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【新国際学会周遊記──なぜ手を繋ぐと不安や痛みが楽になるのか?】

【新国際学会周遊記──なぜ手を繋ぐと不安や痛みが楽になるのか?】

ヘリコプターを操縦すると、緊張からなのか、翌日から肩がぱんぱんになって痛みを感じます。数時間も平気でヘリコプター操縦出来るの、藤本さんぐらいですよと昨日の副パイロットさんに言われましたが、僕は手術とかもやってましたし、集中力は全く問題なく続けられるんですが、やっぱり50代半ばも超えると身体は騙せないんですね。笑。

そんな感じで、朝起きてテレビをつけて、チコちゃんの番組を観ていたら、

「人はなぜ手を繋ぐのか?」

という謎解きをしていました。

理由としては、「不安や痛みを解消することができるから」。

だったのですが、僕の最初の研究対象は痛みでしたし、1999年に最初に書いた自律神経の英文論文も体性感覚刺激でしたので、この機序。よくわかります。

番組で引用されていたスタンフォード大学の英文論文も、数個のキーワードですぐ原文を見つけられました。良い時代になったものです。
人間の皮膚感覚は、進化の過程で優先順位が変わっていて、かゆみ、冷感、痛み、触るなどの刺激を同時に行うと、触る刺激が最優先されて脳に伝達されるので、痛みが和らぎます。
さらに、さすってくれる人との共感度や共鳴度が高い方がその効果が高い事がわかっています。
お腹が痛い時にさすってあげたり、肩たたきをしてあげたり、子供の注射の時に手を握ってあげると痛みの抑制効果は大きいんですよね。

① 感覚受容の優先順位(ゲートコントロール理論)

1965年にMelzackとWallが提唱したゲートコントロール理論 (Science, 1965, pp.971-979) によれば、脊髄後角には「痛みの信号を通すゲート」が存在します。
痛み刺激(細いAδ線維やC線維)よりも、触覚や圧覚を伝える太いAβ線維の信号が優先してゲートを占拠すると、痛みの伝達が抑制されます。
例えば、ぶつけた肘を「さする」と痛みが和らぐのもこの原理です。
「触れる」ことは進化的に「痛みより優先される防御信号」として組み込まれており、触覚が同時に入ると痛み信号は遮断されやすいのです。

② 社会的接触と脳の共鳴(Interpersonal Neural Synchrony)

さらに近年の研究では、「大切な人と手を繋ぐ」という社会的接触が、単なるゲートコントロール以上の効果をもつことが分かっています。
慢性痛を抱える女性患者とパートナーが手を繋いだ時、両者の脳波が同期(interpersonal neural synchrony)し、痛みを伝えるβ帯域の活動が低下することが報告されました。
この効果は「誰とでも」ではなく、関係性が強いほど顕著でした。
恋人や夫婦、親子といった強い絆があると、痛みの感じ方が客観的に下がるのです。
つまり「手を繋ぐ」とは、触覚刺激によるゲート制御に加えて、社会的安心感が脳の痛み回路を抑制するダブルの効果を持っているといえます。

③ 体性自律神経反射──皮膚温と痛覚の交錯

触れられることで皮膚血流が増し、末梢温度がわずかに上昇する。
冷たさ受容体と痛覚受容体は脊髄レベルで競合関係にあるため、温度変化が痛みの伝達を弱める。
つまり、手を繋ぐ「温かさ」が、痛み回路を静かに抑えている。

④ オキシトシン仮説──社会的ホルモンの鎮痛作用

手を繋ぐと分泌される「絆ホルモン」=オキシトシン。
オキシトシンは視床下部から分泌され、中枢神経系でGABA作動性抑制を強め、痛みの情動的側面を和らげる。
つまり、単なる触覚ではなく、「この人に守られている」という社会的安心がホルモンを介して痛みを抑制するのである。

⑤ 進化論的仮説──群れの中の安全信号

進化心理学の観点では、「触れ合い=外敵がいない安心の証」と解釈される。
危険下では交感神経が優位となり痛みに敏感になるが、安全が保証されると副交感神経が優位に働き、痛み感受性が下がる。
つまり、手を繋ぐことは「群れの安全」を無意識に確認する行為であり、進化的に痛みを弱めるシグナルとして働いている。

簡単にまとめると

触覚は進化的に痛みより優先度が高く、同時刺激で痛み信号を抑制する
手を繋ぐと、関係性の強い相手との脳波同期が起こり、痛み関連のβ波活動が減少する
したがって「手を繋ぐと痛みが楽になる」のは、 神経科学(ゲートコントロール)+社会脳の共鳴(神経同期) という二重のメカニズムによるものなのですよね。


論文「HIFEM技術の機器による体幹筋肉の増強がゴルフの飛距離を伸ばす」アクセプトされました

今年初めに書いた、「HIFEM技術の機器による体幹筋肉の増強がゴルフの飛距離を伸ばす」という論文がやっとアクセプトされました。嬉しい。

物理学のいくつかの運動方程式と医療機器の効果機序の解説を並べた論文。医学と物理の重なった分野にレビューワーがなかなかつきませんでした。

新しい分野の論文を通すために、同種の参考論文を4つ入れろと指摘されて、他の雑誌を蹴られましたが、同種の論文が無いから対処のしようが無いんです。

以前もフラクショナルレーザーアシストによるドラッグデリバリーの最初の論文を通過させるのに苦労しましたが、一報通過すると二報目は3週間で受理されました。

新しい分野の論文を受理させるときは、本当に難しいですよね。


【独自】26年度の国債費、過去最大へ 30兆円前後で調整、財政圧迫(共同通信) – Yahoo!ニュース

これだけ税金を取っているのに、国債発行しないと運営できないということは、単に政府と官僚が、お金の使い方を間違ってるだけじゃないですかね?ほかの国じゃ考えられないですよ。
まずは天下り組織を解体して、国会議員の給与を減らし、海外へのバラマキ政策を見直されたらいかがでしょうか?

【独自】26年度の国債費、過去最大へ 30兆円前後で調整、財政圧迫(共同通信) – Yahoo!ニュース


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