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昭和100年史を振り返る会

昭和100年史を振り返る会がいよいよ来週の月曜日19時からになりました。

場所は麹町の「ゴルフ医科学研究所」です。

参加費は 30歳未満 無料 30歳以上 5000円

簡単な軽食とワインをはじめとしたお酒が付きます。

昭和50年から平成7年までの20年間。

お時間あれば是非ご参加ください。

冷戦の終盤からその終結、グローバル化の進展まで、まさに「昭和後期」の世界史を象徴するトピックが並びます。

1991年にはバブル崩壊

1995年(平成7年)は阪神・淡路大震災と東京地下鉄サリン事件が起こり、水と安全はタダであるという日本の価値観を大きく揺るがせた年でもありました。

1970年代後半(1975-1979)

1. ベトナム戦争終結(1975年)
サイゴン陥落により南ベトナム政府が崩壊、ベトナムが社会主義国家として統一される。

2. ヘルシンキ宣言(1975年)
欧州安全保障協力会議(CSCE)において、冷戦下で東西融和を模索する重要な外交文書が調印。

3. ポル・ポト政権とカンボジア虐殺(1975-1979年)
クメール・ルージュによる大量虐殺で約170万人が死亡。

4. アップル社創業(1976年)
スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックにより設立。パーソナルコンピュータの普及の端緒となる。

5. イラン革命(1979年)
パフラヴィー朝が倒れ、ホメイニ師を指導者とするイスラム共和国が成立。

1980年代前半(1980-1984)

6. ソ連のアフガニスタン侵攻(1979-1989年)
1980年代初頭、米国やイスラム諸国がムジャヒディンを支援、冷戦の代理戦争化。

7. レーガン大統領の登場(1981年)
米国で新自由主義政策「レーガノミクス」が始動し、軍拡競争が再燃。

8. ポーランド「連帯」運動(1980年)
レフ・ワレサ率いる労働組合が共産体制に抵抗、後の東欧民主化の火種となる。

9. ファークランド紛争(1982年)
英国とアルゼンチンが領有権を巡って交戦、英国勝利でサッチャー政権が強化。

10. CD(コンパクトディスク)の発売(1982年)
音楽産業に革命をもたらし、デジタル時代の幕開けを象徴。

1980年代後半(1985-1989)

11. ゴルバチョフのペレストロイカ(1985年以降)
ソ連の改革政策。グラスノスチ(情報公開)により民主化の波が広がる。

12. チェルノブイリ原発事故(1986年)
史上最悪の原発事故がソ連で発生、環境問題と冷戦体制への不信感が増大。

13. ベルリンの壁崩壊(1989年)
東西冷戦の象徴が崩れ、東欧諸国の民主化が一気に加速。

14. 天安門事件(1989年)
中国・北京で学生らの民主化運動が武力鎮圧され、数百〜数千人の犠牲。

15. 冷戦終結(1989年 マルタ会談)
米ソ首脳の会談で冷戦終結が公式に確認される。

1990年代前半(1990-1995)

16. ドイツ再統一(1990年)
東西ドイツが統一、冷戦後ヨーロッパの新秩序が形成される。

17. 湾岸戦争(1991年)
イラクのクウェート侵攻を受け、多国籍軍が武力介入、短期間で終結。

18. ソビエト連邦崩壊(1991年)
15共和国が独立し、ロシア連邦が誕生。

19. ユーゴスラビア紛争(1991-1995年)
旧ユーゴ分裂に伴う内戦・民族浄化が激化、国際社会に深い衝撃。

20. 南アフリカのアパルトヘイト廃止(1994年)
ネルソン・マンデラが大統領に就任し、長年の人種隔離政策が終焉。

この20件は、冷戦構造の解体、グローバル化の進展、技術革新、民族・宗教問題の噴出など、昭和後期を象徴する題材です。
乞うご期待。


【新国際学会周遊記──ピラミッドの緯度と光速の偶然】

【新国際学会周遊記──ピラミッドの緯度と光速の偶然】

今朝ふと目にしたのは「ギザの大ピラミッドの緯度は、光速の値と一致する」という友人のFB投稿でした。

ピラミッドの中心は北緯 29.9792458°。
これが「光速=299,792,458 m/s」と小数点以下まで同じ並びになるのです。

実は、以前同じ内容の投稿をYoutubeで観た際に、これは偶然にしては凄すぎると思ったのですが、僕も科学者なので、本当かな?と計算した事があるのです。

緯度の小数点はどれくらいの精度?

地球上で緯度1度はおよそ111 kmにあたります。

したがって小数点の桁数ごとの距離は次の通りです:

• 小数点1桁:11.1 km
• 小数点2桁:1.1 km
• 小数点3桁:111 m
• 小数点4桁:11 m
• 小数点5桁:1.1 m
• 小数点6桁:11 cm
• 小数点7桁:1 cm

つまり「小数点以下7桁」まで一致しているというのは、ピラミッドを1センチ単位で測っても光速と同じだった! というニュアンスになります。

□実際のピラミッドのサイズ感

しかし現実のピラミッドは、一辺が約230 m。
石の配置や風化、測定誤差を考えれば数メートル単位のズレがあるのは当たり前です。
ですから「小数点以下3桁=100 m精度」くらいまでなら意味があるかもしれませんが、それ以上は「偶然の遊び」と捉える方が妥当でしょう。
ちなみに「緯度」「経度」という概念は、ピラミッド建造時代(紀元前2600年頃)にはまだ存在していません。体系化されたのは、もっとずっと後のことです。

□緯度・経度の起源

・古代ギリシャ時代(紀元前3世紀)
アレクサンドリアの エラトステネス が地球の大きさを測定。地球が球体であることを前提に、南北方向(緯度)の概念が意識され始めました。

・紀元2世紀
天文学者 クラウディオス・プトレマイオス が著した『地理学(Geographia)』で、初めて世界を「緯度・経度の座標系」で表現しました。これが現在の地図学の祖とされています。

□現代の緯度経度システム

経度0度=グリニッジ天文台(イギリス) が国際的に採用されたのは 1884年の国際子午線会議。
光速が定義されたのは20世紀。さらに現在の「光速=299,792,458 m/s」という定義が決まったのは1983年です。

したがって、
ピラミッド建造(紀元前2600年頃)
緯度経度の誕生(紀元2世紀、プトレマイオス)
光速の定義(1983年)
これらはまったく時代が違う出来事。

□ロマンか、偶然か

科学的に見れば、光速と緯度の一致は単なる偶然。
しかし、ピラミッドの巨大さと正確さを実際にその場で見上げると、やはり人智を超えた何かを感じてしまう。
そこに宇宙的なメッセージを読み取るのは「ロマンの自由」なのだと思います。
僕はこの話を「古代人が宇宙を知っていた証拠」ではなく、「数字の偶然がもたらす人類の想像力」として楽しんでいます。
偶然をロマンに変える視点こそ、人間の特権かもしれません。


【新国際学会周遊記──「不健康長寿国」日本の実像】

【新国際学会周遊記──「不健康長寿国」日本の実像】

昨日は友人とゴルフでした。名門裾野のファイブハンドレッドクラブ。今年の夏は多くのゴルフの予定を入れていたのですが、ことごとく雨で潰れて、7月一回、8月一回、9月一回と、リアル月一ゴルファーです。昨日も台風接近による雨予報でしたが、決行して結局数ホール小雨に降られただけでホールアウトできました。

僕の著書にも書きましたが、若いうちは勉強に、壮年では仕事に、高齢では運動に頑張らなければなりません。
特に運動に関しては、健康度と心肺機能に合わせて、筋トレはもちろん。テニス、ゴルフ、ボーリング、ゲートボールなど運動の度合いを変えて、できれば社会との繋がりを感じられるものがいいですよね。

 

閑話休題

 

友人社長が、僕の以前の投稿に「不健康長寿の日本から脱却しなければ」というコメントをくれたのですが、まさにその通りですね。今日はこの話題についてまとめてみたいと思います。

日本は世界の中でも有数の長寿国とされています。平均寿命は男女ともに80歳を超え、世界ランキングでも常に上位。しかし「長生き」という言葉の裏には、あまり知られていない現実があります。それが「不健康長寿」という側面です。

◆平均寿命と健康寿命のギャップ

平均寿命が延びても、元気で自立して過ごせる「健康寿命」とは必ずしも一致しません。実際、多くの人が人生の最後の10年前後を、病気や介護に頼りながら過ごしています。
たとえば、脳卒中で体が不自由になったり、認知症で自立が難しくなったり。寿命は伸びても「自分らしく生きられる時間」は必ずしも長くないのです。

◆社会的要因の影

さらに、日本特有の社会背景があります。

●高度な医療アクセスにより「治す」医療は充実している。
●一方で「予防」や「リハビリテーション」への投資は諸外国に比べて遅れている。
●核家族化や地域コミュニティの希薄化で、社会的フレイルが進行している。

欧州の研究では、社会参加の豊かさが認知症発症率を下げる ことが示されており、日本も「医療」だけでなく「社会のあり方」を含めた包括的戦略が求められています。

◆「健康長寿国」への転換のために

エビデンスに基づけば、
運動習慣(筋肉量維持):握力は健康寿命の予測因子。
食生活(地中海食や和食):心血管イベントを抑制。
脳刺激(音楽、知的活動):認知症進行を遅らせる効果。
これらの知見を統合し「治療」中心から「予防とケア」中心へとシフトできるかどうか。そこに日本の未来の鍵があります。

◆生活習慣病という見えない足かせ

糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病は、直接命を奪う病気ではないかもしれません。しかし、動脈硬化や心臓病、脳卒中の原因となり、その後の生活の質を大きく下げます。
「薬でコントロールできているから大丈夫」と思っていても、実際には知らぬ間にじわじわと身体を蝕んでいることも少なくありません。

◆運動不足と筋力低下

もう一つの課題は「フレイル(虚弱)」です。高齢になって筋力が落ちると、転倒・骨折から一気に寝たきりに進んでしまうこともあります。日本では特に、外に出て歩く習慣が減りやすい高齢者が多く、筋力低下が深刻です。握力や足腰の力は、健康寿命を左右する大事なバロメーターなのです。さらに筋肉を動かす事によってできるマイオカインというホルモンは、全身の代謝・炎症・神経を円滑に回す“潤滑システム”のような働きを担っているといえるでしょう。
筋トレやウォーキングの後に「体が軽い」「頭がスッキリする」と感じることがありますよね。これは筋肉が分泌したマイオカインが血流に乗り、脳や血管、脂肪組織などを調整した結果と考えられます。
僕はこの現象を「筋肉という工場が作る天然のメンテナンス液」と説明するのが好きです。サプリメントや薬に頼らず、自分の体が自分を修復・調整してくれる仕組み。これこそが「運動は万能薬」と呼ばれるゆえんです。

◆健康法は「相対的」

「塩分は控えめに」「糖分は避けて」「タンパク質はしっかり摂る」──どれも正しいように聞こえますが、実はその人の年齢や体質、生活スタイルによって意味が大きく変わってきます。

若いアスリート:汗を大量にかくため塩分補給は必須。減塩は逆にパフォーマンスを下げる。
高齢者:糖質を控えすぎるとフレイルや低栄養を招き、筋力や認知機能を落とすリスクがある。
腎臓に負担のある人:タンパク質の過剰摂取は腎機能を悪化させる。

つまり「万人に通じる唯一の健康法」など存在せず、体の状態や環境に応じて最適解を探す必要があるのです。

◆孤独という社会的リスク

さらに日本特有の背景として「孤独」があります。家族が遠方に住み、近所づきあいも希薄になると、体だけでなく心も弱っていきます。実際に、孤独や社会的なつながりの欠如は認知症やうつのリスクを高めることが知られています。

◆「長寿」から「健康長寿」へ

本当に目指すべきは「ただ長生きする」ことではなく「最後まで元気で自分らしく生きる」こと。

◎まとめると
そのためには、

毎日の小さな運動習慣(歩く、筋トレ)
栄養のバランス(自分に合ったものを感性で見つける)
知的活動や趣味(読書、音楽、仲間との交流)

こうした積み重ねが「不健康長寿」を「健康長寿」に変える力を持っているのです。

僕はいつも思うのですが、日本人は「病気になったら治す」ことには熱心でも、「病気になる前に予防する」ことにはまだ弱い気がします。

これからの時代は、医療だけでなく生活や社会のあり方そのものを変えていくことが必要なのかもしれません。


【新国際学会周遊記──科学的に却下された都市伝説ベスト10】

【新国際学会周遊記──科学的に却下された都市伝説ベスト10】

科学者の目から見ると瞬時に「却下!」なのですが、世の中にはこうした“もっともらしい都市伝説”が数えきれないほどあります。

今回はその中から、医学・科学の視点で「ベスト10」を選んでご紹介します。

1. 電子レンジの水で植物が枯れる

2006年頃にブログ発の写真つきエピソードが拡散されました。ある少女が「普通に沸かした水」と「電子レンジで沸かした水」を植物に与えたところ、9日後にレンジの水を与えた方だけが枯れた、という内容です。
インターネットは“子どもの純粋な告発”に弱いもの。SNSでは「レンジは危険だ!」と一気に話題になりました。
しかし科学的に見ると、サンプル数n=1、対照条件なし、追試ゼロ。水やり量や日光、元の植物の健康状態も記録されていない。レンジのマイクロ波は水分子を振動させるだけで、冷めればただの水です。
結論:夏休み自由研究レベルにとどめるべき「都市伝説」。

2. ワインにモーツァルトを聴かせると美味しくなる

「発酵中のワインにモーツァルトを聴かせると酵母の働きがよくなり、味が豊かになる」。オーストリアのワイナリーや日本でも一時的に話題になり、テレビ番組でも取り上げられました。
確かに音や振動が微生物に影響を与える可能性はゼロではありません。ただ、科学的に厳密に検証すると、有意な差を示すデータは出ていません。むしろ味の決め手は、ブドウの品質・土壌・樽の状態・熟成環境です。
一方で、「音楽を聴きながらワインを飲むと美味しく感じる」という心理効果は確かに存在します。つまり、熟成中に聴かせる必要はなく、飲むときに好きな音楽を流す方がよほどワインは美味しくなる。

3. 水に「ありがとう」と唱えると結晶が美しくなる

写真集とともに世界的に広まった説。水に「ありがとう」と唱えると、凍らせたときに六角形の美しい結晶が現れ、「ばかやろう」と言うと崩れた結晶になる──そんな“心温まる”ストーリーでした。
人の心を打つロマンがありますが、科学的には再現性がない。観察者の主観が入り込みやすく、条件設定(温度、凍結速度、水の純度)次第で結晶の形はいくらでも変わります。
結論:水に言葉をかけても分子構造は変わらない。「ありがとう」は水よりも、人に向けた方が効果的。

4. 牛にクラシック音楽を聴かせるとミルクが増える

牧場で「クラシックを流したら乳量が増えた」という報告は各国でニュースになりました。牛は音に敏感で、ストレス環境では乳量が減ることが知られています。
ただし、増えた原因が音楽そのものかといえば微妙です。牛舎が静かで落ち着いていた、飼育員が丁寧になった──そんな副次的効果の方が大きいでしょう。
結論:「牛に音楽を聴かせればミルクが増える」のではなく、「牛が安心できる環境が整えば自然と乳量は安定する」。音楽はあくまで“心地よい環境作りの一部”にすぎません。

5. 冷凍食品は栄養がなくなる

「冷凍するとビタミンが全部壊れる」という誤解は根強くあります。ところが実際には、収穫後すぐに急速冷凍した方が、流通で時間をかけて輸送された生鮮野菜より栄養が保たれている場合もあります。
冷凍食品のビタミンC残存率を調べた研究では、むしろ「生より高い」というデータも。現代の冷凍技術は栄養を封じ込める優れた方法であり、忙しい生活の味方です。
結論:冷凍庫は栄養の敵ではなく、現代人の救世主。

6. 携帯電話を耳に当てると脳が加熱する

スマホの電磁波が脳を温め、頭痛やがんのリスクになる──という説は繰り返しメディアで取り上げられました。
しかし、スマホが発する電磁波の出力は非常に低く、頭を“加熱”することは不可能。大規模研究でも健康被害は確認されていません。
結論:スマホの使いすぎで熱を持つのは脳ではなく、むしろ“目と肩”。

7. 割り箸の漂白剤が口に溶け出す

1990年代、「割り箸は危険だ」という報道が一斉に流れました。当時は漂白処理や防カビ処理が一部で行われていたのも事実です。
しかし現在は食品衛生法に基づいた厳しい基準があり、通常の割り箸から有害物質が溶け出すことはありません。それでもイメージだけが独り歩きし、「割り箸=危険」という刷り込みが残りました。
結論:今の割り箸はほぼ安心。危ないのは使い捨て文化の方かもしれません。

8. 水素水はどんな病気にも効く

日本で大ブームとなった「水素水」。スポーツ選手や芸能人が愛用と宣伝し、健康や美容に効くと話題になりました。
確かに基礎研究では抗酸化作用の可能性が報告されています。しかし市販品は開封後すぐに水素が抜けてしまい、実際に飲む頃にはただの水。さらに“万能効果”を謳う宣伝は科学的には誇張です。
結論:期待される研究分野はあるが、市販水素水が「魔法の水」かといえばNO。

9. 酢を飲めば血液がサラサラになる

健康番組の定番フレーズ「酢で血液サラサラ」。
酢には食欲増進や疲労回復作用がありますが、血液そのものを直接「サラサラ」にする効果は確認されていません。むしろ大切なのは、野菜・魚・運動といった生活習慣。
結論:酢を飲んでも血液がサラサラになるわけではない。けれど食卓を豊かにする一品としては十分に“効く”。

10. 砂糖を食べると子どもは多動になる

親の間で根強い「砂糖=多動」説。子どもが甘いものを食べると元気いっぱい走り回るため、「やっぱり砂糖のせいだ」と思われてきました。
ところが科学的研究では、砂糖摂取と多動との間に明確な関連は見つかっていません。実際には、甘いものを食べるシーン(誕生日会やイベント)自体が子どもを興奮させているのです。
結論:多動の原因は砂糖ではなく“場の盛り上がり”。子どもたちに罪はありません。

◆科学はどうやって「真実」を立証するのか?

都市伝説と科学の違いは、「面白いかどうか」ではなく、どのように検証されるかにあります。科学の手法は大きく4つのステップで進みます。

1. まずは疑う(帰無仮説の設定)

新しい発見があったとき、科学者はまず「これは偶然かもしれない」と仮定します。
「電子レンジの水で植物が枯れた」という観察があれば、「水の種類は関係なく、偶然枯れただけだろう」という帰無仮説からスタートします。

2. サンプルを増やす(再現性の確認)

コインを10回投げて7回表が出ても偶然ですが、1万回投げて7000回表なら「これは偶然ではない」と確信できます。科学実験も同じで、多数のデータを集めることで信頼性が高まります。

3. 偶然の確率を計算する(統計学)

集めたデータを統計学で解析し、「もし本当に効果がなかった場合、これほど極端な結果が出る確率は何%か?」を算出します。一般的にこの確率が5%未満(p<0.05)なら「偶然とは考えにくい」と判断します。

4. 世界中の批判を受ける(査読)

最後に、論文として発表し、世界中の研究者から徹底的に突っ込まれます。方法の不備、解釈の甘さ、統計の誤り──あらゆる角度からの批判を乗り越えて初めて「公的な知」として認められるのです。

◆まとめ

都市伝説は、科学的根拠が薄くても「面白さ」「不安」「ロマン」で一気に広がります。
けれど科学が大切にするのは、再現性と統計的有意差。だからこそ「n=1で枯れました!」という実験は笑って楽しみつつ、真実は冷静に見極める必要があります。
科学はロマンを壊すのではなく、ロマンの中から本当に価値ある知識をすくい取る営み。
都市伝説の裏側を覗くことで、むしろ科学の面白さが浮かび上がってくるのです。

 


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