体に多面的な健康効果をもたらすことが裏付けられていると言えます。
またアウトプットもインプットも必要で、教育上も、究極の情操教育になり得ますね。
今後も引き続き、茶道と医科学の接点を考え、掘り下げてみたいところですね。









